釜石の日々

SL銀河

ここ数日、毎日小雨が降り続いている。今日は小雨だけでなく、周辺の山々には霧がかかっている。小雨になると夜間も気温が下がる。一時は暖房も必要がなくなっていたが、小雨が続くとやはり暖房を入れざるを得なくなる。遅い山桜も散り始め、すっかり新緑の五月になってしまった。職場の裏山では小雨の中で、新緑の陰で3匹のリスが木々を渡り歩いていた。 JR東日本はC58 239を復元した「SL銀河」を2014年から花巻〜釜石間に運行するようになった。震災復興の一助としたのだろう。今年も4月29日に盛岡を出発して花巻に至り、その後は主に土日を使って、土曜は花巻から釜石に向かい、翌日は釜石から花巻に向かうスケジュールで運行が始まった。家にいても汽笛が鳴ると、郷愁を覚える。もともと釜石〜花巻間のJRは多くの山間部を走り、とても時間がかかる。雨や風が少し強いと、すぐに運行が停止される区間だ。たまには熊や鹿のために停車して、余計な時間を要することもある。とてもローカルな鉄路で、各駅停車が多く、周囲の自然を楽しみながら、のんびり出来るのがいいのかも知れない。釜石市街を走る「SL銀河」はあまり風情を感じさせることがないが、さすがに遠野の田園地帯を走ると、とても趣がある。はるか昔にタイムスリップしたような気分になる。東北はかって、次男以下の多くの男性がこうしたSLに乗って、何時間もかけて東京へ出て行った。中には集団就職する組もあった。遠野を走るSLを見ていると、そんな人たちを載せて、この田園地帯を同じく走っていたのだろうと想像してしまう。当時は終着駅は上野であった。それを歌った歌謡曲もあったように思う。「SL銀河」の車窓には小さな子供の姿がある。ゲーム世代の子供にとって、SLはどのように感じるのだろう。五月のこの時期は各所の畑地で菜の花が咲く。風に乗って、その菜の花の香りが漂って来る。
遠野の田園地帯を走る「SL銀河」
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