空海(弘法大師)の年老いた母が息子の開いた高野山を一目見ようと故郷讃岐の国から訪ねてきた折に、
当時女人禁制であった為、慈尊院に逗留させて月に9度会いに通ったという道。
高野山町石道、その全行程約22kmを歩いてきました。
7：35 南海高野線、九度山駅から歩き始めました。何ともレトロな駅舎です。
8：00 慈尊院。
母親が死後、空海自作の弥勒菩薩像に化身したとされ「女人高野」と呼ばれています。
高野山根本大塔を起点として1町(約109m)毎に五輪塔形の石柱が立っています。
その終点にあたる180番目の町石から登り始めました。
登り始めてしばらくは急な上り坂が続き、ふと大丈夫かな…と思いかけたところ、視界が開けました。
紀ノ川沿いに九度山・高野口の街並みが広がります。
空海の足跡を辿り踏み締めながら一歩一歩…
適度な登りと下りが混じり、それを繋ぐように平坦な道も続き、とても歩きやすい道です。
9：35 136町石付近、六本杉峠です。
まだあと136町あると思うと気が遠くなります。
10：00 120町石付近、二ツ鳥居。
空海の建立当時は木製だったものが、慶安2年(1649年)に石造りに建てかえられたそうです。
10：55 中間地点90町石。
あれれ…、探しても石柱が見当たらないと思ったら…(^。^)
ハクウンボク、ホタルブクロ、ヤマボウシ…初夏を告げる白い花たちが目を楽しませてくれます。
11：45 60町石付近、矢立の茶屋へ到着。ここで町石道は国道を横切ります。
さあ、あと60町(7km程)！疲れはピークに来ていますが、気が引き締まります。
紀州の山中らしい風景になってきましたが、アップダウンが続き…本当に着くのかな…(;´Д`)ハァハァ
13：25 最後の急坂を駆け登り(這い上がり…？）
「大門」到着!!
ほとんど休憩らしい休憩もとらず歩き続けたため、足も頭もフラフラしますが…
諦めずに続ければ必ず結果は出るものだと…弘法大師に教わった気がします。
まさに、あうんの呼吸で迎えてくれました。
13：45 大門から数百mで念願の第1町石に辿りつきました!
壇上伽藍、奥の院を訪ね高野山の崇高な空気に触れ修行を無事終えることができました。
弘法大師御廟にて合掌……
山上の聖地・高野山の自然と歴史を十二分に感じた一日でした。
