腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

NINJA GAIDEN2

2011年04月27日 00時37分06秒 | XBOX360ゲーム感想文
今作の感想は、3年前に一度やった。
史上初(大袈裟な)の再感想文である。
いやそれだけ。はぁ。






たたかうひとへ。

男とは何か。
意地とは何か。
最強の忍が、修羅の道を行く。
男には死を賭しても、貫かねばならぬものがある。
たたかうひとよ。
魂を焦がす、最後の戦いを知れ。

監督 板垣伴信



今作のパッケージ裏には、威風堂々とこのメッセージが書かれている。
ゲームのパッケージは何気に作品の見せ所の一つだが、滅多にない強烈な部類に入ると言えるだろう。
ぶっちゃけ、ちょっと痛い。
たかがゲームで、何が男か、何が意地(笑)か。
監督として自分の名前デカデカと書いて、世界のコジマさんか(笑)。
プレーヤーを煽る意図は分かるが、これはちょっと外してるなぁ。あっはっはっは。


普通の人には、そう見えるだろう。もっともだと思う。
だが今作をプレーした人には、笑い飛ばせるほど軽いメッセージではないことが分かるはずだ。
特に高難度モードにまで挑戦した人には。いやその段階でこそ、このメッセージの真意が伝わるはず。
男とは何か。意地とは何か。
……アクションゲーマーとは何か。根気とは何か。




「たたかい」は、現代人にとって非常に身近で微妙な問題だと思う。

基本、戦いはいけないことだ。特にその極地たる戦争は、何が何でも避けなければならない。
日本に限らず、例え好戦的(と言われてる)な国であっても、少なくとも基本方針はそう掲げている。
人は動物じゃない。対話により理解し合える。手を取り合える。
無論人類の歴史は戦争の歴史でもあるが、なればこそ、これからはその流れを断ち切り、戦いを忘れるべきだ。
現在各国が配備している軍隊は自衛が名目であり、決して他国に戦争を仕掛ける為ではない。多分。
人類皆兄弟。平和主義。戦争反対。誰も否定できない至高の価値観である。


……が、それはあくまで建前であり、現実は違うことは世界中の誰もが知っている。
人は争う。人は戦う。今までも、これからも。これは絶対に変わらない。人の本能であり、世の摂理なのだから。
別に殴り合うだけが争いではない。受験就職宝くじ(?)、寧ろこの世に戦いの要素がないもの方が珍しいのではなかろうか。
人は戦うのである。建前の大切さを承知しつつ、人類は誰もがそれを知っている。

と言っても、堂々と戦いを肯定するのは、何か文化的に低俗な感じがするから嫌だ。
本質は何も変わっていないのに、人は昔より進歩したと思いたいのである。
そこで人は、戦いへの欲を娯楽、エンターテインメントで補う術を発明した。
映画を見れば派手な爆発シーンがある。漫画を読めば格闘トーナメントが開かれる。アニメを観れば巨大ロボが暴れまわる。
ポケモンだって戦いのゲームだ。ミッキーにだってライバルはいる(はず)。人は戦うのだ。ネズミか。
別にフィクションに限らず、ボクシング等の格闘技は世界中どこに行っても娯楽として存在する。
サッカーや陸上競技や水泳など、直接的間接的に戦うスポーツも幾らでもある。

戦いは人の本能だが、当然危険な行為ではあるし、強くなる為の労力は重い。
また実際に人を殴るのは文化的にアレだし、何より自分が殴られて痛い目に遭うのは御免だ。
そういった様々な事情を長時間かけて消化し、戦いを娯楽に溶け込ませたのは、間違いなく人類の叡智だと思う。
なんだかんだで、人類は進歩したと思う。スポーツ観戦してストレス解消できるのは非常に健全だよ。


で。
今作「NINJA GAIDEN2」は、未だ世の中が曖昧にしている「戦いへの欲」を一切隠さず、只管追求している。
ハッキリ言おう、今作のジャンルを個人的に命名するなら「殺害エンターテインメント」だ。
不謹慎とか知った事じゃない。今作は戦いを、殺人を娯楽に仕立て上げている。
そしてそれがとても面白いのである。

如何に誤魔化しても、人類に戦いは必須であり、戦いの行き着く先は命のやり取りだ。
なら戦いを娯楽として追求したら、殺害エンターテインメントに辿り着くのは至極当然の話だと思う。
だが幾ら娯楽の世界と言っても、殺害を肯定するのは非常に問題のある行為である。
世の中は本音と同じレベルで建前も大事であり、「殺害の肯定」は建前に真っ向から反する価値観だ。
正直、幾らZ指定であっても、今作の内容はよく発売できたと驚けるレベルである。
そういや3年前、アホなゲーオタが通り魔殺人をしでかした際、「NINJA GAIDEN DS」を所持していたことが少々話題になった。
幸か不幸かその後も凶悪事件が多発したことで風化したが……もし通り魔犯の所持品が今作だったりしたら、
もしかしたらゲーム業界をひっくり返す一大事件に発展していたかもしれない。
それほどに、今作は殺って殺って殺りまくるゲームであり、それがとことん楽しいエンターテインメントなのである。
殺害エンターテインメントが面白かった。事実なので、何ら恥じることなくここに断言する。



とにかく、敵が湧いてくる。うじゃうじゃと数え切れないくらい湧いてくる。
そいつらを刃物で両断する。或いは鈍器で叩き潰す。
斬撃で四肢が切れ落ちる。打撃で頭がぶちまける。もちろん血糊は乱れ舞う。脳漿が弾き飛ぶ。
あくまで冷淡な主人公リュウ・ハヤブサの掛け声と、敵の悲鳴が響き渡る、文字通りの修羅場。
戦いの後に残るは、血の海と死体の山。感傷に浸ることなく、次なる修羅場へ移動する。
以下繰り返し。殺害エンターテインメントの完成である。


前作の時点でも、基本的な流れは同じだった。
しかし今作は出現する敵の数を増やし、何よりハード性能の向上を徹底利用した描写の強化により、
前作とは比較にならないほどの残虐表現を実現している。今作の残虐表現は、3年経った今でも業界トップクラスではなかろうか。

単に敵の数を増やしただけでなく、それに対応する新システム「身体欠損」と「滅却」を取り入れたのは、今作の大きな特長だ。
前述のように、敵を攻撃すると、手足がもげることがある。何も知らないと単なる残虐表現でしかないが、そうではない。
敵は手足がもげれば、基本性能が落ちる。足がもげれば匍匐移動しかできなくなるし、手なら重い武器を扱えなくなる。
当然欠損を狙うことは、ゲーム攻略上重要である。多すぎる敵に好き放題やらせていては危険すぎる。まずは欠損させて能力を落とすのだ。
つまり身体欠損はゲームシステムとして完璧に組み込まれているのである。決してただの惨たらしい演出ではない。
と言ってももちろん残虐表現の強化にも役立っているのである。正に一石二鳥。非常に良いアイデアだと思う。

そして欠損に絡むもう一つのシステム、滅却。
今作の敵は全体的に固く、前作と同じ感覚で攻撃していては、なかなか殺すことができない。
しかし敵が欠損をしていれば? ここに「滅却」という一撃必殺技を叩き込むことが可能なのである。
滅却を決めさえすれば、敵HPがどれだけ残っていようと、必殺。取得できる金にボーナスまで付く。
今作の雑魚戦は基本「欠損させる→滅却」を狙うことにある。そうでなければ、とても捌ききれない。
うんざりするほど固い敵も、欠損は割と簡単にさせられるので、特に高難度では非常に重要なシステムになっている。
もちろん滅却の描写も、凄まじいほど残虐だ。既に死んでる相手の首をわざわざ落とす等、気の弱い人なら卒倒するかもしれん。
さっき修羅場の後は死体の山と書いたが、正確にはバラバラ死体の山である。
今作の雑魚さん達の中で、五体満足に死ねた奴は殆どいないのではなかろうか。
今作の売りになる複数の要素を見事に凝縮した「欠損・滅却システム」は、素晴らしいアイデアだと思う。
任天堂の言葉を借りるなら、「アイデアとは、複数の問題を一気に解決するもの」ってとこだろうか。


つーわけで残虐に残虐を重ねた今作だが……やり続けると、あくまで「ゲームとしての表現に纏めている」ことも分かる。
例えば、斬撃はともかく、打撃で手足がもげるのは、物理的に明らかにおかしい。でも棒で殴ればすぐ四肢が落ちる。
敵を壁に投げつけるとほぼ100%欠損を起こさせられるのだが、これも想像してみると無茶苦茶である。
削げ落ちた手足の断面も割といい加減で、肉と血だけで骨が見えない。頭ぶちまけても脳味噌までは確認できない。
もちろんそこまで細かく描写できなかったという理由もあるだろうが、今作は残虐な殺害ゲームであっても、大前提は「ゲーム」なのである。
あくまで擬似殺害、あくまで殺害エンターテイメント。
こんなもんをやったからと言って、殺人欲(?)を励起されたりはしない。
別に世の良識派様方々に対する言い訳じゃなく、本心でそう思う。
これは作り物だ。非常にリアルだが、目指してるのは「リアルな擬似殺害」だ。変な表現だが、そういうことだ。



一応断っておくが、俺は現実に人を殺したことはない。そんな事したいと思ったこともない。
まぁ気持ちとして「あいつ死ねばいいのに」と思うことはそら幾らでもあるが……これは別に人としておかしなことではないだろう。
実際に人を殺す労力、発覚した時のリスク、罪の意識、その他諸々を考えれば、殺す理由があったとしてもとても釣り合うとは思えない。
そりゃ人生何が起こるか分からんから、この先もずっとそうだと断言はできないが……少なくとも現状のままなら殺人を犯さず生を終えるはずだ。
もちろん、NINJA GAIDEN2をやった事も、何の影響もない。当たり前の話なんだが、一応ね。はぁ。


仮に俺の中に「殺人欲」があったとしても、それを今作をプレーすることで解消できるのなら、実は凄く健全だと思う。
俺はエロ・グロともに規制大反対派だ。そもそも表現の自由が保障されてるのに規制がまかり通るのが理解できない。
どんなに惨くて不謹慎で他者をドン引かせるものでも、それが創作であれば一切問題ない。俺はそう考えている。
創作で人を殺して誰が悲しむのか。女を陵辱して誰が傷つくのか。そんな人がいたとしても、ただの言い掛かりではないか。
まぁ年齢規制はあっていいと思う。個人的には完全フリー表現の「21禁」を新設すべきだと考えている。
だが年齢規制を徹底したら、表現自体はもっともっと自由にあるべきだ。でなきゃ創作が硬直してしまう。
実際弊害は色んなとこに出てるじゃねーか。自由な発想なくして面白いものは生まれないよ。

あと、これも言われ尽くしてることだが、仮にエログロの影響で犯罪に走ったバカがいたとしても、そんなん「本人の資質の問題」でしかない。
エログロに触れたから犯罪に走ったのではない。犯罪に走る奴がエログロに触れただけだ。鶏と卵はハッキリしているのである。
大体それを言うなら、何故包丁等を製造している刃物メーカーが叩かれないのかが不思議でならない。
影響云々のレベルじゃなく、凶器そのものを作ってるのに。いの一番に規制されるべきは刃物メーカーだろう。
凶器として作ってるんじゃないっつっても、人に向けるだけで凶器と化すんだからそんなのは詭弁でしかない。
表現規制を推し進める前に、まず刃物何とかしろよ。レイプ被害以外の堕胎を何とかしろよ。あれこそ殺人じゃねーか。


……はぁ。キリがないのでこの辺で。
でも現実は完全に規制の方向で動いてるんだよな。特にエロは。まったくロクでもない……。







ふぅ。
今作の残虐表現についてはこの辺で。
操作性等の「気持ち良さ」は前作の魅力を完璧に引き継いでいるので、今作でも非常に動かしていて楽しい。
更に欠損・滅却の新システムにより爽快感を上げ、操作の気持ち良さは最早全ゲーム中でもトップクラスである。
未だ比較的マイナーな作品だが、非常に勿体無い。今作を知らずにアクションゲームを語るなかれ。本気でそう思う。
素晴らしきかなNINJA GAIDEN2。恐るべきかなチームニンジャ。


……なのだが。
今作は良い点と同レベルで、不満も非常に多い作品である。もんの凄く凸凹している。
ここまで尖がりとヘコミが極端だと、恐らく制作者も分かっててやってるんだと思う。
この辺、制作があくまで中小メーカーであるテクモだというのがよく分かる。
仮にスクエニや任天堂が今作を作ったら、こんなバランスでは出さないはずだ。
優等生なゲームが増えた昨今、意外と見られなくなった「荒削りだがキラリと光る」作品である。
それが良いか悪いかは別としてな。

てわけで、多すぎる欠点の一部を箇条書きしてみる。



・ステージが広すぎる

前作ではステージの広さとフラグ立ての煩雑さがゲーム進行の足枷になっていたが、今作ではフラグに関しては随分簡略化してある。
しかしステージの無意味なまでの広さは変わっておらず、どこに行くのか迷ってしまい、非常にイライラする。
アクションで詰まるのは望む所だが、進行で詰まっても面白い事は何もない。
更に暗い背景が多くて見辛い、長い一本道で戦闘をするとどっちに進んでいるのか分からなくなる、カメラ視点極悪、などの問題もある。
特にカメラ視点は前作から明らかに改悪されている。もうちょい何とかならなかったのか。
制作者はプレーヤーがアクションに没頭する事が不満なんだろうか。何考えているのかさっぱり分からない。



・爆破手裏剣の理不尽

今作の、特に高難度モードをプレーした人に「最も嫌な敵の攻撃は何か?」と問えば、恐らく満場一致で爆破手裏剣と答えるだろう。
詳細は省くが、この攻撃はあまりのウザさにコントローラーを投げつけたくなること必至で、しかも非常に多く登場するのだ。
高難度モードの爆破手裏剣地獄は最早理解を超えており、画面で何が起こってるのか把握することすら難しい。
しかし何より理不尽なのは「こちらの無敵時間中にも刺さる」ことだ。
リュウ・ハヤブサのアクションには無敵時間のある動作が幾つもあり、その間は当然ながら敵の攻撃を一切受け付けない。無敵なのだから。
ラスボスの攻撃とて例外ではない。当たり前である、無敵なのだから。
……しかし、爆破手裏剣は刺さる。何故か刺さる。なんで? 無敵なんだろ? 絶対に当たらないんだろ? なんで?
この攻撃だけが、ゲーム中の絶対法則を勝手に曲げているのである。明らかにインチキである。
何度も書くが、アクションの難しさに詰まることは、今作のプレーヤーとしては寧ろ願ったりである。ドンと来いだ。
だが「無敵時間中に当たる攻撃」なんて理不尽なものを受け入れるほど俺は寛容ではない。
爆破手裏剣の理不尽は、今作の高難度に大きく寄与している要素である。
つまり制作者はインチキを使って難度調整をしたのだ。完全にルール違反である。
そりゃ確かにゲームにおいて「制作者は神」だが、神なら何をやっても許されるわけではない。
爆破手裏剣を平然と放置した板垣氏には深く失望する。センスねーわアンタ。



・世界設定の練り込み不足

敵との戦闘は基本楽しいが、その敵が誰なのか、何故本気でハヤブサを殺そうとしてるのか、そもそもどっから来たのか……
などなど、少し戦闘以外の部分に目を向けると、これが唖然とするほどいい加減な作り。まったくやる気を感じない。
確かにアクション自体にゃ何の関係もない要素だが、ここまでテキトーにやられると俺は萎えてしまう。
個人的には世界設定にも拘る方だからな。1面2面までは日本が舞台で敵が忍者と分かりやすかったのだが……。



・フリーズバグ頻発

これはマジで洒落にならん欠点である。プレーしていて何の脈絡もなく固まる。何回遭遇したか分からないほどに。
この場合XBOX360のしいたけボタンも反応せず、本体の電源を落とすしか対処法はない。非常に不愉快である。
幸いというかセーブポイントは多めに用意されてるから泣くほどの事態には陥らなかったが、こんなもん許せるわけがない。
そういや3年前にプレーを止めた最大の原因は、「わざわざ配信された強制パッチ」を当てることで「100%フリーズバグが発生する」という、
あり得ないとしか言い様のないテクモの行為に激怒したことだったな。マジで「死ね」ってメールを送った記憶がある。
恐らくあん時はチームニンジャがメンバー退社でてんやわんやで、対応が遅れたんだろうな。もちろんそんなの理由にはならんが。
現状配信されてる最終バージョンのパッチはさすがに100%のフリーズはないが、それでも完璧でないのか、不意に発生することは多い。
アクションの出来の良さに満足し、デバッグを甘く見ているテクモの姿勢が透けて見える。ユーザー軽視に他ならない。
今作の魅力に比べれば、大した問題ではないかもしれない。だが制作者の誠意を感じられないのはとても残念である。



・嫌がらせ

例えば、爆裂クラゲ。あんなもんを水辺に配置して、一体誰が喜ぶのだろう。
例えば、アルマジロ討伐後の爆発。何のヒントもなく、初見で一体誰が予見できるというのだろう。
爆破手裏剣にも絡むが、今作には調整のレベルを超えた制作者の悪質な嫌がらせが散見される。
「神」の立場を曲解し、オナニーですらない醜く歪んだ性根をプレーヤーに見せ付けるこの態度。
NINJA GAIDENという作品を生み出した板垣氏の能力はもちろん認めるが、俺はこの人をどうにも好きになれない。
「NINJA GAIDEN3」は必ずプレーするが、板垣氏の新作「Devil's Third」はプレー確定に至っていない。
あまり客を舐めんなよ。



ふぅ。書ききれないからこの辺にしとく。どんだけ歪なゲームなんだよ……。

グラフィックはまぁ綺麗だが、目立って美しいわけではない。
残虐描写の印象が強いだけで、冷静に見ると平凡なレベルかな。まぁ3年前のゲームだしな。
音楽は今回じっくり聴きまくったことで、幾つかお気に入りができた。悪くない。
見てくれは水準以上だと言えるだろう。偉そうだな……。





さて。
今回封印を解き、NINJA GAIDEN2の再プレーをしたのは、前作再プレーで俺の忍者魂に再び火が付いたのがきっかけだ。
ちなみにあの後PS3「NINJA GAIDEN Σ」も購入しプレーしたが、前作のリメイクレベルだから感想は見送った。
まぁ無難に絵が強化されたNINJA GAIDENブラックだった。レイチェル操作は嬉しかったな。
その勢いのまま今作のプレーも開始したわけだが、せっかく再開した以上、ただ淡々とやるのは勿体無い。
ここは3年前に断念し、ずっと心残りだった最高難度「超忍モード」の攻略を目指すべきだろう。

……しかし、気が重かった。別に難しさにビビッてるわけではない。そんなのはいつでも覚悟できてる。
とにかくNINJA GAIDENの高難度モードってやつは異常であり、「難しい」ではなく「理不尽」と呼ぶに相応しいのだ。
出鱈目な敵の攻撃力と、爆破手裏剣の爆風で画面を見ることすら叶わない最悪カメラ。
この理不尽さをそれでも超え、ゲームをクリアーするには? 結局の所、クリアーできるまでコンティニューを続けるしかない。
だが内容が理不尽なので、自分の技量不足やミスとは捉えにくい。とにかく理不尽なのだ。
こういう状況では、頼りになるのは最早目や指ではなく「根気」だけだ。
根気よくプレーを続けなければNINJA GAIDENの高難度モードはクリアーできない。
逆に言うと、根気よくやっていれば、いずれ何となくクリアーできてしまう。
ハッキリ言ってここに「ゲームの腕」はあまり必要ない。とはさすがに言いすぎかもしれんが。
「NINJA GAIDENは運ゲー」と蔑む輩もいるが、声を大にして反論できない。
今作の制作者に、難度調整のセンスは皆無である。この点は断言できる。
だから別に超忍モードをクリアーできなくても、俺の負けではない。そしてクリアーしたとしても、深い達成感は恐らく得られない。

……というのがプレー前の前提だった。
うんざりするほど理不尽なコンティニュー塗れの苦行を、今またわざわざやるのか? 自問自答したよ。
結論は、やる。いや、今の高揚した忍者魂がなければ、今後再挑戦する気にはもうなれないだろう。
やってやるよ。根気よく。どこまでもコンティニューしてやるよ。
脳裏に板垣のグラサン顔を思い浮かべつつ、開始した。


つっても超忍モードを出すには、まず下の難度を順にクリアーしていかねばならない。
実は3年前に使ってたHDDと今のは違うので、セーブデータが消えており、また最初からやり直さねばならない。
まぁそれはリハビリの意味では都合がいいとも言えた。4段階ある難度のうち、二つめの「強者の道」からスタート。

強者の道は、今作で最もバランスが取れてる難度だと思う。ほどほどに難しく、しかし頑張ればクリアーできる。
この難度だけ用意しておけば、もしかしたら今作の評価はもっと上がっていたかもしれない。
でもより上があると知ってしまった以上、ここで満足するわけにはいかないのである。

次に、「悟りの道」。
ここから難度は急激に上昇し、当然ながら理不尽さも鰻上り。
大半の敵忍者が爆破手裏剣を持つようになり、スタート直後の戦闘で殺されるのは日常茶飯事。
だがほどよくゲームにハマってたので、この難度が今回のプレーでは一番楽しかったように思う。俺も調教されてるなぁ……。
ちなみに3年前の俺はこの難度を龍剣のみでクリアーしたんだが、我ながら凄いと思った。
今やれる気は全くしない。当時はフリーズバグへの怒りで、精神がそれこそ悟りの境地にあったんだろう。
あの頃は良かった……ような気がする。既に記憶が曖昧。はぁ。


そして辿り着いた「超忍への道」。
煽り文句は「伝説の中に息づく超忍の世界。一握りの忍者のみが踏破する道。未曾有の絶対領域」。……意味不明。
これはもう、ある意味語るものはないね。理不尽に耐え、根気よくコンティニュー。攻略法はこれだけ。
なにせ一瞬で殺されるから、敵の集団を片付ける度、戻ってセーブ。
ちょっと上手い具合に雑魚を片付けられても、調子に乗ってそのまま進むと、次の集団に一瞬で殺される。
死ぬほど死んで、根気よく再挑戦して、慎重にセーブを繰り返す。
時々フリーズバグにぶち切れはするが、基本これしかない。ゲームやってるのかどうかすら自分で分からん。
ただ、精神が変な領域に行ってる感じはした。これが「未曾有の絶対領域」ってやつなんだろうか。
只管に根気よくプレーを続け、とうとう、超忍モードをクリアーした。

超忍クリアーで解除される実績は、他のXBOX360ゲームと比較しても破格の100ポイント。それだけの価値があるということなのだろう。
しかししつこいようだが超忍攻略に必要なのは、脳を退化させるほどの根気である。
プレー前から分かってはいたが、深い達成感はない。もちろん嬉しい気持ちもあるけど。
まぁ3年間心を覆ってたモヤモヤを晴らすことが出来たのは間違いない。それでよしとしておこう。
アイコン一つでも金を取る最近のゲームでは珍しく、超忍をクリアーするとご褒美アイコンが使用可能になる。
自分のXBOX360ライブアイコンをそれに切り替え、満足。我、超忍の域に達したり。あはは。



超忍をクリアーしても、結局感じるのは「今作の難度調整は間違ってる」ってことしかない。
土台のアクションがどんだけ素晴らしくても、ゲーム全体を絶賛はできない。ホント、なんでこうまで凸凹しているのか。
思い出すのは、去年プレーした「ゴッド・オブ・ウォーⅡ」のタイタンモードである。
あれもまた涙を流すほど難しかったが、その極悪さには制作者の細やかな調整をビンビン感じた。だから理不尽ではなかった。
だから死にまくりでもプレーが楽しかったし、クリアー時は深い達成感を得る事ができた。
あれぞ難度調整、あれぞ高難度ゲームである。素晴らしかった。……もう一回やりたいかと言えば微妙だけど。

チームニンジャは難度調整能力が皆無なくせに、コアゲーマー向けの超高難度ゲームを作って偉そうな顔をしたかった。
そこで採用した手段が「理不尽」という無茶苦茶なもの。そりゃこんなやり方なら幾らでも難しいゲームなんて作れる。
難度は全然違うが、調整にいい加減さを感じるという意味では「スパロボ」に近いものがあった。
制作者はゲームの神だが、神にはゲームの世界を整える権利と義務があるのだ。それを絶対に忘れちゃいけない。
再プレーで心残りを片付けられたが、スカッとした気持ちがあまりない。
非常に残念である。嗚呼「NINJA GAIDEN2」……。




はぁ。
DLCとして戦闘に特化したミッションモードが配信されているが、何故か興味が湧かないのでパスする。
別に金が惜しいわけではないが……ミッションモードもどうせ調整がアレなんだろうなと嫌な先入観を抱いてしまっているのだ。
まぁ超忍をクリアーするのが目的だったから、これで良かろう。
しばらく続いた忍者魂の軌跡、殺害の忍道をここで一旦切り上げるとする。
……前作の攻略本を何気なく読み始めた時は、まさかこんな事になるとは思わなかったなぁ。
何が起こるか分からん世の中である。




さあ、こうなりゃ後はもう待望の続編「NINJA GAIDEN3」を待つだけだ。
今年のE3での詳細公表が既に決まっている。6月を指折り数えて待つぜ。
今年はNINJA GAIDEN3があるし、Wiiの後継機にNGPと、珍しく個人的にE3がとても楽しみだ。
「最新」に負けず、前向きな気持ちでゲーム業界の新たな動きを見つめたい。アホか。


NINJA GAIDEN3も既に予告動画(?)のようなものがチームニンジャのサイトにて公開されている。
それによると、残虐描写は健在どころか、更にエグくなっているようだ。グッチャグチャだった。
またハヤブっさんが覆面を取るようなしぐさが最後に入っており、これに何か意味がある模様。
ま、今はあまり妄想しないでおこう。信用すると決めた以上、早矢仕氏率いる新チーニンに全て託して情報を待つ。
現在数少ない、発売が待ち遠しいタイトルだ。……これでいいのか我がゲー道。
NINJA GAIDEN3にかかる期待は大きい。はぁ。




男とは何か。
意地とは何か。


美学を守ることではなかろうか。


アクションゲーマーとは何か。
根気とは何か。


NINJA GAIDEN2の超忍モードをクリアーすることではなかろうか。




現状ハッキリした答えを出せないので、まだまだ俺の男人生、俺のゲー道は続くようだ。
色々大変だけど、嘆いたって誰も助けちゃくれねーもんな。
男とは何か。
意地とは何か。
……はっ、連呼してたら妙に耳に残っちまったぜ。
男とは何か。
意地とは何か。
現実とは何か。
娯楽とは何か。
誰も気にも留めないオタが、ゲー道を行く。
はぁ……。










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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2017-06-29 09:08:35
爆破手裏剣が無敵時間に刺さるより
壁や地面に当たったら即爆発する方がまずいですよ

無敵時間に刺さるのはまだ対処できないこともないけど即爆発はどうしようもない、身動き取れない
しかもそんな物騒なものを小技感覚で連打するから性質が悪い
返信する
Unknown (ota)
2017-06-30 00:57:14
>壁や地面に当たったら即爆発する方がまずいですよ
ああ、そうでしたっけ。爆破手裏剣の乱れ飛ぶ難所は状況を把握することすら困難なので、あまり気にしてませんでした。
もうとにかく出鱈目・無茶苦茶だから、ある意味まともに攻略出来ませんでしたね。あれは未だに納得いかない。
NINJA GAIDENの高難度モードは時々再プレーしたくなりますが、2は爆破手裏剣のせいでどうも躊躇してしまうんですよね。うーむ。

>しかもそんな物騒なものを小技感覚で連打するから性質が悪い
軽くヒョイっと、遠近問わず、超正確に、一度に多数、弾数無制限の飛び道具、ですからねw ほんま無茶苦茶。
特に狙いの正確さが凄すぎ。投擲技術に関しては、ブサさんと比べて地蜘蛛は超忍揃いですわ、マジで。
返信する

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