釜石の日々

ツングース系の縄文人たち

今朝は小雨が降っていた。その後時々日が射すようになり、気温も10度を超えたが、風も少しある。犬たちが足を伸ばして横になっていたのでそれほど寒くはなかったようだ。日が射すと、わずかに残ったモミジの葉が光に透過されて明るくきれいな色を見せてくれた。同じモミジの木であっても毎年違った光景を見せてくれる。自然はとても不思議だ。日が傾くのが早くなっていて、午後の4時頃には内陸方向の山へ行っていたカラスたちが一斉に海岸近くの山に戻って行く。その頃には日はほとんど山影に隠れてしまって、空にまだ明るさが残っているだけだ。日本のこうした自然が織りなす光景は太古からずっと変わらず続いて来たのだ。夕焼けを見るたびに、かっての東北の人びともこの夕焼けを見たのだ、という感慨がわき起こって来る。 ロシアのバイカル湖付近を故地とするツングース系の人たちが東へ進み、大陸の東端でさらに三つのグループに分かれて移動を続けた。北から第一のグループはアラスカに渡り、北米大陸、南米大陸にまで達した。北米のインディアン、南米のインディオたちの祖先だ。第二のグループは沿海州から氷塊で繋がった樺太、北海道を通り、日本列島へ入って来た。第三のグループは沿海州を南下して朝鮮半島へ出て、そこから海を渡ってやはり日本列島へやって来た。米大陸へ移動した第一のグループの一部は言い伝えられた自分たちの故地を目指してアラスカまで北上し、そこから筏で青森県の太平洋側にたどり着いたり、そのまま親潮に乗って、九州の鹿児島付近や沖縄まで流れ着いた者もある。これらアラスカを出発したグループは筏に馬も乗せていた。青森や鹿児島に馬の放牧が行われるようになった。朝鮮半島から海に出たグループは一部が対馬海流に流され、出雲や越に上陸し、多くは北部九州にたどり着いた。全国に今もアイヌ語地名が残るとされるのはこれらツングース系の人びとの言葉であった。アイヌの人たちもやはりツングース系の人たちだ。全国に残る縄文人の遺伝子とアイヌ人、沖縄人の遺伝子が近いとされるのはいずれもツングース系の人びとであるためだ。越にたどり着いた人びとはやがて近畿に移り、奈良県の三輪山を中心に荒覇吐神を祀り、地域を治めた。荒覇吐神は天地水を祀る。三内丸山遺跡で発掘された大型掘立柱建物は三階建てで、各階にそれぞれ天地水を祀った。先日も触れた全国の熊野神社の総本社的存在である紀伊の熊野本宮大社の神紋は三本足の八咫烏(やたがらす)であったが、三本の足は天地人を表すとされている。しかし、これはかっては天地水ではなかったかと思われる。ツングース系の人たちが縄文時代に日本列島全域に住み、そこでは同じ神を祀っていたろうと思われる。天地水という自然を敬い、自然の中に神を見ていた。巨石を崇めることもその現れだろう。
晩秋のプラタナス

コメント一覧

管理人
じねんさんへ
三輪山もかっては火を噴いていたのでしょうね。岩にお酒をかけると波動が変わる、というのははじめて知りました。岩も生きているのでしょうね。中国の歴史物の映画を見ていると、地面にお酒を撒く場面がありました。亡くなった人が眠る地面に。巨石に神がやどり、その神にお酒を捧げる意味で、直接岩にお酒をかけることも行われていたんでしょうね。コメントありがとうございます。
じねん
大岩
 私も夕焼け大好きです。ぼーっと見ていると、いつのまにか自分が夕焼けに抱っこされた赤子のような感じになったりします。

 4月に大神神社へ行って、ご神体の三輪山に登ってきました。山頂のご神域には、ぐるっと縄が張り巡らされていました。その中には、墨色の大きな岩がたくさんありました。その岩たちを見て、岩手山の雫石焼走り熔岩流をふと思い出しました。岩の感じが似てたんです。

 私の家の近くにも大岩があります。実はその岩が好きになって、建売住宅を買ったのですが…。
 ある人から、岩はお酒が好きだと聴きました。波動測定器で測ると、岩に水をかけても全然だけどお酒をかけるとバーッと波動が上がるそうです。
 それで単純な私は、年に2回ほどお神酒を捧げて感謝の意を表しています。美味しい純米酒が、喜ばれる気がしています(^^)
管理人
夕焼けさんへ
そうですね、石に神が宿ると考えたのは恐らく縄文時代よりさらに古い時代からではないかと思います。縄文時代はもちろんですが。高い建物がなければ都市部でもたくさんの山を見ることが出来ますよね。本来はそうあるのがいいのですが。夕焼けだけは確かにどこにいてもその気で気を付けていれば見ることが出来ますね。東京に住んでいたときの夕焼けを思い出します。ありがとうございました
夕焼け
縄文人
こんにちは
興味深いです
石には神が宿ると ずっと昔からのことなのかな…
三輪山も霊剣高らかな山で 何も高い建物がなかった昔をみてあるきたい(笑)です
夕焼け…大好きです
わたしは帰宅途中の小田急線から見える夕焼けですが…
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