土佐のくじら

土佐の高知から、日本と世界の歴史と未来を語ろう。

農家にビジネスチャンスを。

2014-01-31 11:51:00 | 規制緩和推進論

土佐のくじら(幸福うさぎ丸)です。

孫子の兵法の極意は、「敵を知り、己を知れば百戦危うからずや。」でございます。
なぜ敵を知り己を知れば・・・なのかと申しますと、敵の長所を知り、自身の弱点を知るためです。
よくやってしまうのは、敵の弱点を攻撃しようとするのですが、それで勝つこともありますが、
大負けすることもあるわけです。

百戦危うからずの戦いをするためには、敵の長所を知り、自身の弱点を知ることなのです。
これで何が得られるかと言いますと、
敵の長所を無力化し、自身の弱点を無力化する方法論が、いつか必ず見つかるのです。

敵の長所を無力化し、自身の弱点を無力化できれば・・・そう、必然と勝利へと導かれるのです。

日本経済をその視点で見るならば、日本が克服するべき弱点は何かと申しますと、
私が見る限り、法律が多すぎることによる、強すぎる規制だと思うのですね。

日本人はこの強すぎる規制であるにもかかわらず、本当によくやっているとしか言えないです。
一般的な国家であれば、経済の基礎体力がありませんので、閉塞状態から衰退し、
とっくに消滅しているのではないかと考えます。

つまり日本経済は、自身の作った法律によって、自身が本来持つ潜在能力の、
10%ほどしか使えていないのではないかと、私は考えております。

すなわち、日本経済は国際的にはまだまだ強いですが、
それは各種規制という、手鎖足鎖をつけた状態での現状であって、
本来のパワーを出せば、どのくらいまで伸びるかは未知数であると思います。

その日本経済において、弱いとされている農業部門であっても、
かなりきつい規制があることは、前回記事で述べたとおりでございます。

前回記事は主に農地への合法的規制が、相続税免除と異業種参入規制という、
一見農地を保護しているように見える規制によって、農家のビジネスチャンスを奪っていることを述べました。
それがなければ、農家はご自身が持つ土地資産を担保に、新たなビジネスチャンスが生まれるのです。

そしてJAだけが利益を上げる仕組みが、日本では構築されております。
こういう言い方は、私はあまり好きではないのですが、
日本の農家が衰退すればするほど、JAが儲かるシステムであるのです。
日本農業では、まだ江戸時代が残っているように思いますね。

これは、何とかしないといけない問題だと思います。
なぜなら、食は人生の基盤だからです。

農家の平均就労年齢は、65歳以上だと言われております。
となると、10年後は75歳以上となります。

であるならば、失礼な言い方かも知れませんが、日本農業の変革に残された時間は余りありません。
これは、どこかの組織の利権であるとか、どこかの政治組織の固定票だとか、そういう小さなコップの中の議論を離れ、
オールジャパンで解決していかないといけない問題です。

そして今の日本経済下では、農業におけるGDP比率というのは、
こういう言い方は乱暴かとも思いますが、まぁ無視しても差し支えない成果であります。

しかし見方を変えれば、日本農業が大いに発展できれば、
今まで国家レベルで言えば不採算部門であったところが、一挙に飛躍することになります。

つまり、農業は成長産業でもあるわけです。

しかしたとえば、今の法律のもとでは、農地に野菜工場などを建てれば、即座に相続税対象となってしまいます。
また一般的なビニールハウスとは違い、消防法の規制対象となります。
ですから現状法の下では、それに適合させながらコストを云々することが難しいのですね。

こういう合法的な規制が、日本農業から希望を失わせていると私は考えるのです。
であるならば、農家をやりたい人が増えるような法整備を早急にするべきです。

それには、新たな法律を制定する必要はないと思います。
今ある合法的な規制の中で、現場の農家が閉塞せざるを得ないような規制を取っ払うことです。

土地資産面、資金面、そして流通面においてです。

具体的には、農家がJAから独立してもやっていけるような、
農業形態にしない限り、10年後は確実に日本の農業は、絶滅危惧種となっているはずです。

日本農業は危機的状況下にあります。
しかし危機の機は、機会の機でもあります。
ピンチは、飛躍へのチャンスでもあるのです。

日本の農家に、ビジネスチャンスを!

それが日本の農業を変え、また日本経済を量子的に飛躍させる鍵です。
日本農業こそ、日本経済最大の潜在能力であり、最大の伸びしろだからです。