腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ダブルドラゴン4

2017年03月04日 23時03分15秒 | PS4ゲーム感想文
【ハード】PS4
【メーカー】アークシステムワークス
【発売日】2017/2/8
【定価】800円(税込)
【購入価格】720円(税込 DL版)
【プレー時間】不明(体感50時間くらい?)


「ダブルドラゴン」である。シリーズの作品数はそんなに多くなく、人気も規模も「そこそこ」なタイトルだ。しかしながら、ダブドラが我がゲー生に与えた影響は決して小さくない。「ベルトスクロール」「格闘アクション」といった要素をガキの俺に叩き込み、その好みを定着させた。実際俺は今でも順繰りに攻略していくゲームが好きだし、殴りゲー好きは対戦格闘ゲームに移って継続している。……まぁそれらが全部ダブドラの影響ってのは言いすぎかもしれんが、ここはそうしておこう。思い出はいつも気高く美しく。心に残るゲームであること、今も好きなことに嘘はないからね。はぁ。

そんなダブルドラゴンだが、去年末、突然、本当に突然、続編製作が発表された。「ダブルドラゴン4」である。3のファミコン版が1991年発売だから、実に四半世紀ぶり、「久々」という言葉ですら足りないほどの間を置いて生まれたナンバリング続編である。テクノスジャパンが既に亡いから発売元はアークシステムワークスになり、ハードはPS4(とsteam)&DL専売と、現代事情に沿った形態となった。また今作、発売は発表から僅か1ヵ月後というジェットコースターペースだった。12月に突然発表、1月には発売。……え? え? 何これどういうことマジで? ダブドラ4が……今頃……? ダブドラ好きの俺としてはもちろん続編の登場は喜ばしいが、発表も発売もあまりに急だったので、喜びより戸惑いが先行した。プロモーションに金をかけろとは言わんが、もうちょい丁寧に展開してほしかったと思う。

……が。続編発表をあまり喜べない理由は、正直別にあった。見た目である。第一報で公開されたPVを見れば一目瞭然、今作はファミコンドット絵ベース、正確にはファミコン版「ダブルドラゴン2」をベースに作られているのである。無論新たに作られたモーションやキャラもあるし、ステージは全て新規(多分)だが、どうにもこうにも「ダブドラ2アレンジ」感が漂いまくり、「待望のナンバリング完全新作!」という気分になれない。主人公の立ち絵まで流用はちょっとどうかと思う。まぁ要するに今作、低予算ゲーなのだ。実際、開発人数は5人かそこらだったという。小規模ゲームが悪いと言う気は更々ないが、これだけ流用が目立てば話は別だ。ツギハギ、ハリボテ、安っぽく見えてしまうのだ。

そもそも「シリーズ30周年」を謳って発表されたのに、「ファミコン版」ダブドラ2ベースというのもしっくり来ない。ダブドラの起源は言うまでもなくアーケード版だからだ。ファミコン版は良し悪しはともかくアーケード版とは完全に別物だった。当時のハード性能では仕方のないことだが、あらゆる面で両者は「タイトルこそ同じだが別のゲーム」と認識せざるを得なかった。それなのに、正統ナンバリング続編が、「始祖たるアーケード版とは別物」であるファミコン版を元にしている。穿った見方だが、オリジナルであるアーケード版を隅に追いやるような仕打ちにも思えてしまう。今作はダブドラの生みの親達が製作していて、そういう意味でも完全無欠の正統続編だ。それだけに、余計寂しい。マーケティング事情や予算の都合が多大にあるのだろうが、ファミコン版の絵を元にするって。どうせやるなら、「4」にするなら、もうちょっと豪華にしてほしかった。アーケード版初代に強い思い入れを持つ俺はそう思う。はぁ。

まぁ、仕方ない。「まずは出してくれてありがとうでしょ」だ。ありがとうございます。今作は、そんな売れるタイトルじゃない。仮にアケ版の絵を元に作っても同じさ。だからシリーズで一番売れた(多分)FC版2の経験者に向けて作る。非常に合理的で理解できる事情である。はい、受け入れます。今作の在り方に不満はあるものの、俺もFC版2はど真ん中で刺さっている人間である。俺が購入した記念すべき三本目のゲームソフトだった。ちなみに一本目は「ファミスタ'88」で二本目は「テトリス(BPS)」だった。あの頃にゲームを買う金が潤沢にあるわけがなく、買ったゲームは穴が空くほどプレーした。ダブドラ2も何周したか全く分からない。ったく、ファミ魂よの。……「ゲームが積み上がっていてプレーが追いつかない」という現状をあの頃の俺に教えたら、あまりに理解不能で卒倒するかもしれんな。それか「何やねんそれゲーム舐めてんか!? 俺は絶対そんな大人にならへんからな!」と怒られるかも。……すまんなぁ、昔の俺。でも君も大きくなったら分かるさ。年を取るにつれ、色々あるんだよ、色々。はぁ。

今作は1/31発売(配信開始)だったんだが、何と「日本のPS4版のみ」「諸事情により」「1/31当日に」延期が発表された。ゲームの発売延期は珍しくないが、当日午後発表は前代未聞ではなかろうか。安価でマイナーなソフトなのに、なかなか強烈な挨拶をかましてくれたものだ。その後2/8に何とか発売されたので、プレー開始。取り敢えず最初は主人公を使って進める「ストーリー」モードしかないので、それをやる。今までは主人公であるリー兄弟は全く同じ性能(二人目は二人同時プレーの際に登場)だったが、今作では微妙な差が付けられ、それに伴い一人プレーでもどちらかを選択できるようになっている。つっても言われなきゃ気付かんレベルだから、青か赤かで選べばいいと思う。操作性も基本ダブドラ2を踏襲しており、「龍尾旋風脚」「天殺龍神拳」「爆魔龍神脚」の三大必殺技も健在。爆魔は2では出すのが難しかったが、今回は楽に出せるようになった。また特殊技が3つ用意されており、まともに出すのはかなり出し難いものの、ボタンに設定することも出来るのでそうするのが無難だ。今作は製作者のファミ魂的な意地なのか、一応全ての技をレバーと2個のボタンで出せるようになっている。しかし現代環境でそれをやる意味はまぁないであろう。コンフィグで好きなボタンに好きな技を配置すればいい。操作性くらいは現行機に合わせ、もうちょい凝ったものにしてほしかったな。とことんファミコンテイストの再現、か。それが今作を「今のゲーム業界」で売るための作戦……か……。

さて実際に動かしてみて、まず愕然。「ダウン時間が長すぎね?」と。そのままの意味である。敵に殴られダウンしている「行動不能時間」が、ダブドラ2と比べて非常に長い。実際に2を再プレーして確認したから間違いない。実時間では1秒とかそこらの話だが、アクションゲームにおいては非常に気になる不快感である。無論、バランス調整の結果というのは分かる。ダウン中に敵が距離を詰め、起き上がりの攻防に緊張感を持たせるようにこうしたのであろう。2ではファミコンの性能故に敵は2体しか同時に出なかったが、今作では多数いるから、その絡みだろうな。……それは分かる……分かるのだが、にしても長い。ちなみに敵をダウンさせた時も同じで、一対一で戦っている場合は「はよ起きろやテンポ悪いなぁ」とイライラする。デフォダウン時間は長くても、キー操作でクイックスタンディング可能にしてほしかった。敵も、ボスキャラは起き上がりが早いといった調整を入れてほしかった。ちなみにアーケード版初代は実際そういう設定になってたんだがな。「起き上がりの攻防」は格闘ゲームの華なのに、今作では長いダウン時間のせいで随分損をしていると思う。「現代の最新作」でこれはなぁ。見た目がファミコンだからとかも関係ないし。はぁ。

次に思うのは「技を出しやすいなぁ」である。上で書いたが、2では出し難かった必殺飛び膝蹴り「爆魔龍神脚」もボタン一つで出せるようになった。その他の技も、少なくとも出せなくて困ることはもうない。今作では空中コンボの要素も追加されており、最初は雑魚敵にそれらをガンガン決めて爽快に遊べる。「ダブドラも現代に合わせて爽快アクションに路線変更かぁ~まぁこれはこれでアリか」と思った。……言うまでもなく、それは大きな勘違いだった。くぅ。

最初こそ敵はチビチビ少数でしか出現しないが、徐々に群れの数が多くなる。ファミコン時代はハード性能で数を出せなかっただけで、本来ベルスクとは一対多数、こういうものなのだ。そして敵の数が増えると、難度も一緒に上昇していく。ベルスクの鉄則として「軸をずらして移動→軸を合わせて攻撃」「敵を左右に分散させず、一方向に纏める」というものがある。これは今作でも同様で、「同一軸同方向に」敵が固まっていれば、何体いようと一度の攻撃で同時にブッ倒せる。理想は敵が重なっていることだな。……しかし敵はそうそうこちらの意図通りに動いてはくれない。元々ダブドラは「気持ち良く敵を掃討していく」タイプのゲームではない。敵は賢く、厭らしいのだ。向こうから殴られに来てくれる「ファイナルファイト」とは、見た目は似ていてもタイプが全然違うのである。最新作でもその思想は受け継がれ、更にパワーアップしている。「軸」をずらして接近し、そこで軸を合わせて攻撃……こちらの狙いと同じことを敵もしてくる感じだ。無論そこまで正確無比ではなく、「やられ役」としての緩さはある。しかし基本、ずる賢い。それらの意味することはもちろん「難しい」になる。はぁ。

更に敵はこちらと違って多数だから、「挟み込み」を狙ってくる。これが非常にキツイのが起き上がりだ。長いダウン時間中にこちらの左右に陣取られれば、悪夢の開始。起き攻め(られ)が強烈であることは製作者も分かっていたのか、今作では「起き上がりに必殺技を出せば無敵になる」という仕様がある。そして起き上がり必殺技はボタン連打で出せる。……しかし必殺技は「一方向にしか出せない」のである。右の敵はぶっ飛ばせても左は無傷。そして必殺技はどれも攻撃後の隙が大きい。最初のうちはダウン→必殺技で大体敵を倒せるし、進められるが、徐々にそれだとダメージの赤字が嵩むようになる。大体、それだとストレスが溜まることこの上ないしな。今作において必殺技は格段に出しやすくなり、また必殺技は強力だが、それに頼っていては攻略はままならない。個人的には結局基本のパンチ・キックで戦いを組み立てる方が安定すると思った。まぁ、これはこれでいいと思う。それが「現代のベルスク」として適切なのかは分からんけど……。

敵の起き攻めはステージが進むとより苛烈になる。特に「飛び道具ハメ」が酷い。今作にも「落ちている武器を拾って投げる」要素はあるが、敵の中にはそれとは別に専用飛び道具を持っている奴がいるのである。そいつらは、酷い。ダウン中に飛び道具を重ねてきて、起き上がったら必中。いい加減にしろローパー(敵名)!! 飛び道具も軸ずらしで対応できるが、起き上がりにはどうしようもない。あんなんテストプレーしたら幾らなんでも理不尽だとすぐ分かるだろう。あれは許せん調整だった。あと、2では必殺技を左に撃つ→着地で今度は右に撃つ という方向転換が可能だったんだが、今作では不可能。必殺技連発こそ可能だが、片方向のみにしか出せない。これがまた痛い変更点だった。確かに2仕様だと起き上がり攻防がかなり楽になるが、片方にしか出せないことで面白みは随分減っている。今作はホント「渋い」ゲームである。ユーザーの快感よりも、製作者のポリシーが優先。見た目がファミコンならスタイルもファミコン的だ。端的に言うと不親切。……これでいいんだけど、これはこれで理不尽な気もする。俺も現代人だからなぁ。はぁ。

そんなこんなでストーリーモードを進めるが……難しい。進められはするんだが、息切れにより終盤でゲームオーバーとなる。今作は残機3人、コンティニュー5回までと厳然に決められている。……ちなみにめっちゃ細かいことで恐縮だが、今作では残機の表現が「×1」だと、ここから死ねばゲームオーバーになる。これ、違和感ない? 「×0」にて最後の残機ってのがファミコンの、ゲーム業界の流儀だと思うんだが。そうは言いつつ「×1で最終機」なゲームも存在し、30年前にも友達と議論した記憶がある。どっちが正しいのだろうか。うーむ。はぁ。まぁいいや。コンティニューすればその場で復活可能なので、実質残機15で全ステージを突破しなければならないということだ。なかなかに厳しい。セーブ? パスワード? そんなものはない。15機目が死ねば最初から。実にファミコンである。これをクリアーするには? クリアーするまで挑戦し続けるしかない。だから俺は頑張った。負けずにやり続け、何とかクリアー。今作の、まず最初の挑戦を達成したのであった。はっはっは。……「タイトル画面でオプションボタンを押せばステージセレクトが可能」という裏技を知ったのは後の話だった。ふざけんなもっと早く言え畜生。プライド的には満足だが、徒労感があった。はぁ。

さて、ここからゲームはやれることが増える。まず延々出現する敵と延々戦い続ける「タワーモード」が開放される。更にこのモードの到達階次第で、敵がプレーヤーキャラとして使用可能になるのだ。タワーだけでなく、ストーリーモードでも、だ。まぁストーリーモードで敵を使う場合、物語部分は全部カットされることになるが。ちなみに「2P対戦モード」もあるが、これは一切興味ないからどうでもいい。タワーでの敵開放は割と簡単で、40階までクリアーすれば全キャラを使用可能になる。つっても俺は正直敵キャラ使用には興味がないんだが……アレである。トロフィーである。やっておきたいやん、トロコン。ちなみに今作は定価800円の安価ゲーだが、プラチナトロフィーがちゃんとある。どうもその辺の制限は完全になくなったようだ。その意味でも、やっておきたい。そこでトロフィー条件をチェックすると……「◯◯を使ってストーリークリア―」がズラリと並んでいた。その数、何と19種。つまり19種の敵キャラを使ってストーリーモードをクリアーしろというのだ。そしてその条件には「最初から最後まで」とキッチリ書かれている。つまりステージセレクト使用による段階的クリアーは不可。残機条件等は条件は主人公使用時と同じだが、主人公でも相当大変だった一気クリアーを、更に19の別キャラで。無茶言うなよコラァ! まぁやれないことはないにしても、達成まで一体どんだけ時間がかかるのか。かなり気が滅入ったが、取り敢えず最弱の雑魚キャラから順繰りにやっていくことにした……。

……そしたら、ビックリ。最弱雑魚キャラ「ウィリアムス」さん、めっちゃ強い。敵だから、雑魚だから技が弱いというわけじゃなく、パンチやキックは普通に使えるし、体力はプレーヤー化すれば主人公と同等になる。更に敵キャラには専用飛び道具を技に持つやつが多く、これがえらく強いのである。ローパーは当然として、ウィリアムスもナイフを投げられる。遠くから軸を合わせて投げればほぼ必中な上、威力も十分、小型の敵なら一撃で倒せる。飛び道具は強すぎるのでさすがに回数制限があるが、先に進んで画面が切り替われば一定数回復するし、残機が減ればそれでも回復する。だから実際にはかなり自由に投げられる。むっちゃ強い。単純なストーリーモードのクリアーのし易さなら、ハッキリ言って主人公兄弟・ダブルドラゴンよりも遥かに上。何が拳だ必殺技だ、最強は飛び道具だよと言わんばかりの強さだった。そんなわけで、敵キャラ使用でのストーリークリアーは驚くほど順調に進んだ。ちなみにタワーで開放されるキャラは今作内に限らず、ファミコン版各作品に登場した奴もいる。グラフィックは使い回しなので違和感があるが、これはオマケだからいいだろう。……何故か1のラスボス(厳密には違うが)「ウィリー」のみいないのは謎だが。まぁマシンガン使いだから、プレーヤーキャラとしては強すぎるんだろうな……。

敵キャラの中では「添野」「チン・セイメイ」が弱くてちょっと苦戦したが、概ね一発でストーリートロフィーはコンプした。はっはっは、やれるやん。どれどれ、残るトロフィーは何よ? トロフィー構成はシンプルで、ストーリーとタワーモードそれぞれに関するものしかない。ストーリーはやり遂げたから、後はタワーだ。でもタワーも「50階クリアー」までは達成している。じゃあ残るはたった1つやんけ! 「タワー100階をクリアーした」、これだけだよ。もうあと少しやんあっはっはっは、意外とヌルいよのダブルドラゴン。まぁ俺はもう25年前の俺じゃないってこった。数多のゲームで修羅場を乗り越えた今の俺には、蘇ったファミコン風アクションも大きな壁ではないのだ!!!

……で、こっからだよ。「地獄」だったね。いや地獄なんて言葉、そう簡単に使っちゃいかんのは分かる。実際別に「苦しくてたまらん」かったわけじゃないのだ。だがしかし、俺はタワー100階に挑んでる最中、ずっと「賽の河原」て言葉が頭から消えなかったのよね。賽の河原では、小石を積み上げて塔を作ろうしても、鬼がそれを崩していく。何度積み上げても、何度でも。そういう地獄らしい。……まさに、それ。何度も何度も挑戦し、「ある程度の成果」を積み上げ、全部ブッ壊され。本物は子供が行く所らしいが、こんなもん大人でも頭がどうにかなるぞ。いやぁ~~~……気が滅入る。

タワーのトロフィーは、10、20、30、40、50とあり、その次が100である。50階まではどうにでもなる。序盤は目ぇ瞑ってても進めるし、開放される敵キャラの中には非常に塔向きの性能な奴もいる。そいつらを使えば50階などすぐ行ける。……しかし、だ。その倍だぞ? 一気にハードル上げすぎじゃね!? 倍と言っても、純粋な意味ではない。1階は5秒で終わる(本当)ほど楽だが、51階ではそうはいかない。塔の敵はストーリーに比べて皆体力が非常に低く設定されていて、すぐ倒せる。これは終始変わらん設定で、基本的にテンポよく進められる。また序盤は攻撃力も低くなっており、ダメージを受けてもゲージは全然減らない。だから序盤だけをやると「これなら100階とか楽勝じゃね?」と思う。徐々に敵の数が増えてきても、まだ何とかなりそうじゃね? と思う。しかし、階が進むと、「敵の攻撃力」が爆発的に上がるのである。それはもう、冗談のように。嗚呼。

タワーモードに残機はなく、また回復手段も一切なく、現体力が全て。見えてる体力ゲージがゼロになればそれで終わり。ゲージは全部で8メモリ。それが50階以降は、敵の1コンボで1や2は余裕で消える。そこから起き攻めが上手くハマると4や5が一瞬で消えたりもする。またタワーでも飛び道具の恐怖は健在で、飛び道具キャラにダウンさせられると、起き重ねでハメころされたりもする。理不尽だ! なんて言葉は誰にも届かず、最下層に叩き落される。……また最初から、やり直し。

タワー100階目標のプレーをしていて、「惜しい」て言葉は何の慰めにもならない。60階まで行けた、80階到達だ、97階で死んだ、惜っしぃいい!! ……そんな「積み重ね」が、別に次回のプレーで活きるわけでもないのだ。タワーでは、特定階でボスラッシュ的なこともあるが、それも含めて一つ一つの階は「別に難しくはない」。50階以降はどこも同じような難度で、58階より98階が難しいってことはない。出現する敵にはランダム要素もあるので尚更だ。一つ一つは別に何てこと無いのである。……だが、それを連続で、死なずに突破するとなると……うあぁああ。個々の階で難度に差がないだけに、「70階に気を付ければ何とかなる」というような攻略も出来ない。死因はどの階にも平等に潜んでいて、いつそれに襲いかかられるか分からない。どんなに慎重にプレーしてもミスは出るし、運も大きく絡む。非常に好調に進んでいたのに、雑魚の蹴り一発からリンチで窓から蹴り落とされるなんてのも日常だ。そして全てが無に帰し、「最初からやり直し」。……やっても、やっても、到達出来ない。今作はプレー時間が出ないからどれだけやったかは分からないが、タワー100階狙いだけで30時間は費やしたのではなかろうか。俺は「ゲームの難所を飽くなき挑戦にて突破する」てのは割と慣れてるんだが、タワー100階狙いはそういうものではない。持続する集中力と細やかなプレー、そして運が求められるのだ。書き忘れたが、個々の敵キャラの攻略なんぞはとうに済ませている。単独でならどいつもほぼ確実にノーダメージで倒せるのだ。……とか、とか!! 御託はもうええから、突破させてくれ! 俺に成果を与えてくれ!! そんな嘆きを今作は全く聞き入れず、挑戦と同じ回数だけ俺の死体をビルから投げ捨ててくれた。段々病んでるよな感覚がしてきたよ。何故か挑戦はずっと続けられたんだけどね……。

最終的には「もうダメ!」と一旦諦め、シェアプレイでツイッターのフォローさんに協力を仰ぐという作戦を取った。二人同時プレーだと格段に楽にはなるが、敵の数は一人の時より増えるというデメリットもある。また延々タワーやってる俺と初挑戦の相方では差もある。そんなこんなで、3回ほど挑戦したが、この最終手段を持ってしても、100階には辿り着けず。……つってもこの時の失敗も俺のミスが原因だったんだけどね。度重なる失敗により、もうかなり頭がダメになってたんだろうな。まぁでも、これで区切りを付ける決心もついた。100階を諦めるわけではないが、延々やり続けるようなことは今日限りにしよう。フォローさんにお礼を言い、終わり。取り敢えずダブドラは終えて感想書いて、また気が向いたら挑戦しよう。別にトロコンまでやらずとも、な。うん。

……そう思って翌日はプレーせず、更に翌日に挑戦したら、割とあっさり101階へ行けたのであった。100階トロフィーを獲得し、同時にプラチナトロフィーゲット。完全制覇ナリ。……一度区切りを付けたことで精神的に楽になったのが良かったのだろうか。「根を詰める」ことが必ずしもいいこととは限らんなぁと思ったよ。はっは。達成時は叫ぶほど喜ぼうと思ってたが、実際は緊張で手が震えてそれどころではなかった。それまでにも90階台に来て死ぬことは何度もあったからね。最終盤は意識しないよう、階数を見ずに進めた。気付いたら、トロフィー獲得の音が聞こえたよ。はっは。ちなみにタワーは幾らでも続けられるが、無論そんな気力はない。103階くらいでボーッとしてたら死んで終わり。とにかく、やった。鬼の責め苦に耐え続け、俺は石の塔を完成させたのだ。はぁっは……は。間違いなく、俺史上一番大変なトロフィーだった。トロコンに拘るって、アカンのじゃね? 嬉しいけど、只管に疲れましたナリ。あ、使用キャラは「なぞのかくとうか」ね。総合的にはコイツが一番強いだろうから。……このキャラは2のラスボスさんだけど、名前がないのが当時から気の毒だったね。最初は正体不明にしても、戦う段階では明かしたれよ。2最終戦前のデモにおける、主人公の「かくごしろ かくとうか!!」て台詞が忘れられん。そりゃないやろテクノスジャパン……。


後は何だろ。物語は2の続きということで、「核戦争により暴力に支配されている世界」が舞台だ。今時それかよ! と言いたくな
るが、今時じゃなく30年前なんだよ。今作はベルスクの祖として知られているが、核戦争後の世界や兄弟の拳法使いとか、「北斗の拳」の影響を強く感じる。今作では最初アメリカで戦い、途中でヒロインがお約束の腹殴り拉致を食らい、それを追って日本へ向かい、ラスボスへ向かっていくという内容。正直全然魅力がないからどうでもいい。せっかく新作出すんだから、こんな脳筋内容じゃなくもうちょっと練ればいいのにねと思った。ラスボスはチャイナドレス着た女の双子拳法家だがメイン武器は銃という微妙な存在だった。別に悪人じゃなかったのも残念。気持ち良く殴り飛ばせる最低のクズキャラを用意してほしかったな……。

グラフィックはファミコンクオリティだが、画面が16:9になったことの影響は大きく、ベルスクとしてのプレー感覚は意外と変わっていた。また絵はファミコンでもハード性能は別次元だから、キャラが多数同時に出てくるのは先に書いた通り。もちろん何人出ても処理落ちもチラつきもない。……これは難度を上げてる要素でもあるんだが、まぁ仕方なかろう。ファミコンレベルなりの美しさやセンスを期待していたが、残念ながらそれはなかった。「ただファミコンクオリティ」なだけ。まぁ、贅沢は言うまい。あと芦田・山崎・添野の日本人道着トリオは、見た目やモーションが明らかに極限流のパクリだった。あれはちょっと悲しかったな……。

音楽も当然ファミコンクオリティ……ではなく、BGMは「レトロ」と「ノーマル」から選択出来るようになっている。レトロだとファミコン風、ノーマルだとそこそこ豪華になる。まぁ悪くなかった。新曲よりも旧作の曲の方に魅力を感じるのは仕方のないところだね。有名な「ダブルドラゴンのテーマ」や「双竜の雄叫び(2ラスボス戦時の曲)」も完備。タワーモードでは進行によってBGMが変わっていくのがなかなか楽しかった。……ごめん楽しかったは言い過ぎた。BGMはいいんだけど、効果音は非常に悪い。なんか掠れているというか、全体的におかしな音が矢鱈と目立つのだ。何で銃撃であんな音を出すんだ? ちょっと製作者の意図が分からん。この点では「所詮安物ゲーか」と悲しいことを思ってしまった。でも仕方ないよ。マジなんであんな音を鳴らすんだ……?


ふぅ。タワー100階狙いに非常に非常~~~~に苦戦したが、その分やり込めた。四半世紀ぶりのナンバリングタイトルに対し、ファンとしての気持ちをキッチリ返せたと思う。ありがとうダブルドラゴン。……さて、次、だよ。キッチリプレーしても、やはり今作への「ダブドラ2アレンジ」の印象は抜けなかった。仕方ないよ、実際そうなんだから。次は、「本当の新作」を望みたい。テイストをアケ版にするかファミコン版にするかまたは一新するか、どれでもいいからとにかく「新作」を。初代から30歳年を取った生みの親達が揃っている現状は、その最後のチャンスではなかろうか。それは言い過ぎにしても、チャンスであろう。品質はこの際置いておいて、「今作ったダブルドラゴン」を俺はやってみたいです。……その為には当然、今作の高い売上が必要だな。うーん……どうだったんだろう。日本では良くて5000本くらいであろう。ツイッタでの情報もロクにリツイートされてなかったしなぁ。ただダブドラの本場は海外だ。海外で売れれば芽はある。海外におわすダブドラファン達よ、どうか買って下さいお願いします。幾ら買ってもプレーしても、俺ら日本人は所詮「層」ではないのです。……卑屈すぎるなごめん。はぁ。結局待つしかない、か。待てば海路の日和あり。今作だって待っていて、いや待つどころか望みゼロと思ってたところにいきなり来たんだ。次もきっとある。突然来て、驚かされ、そして今度はきっとワクワクさせてくれるさ。その時を待って、「ダブルドラゴン5」の発表を待って、了。

……25年後、だったりしてね。あり得ないとも言い切れない。「核戦争後の秩序が崩壊した世界」がリアルになっていたりしてねあははははは。そんな世界でゲームなんか作れねーだろバーカ。いつも通り、未来は暗かった。腕力で晴らせるわけでもない。単純に右に進んでいけばよかった20世紀はもう亡いのである。21世紀はとても立体的で複雑で、敵は強くて数が多いのである。はぁ……。










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Unknown (ラブムー)
2017-03-09 15:57:17
トロコンおつかれさまでした。それにしても、otaさんとダブドラの間に、かくも長く壮絶なバックグラウンドがあったとは……。
おかげさまで、僕も先日ストーリーモード(どうにか)クリアできました。その後、主人公キャラでタワーモードに挑んでみたのですが、全然歯が立ちませんでしたが。。機会ありましたらまたシェアプレイご一緒しましょう!
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Unknown (ota)
2017-03-10 01:48:57
いや~~~……大変でした。けど、大袈裟ですが勉強になりました。そして比類なき達成感があります。今作のトロコンは、嬉しいです。
>僕も先日ストーリーモード(どうにか)クリアできました。その後、主人公キャラでタワーモードに挑んでみたのですが、全然歯が立ちませんでしたが
おめでとうございます。タワーは、キャラに拘らないなら「ジェイク(ドロップキック強い)」や「芦田(無敵バリアー強い)」がいいですよ。
リー兄弟は正直弱いと思いますw 今作では「無敵の双截拳」のイメージがガタガタになりました。もうええから飛び道具持てよ。
>機会ありましたらまたシェアプレイご一緒しましょう!
はいー。
返信する
Unknown (ケンシロウ)
2017-03-12 12:05:10
やっと休みでブログみれましたよ、ダブドラはやったことないんですがブログみてやりたくなりましたよw
でも、肝心の母体がないんですがw
ファイナルファイトやタートルズなどはやっていたのですがダブドラには縁がなかったですねー
ダブドラ、、、少しググってみますわw
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Unknown (ota)
2017-03-13 01:11:52
お忙しそうですね……お疲れ様です。むぅう。
>ファイナルファイトやタートルズなどはやっていたのですがダブドラには縁がなかったですねー
俺はダブドラ大好きですが、一般向けベルトスクロールはやっぱファイナルファイトがベストだと思います。
今作も「敵を殴り飛ばせる爽快なアクション」とは言い難いので、シリーズに思い入れがないとあんまし楽しめないかもしれません。
まぁ安価なゲームですし、名前だけでも覚えておいてやってください。PS4があれば、ゲームの可能性がグッと広がりますよw
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Unknown (Unknown)
2020-02-01 16:08:06
完全新作だとダブルドラゴンネオンというゲームがあってですね…(黒歴史扱いされてる)
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Unknown (ota)
2020-02-02 16:44:36
ネオン、実はプレー済みです。感想も書いてたり。
ただあの作品は海外製(多分)ということで、完全に別物だと感じました。
育成要素が強すぎるのはダブドラとしてどうかと思いますね。
全くのダメゲーではないので、いつかトロコンのために再挑戦を……と考えていたりいなかったり。
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