朝雨が上がった週末に家人が知人と秋田の田沢湖畔の温泉に出かけたのでこちらも晴れた日中を無駄にしないよう出かけることにした。かねてから一度浪板海岸から山手へ入ったところにある浪板不動滝を見たかった。岩手の滝は山間を入り込んで行くため北海道の然別湖で買ったカウベルを熊避けのために腰に下げて行くことにしている。不動滝は伝説の山で岩手百名山にもなっている鯨山への登山道に沿って登ると途中で登山道と分かれ、そのまま道なりに進むとやがて鯨山神社が見えて来る。滝は神社の奥に控えている。近くには熊に注意という表示もあった。確かに熊が出ても不思議ではない雰囲気だ。滝は20mの落差があり水量もあって見応えは十分ある。周囲には神木とされている杉の巨木も何本かあり、巨岩に据えられた祠もある。やはり古の山への信仰の表れだろう。しばらく滝と古木や石碑群を眺めてから同じく大槌新八景である吉里吉里半島の崎山展望台へ向かった。この展望台からは船越湾と太平洋が一望でき、眼下には潮騒とともに野島の岩礁に砕ける白波が広がる。一服しながら眺望を楽しんでいるとその岩礁の隙を一隻の漁船が悠然と通り抜けていた。車を笛吹峠に向け遠野に下り、283号から107号へ入り、小友地区へ向かった。藤沢渓流の1Kmに渡って滝が続く。ただこの日は朝までの雨で水が濁っていたため奥へ行くのを止めて寺沢高原の夕日を見ることに切り替えた。一月程前に来た時は高原がひどく涼しく気持ちがよかったがさすがに晩夏のしかも夕方なので風も強く展望台上で360度の眺めと刻々と変わり行く空の色を見ていると寒さが身に滲みて来た。それでもその眺めはすばらしい。誰もいない広大な自然の中で大きくなったオレンジの光の徐々に欠けて行く様は人を十分感動させてくれる。おかげで帰路は牧場の門を閉められていることに気付かされてしまった。チェインを巻いただけのものだったから良かったが。
浪板不動滝 滝の右手にも小さな祠がある
崎山展望台からの眺め 眼下に野島の岩礁が見える
寺沢高原展望台からの夕日
浪板不動滝 滝の右手にも小さな祠がある
崎山展望台からの眺め 眼下に野島の岩礁が見える
寺沢高原展望台からの夕日