土佐のくじら

土佐の高知から、日本と世界の歴史と未来を語ろう。

規制がないと生きていけない人々 3

2014-01-14 12:35:00 | 減税興国論

土佐のくじら(幸福うさぎ丸)です。
いよいよこの、規制シリーズも最終段階です。

規制がないと生きていけないと思い込んでいる人として、まずは政治家、そして官僚と来ましたが、
次は誰かと言いますと、実は日本国民なのですね。

規制の裏には法律があり、予算があります。
そしてその規制の結果、必ず保護される人々が出来るのです。

例えば医師法では、医師の立場と権限が明記されていますね。
そして医師免許を所得するには云々・・・とか、色々書かれているのですけど、
これにより、医師の立場・権限のみならず、現状の医師社会自体が保護されるわけですよ。

つまり、その法律に明記されている以外のルートでの、医師になる道はなくなるわけですから、
これは、新規参入が他の順序では、全くできなくなることを意味するのです。

これは、看護師でも放射線技師でも同じですね。
国が定めた以外のルートでの、参入は不可能になることで、業界全体が合法的に保護されるわけです。

他にもたとえば、自動車などは今、排気ガス規制や安全基準など、
商品の新規発表に関しての、様々な基準をクリアしないといけませんが、
これなどの現存する、クリア基準そのものが、自動車業界の新規参入規制となっているのです。

現状の自動車業界は、これによって、事実上の閉鎖業界になれるからです。
過当な競争が、これで未然に防げている・・・とも言えるのです。

これら様々な規制によって実は、国民自体もまた、保護されている気になっている のですね。
この、保護されている気になっているところが、実は一番厄介なところなのです。

それら業界の人たちは、規制がないと生きていけない・・・と思っているのです。
(本当は、業界の生殺与奪の権限を、国に渡しているだけなんですけどね。)

しかし、その他の分野の業界の人で、その規制があるから生きていけない・・・と思っている人は、実はいないんですね。

たとえば、生活保護を自治体から支給されている人は、生活保護を打ち切られたら生きていけない・・・と思うかもしれませんけど、生活保護を、自治体が誰かに支給することで、命を危ぶまれる人って、どこにもいないのですよ。

これが、規制をはびこらせる原因なのですね。

つまり、規制がないと生きていけないけれども、規制があることで生きていけない人はいない・・・
というのが、規制問題を語る上で、最もやっかいな現実なのです。

ですから規制は、ほっといたら、どんどん強くなる構造をしているのです。

しかし、規制が強くなることで、国自体が沈んでいくことが分かれば、話は違ってきますね。

そうなんです。
時代は今、まさにそのステージに、日本は差し掛かろうとしているのです。

規制がある=税金が必要。
規制がある=事業が閉鎖的になる=動きが悪くなり売上が減る=税収ダウン・・・ですね。

これがもう、のっぴきならない事態になろうとしているのです。

それは、TPP問題が進展し、社会に浸透するにつれ、日々明らかになってくるだろうと思われます。

単純な、TPP反対論も間違いです。
単純な、アメリカ万歳理論も間違いなのです。

歴史的には、明治維新と同じ構造が、今の日本で取りだたされているのです。

TPP反対論は、単純な攘夷論と同じです。
単純な推進論は、幕府の開国論と同じなのです。

ではあの時代、単純な攘夷論や、幕府の開国論で国家が進んだらどうなったか・・・?です。

どちらも、日本消滅の事態を招いていたでしょう。
日本の国体が、変わっていないからです。

日本を近代化し、その上で開国することで、日本の独立は保たれました。
そのためには、幕藩体制が邪魔だったのですね。
だから倒幕し、廃藩置県する必要がありました。

今現代の「藩」は、規制・・・なのです。
これから日本が迎える時代のステージは、正にこの領域なのですよ。

現代の倒幕、そして廃藩置県を成さない限り、日本に次の時代の幕は空かない・・・
つまり、規制緩和の大号令がない限り、この国は停滞し続けるでしょう。

でなければ、この開国表明(TPP参入)は、いずれ壊国宣言となるはずです。

でも心配は無用です。
なぜなら、日本で今後取りざたされるであろう諸問題は全て国内問題であるからです。