釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

気候と植生

2016-06-11 19:11:02 | 自然
市街地周辺の山々の緑が濃い今の釜石は、青空が広がる晴天であっても、気温は22~23度までで、少し冷んやりした風が吹く。県庁のホームページによれば、岩手県は埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の4都県を合わせた面積よりも広い。それだけに同じ岩手県であっても地域によって気候が変わって来る。今では北上川沿いの内陸部に中心都市が集まっており、その地域は内陸型の気候になる。太平洋側の沿岸部は宮古までは北から冷たい親潮が流れて来るために気温は低くなる。釜石もその影響を多少は受けるので、暖流である対馬海流の流れる日本海側よりも平均気温は低くなる。ただ、日本海側ほど冬の湿度は高くないために雪はほとんど積もらない。しかし、東西に並ぶ岩手県も秋田県も植生はよく似ている。植物の生育に最も適した温度は15度~25度だと言われ、枝葉が伸びていく生成温度は5度~30度だそうだ。温度が5度を下回ると植物は生育を止め、休眠に入る。0度以下になると枯れてしまう。幸い地中はそうならないために多年草はまた春になると枝を伸ばして、花を咲かせてくれる。おそらくこうした植物のための気温に岩手や秋田は適しているのだろう。両県で山野草を含めて同じような種類の植物を見かける。寒くなる冬をエネルギー消費を抑えるために葉を落としてしのぐ落葉樹が分布するのも同じだ。紅葉の秋は両県ともに素晴らしい。釜石の場合は市街地周辺にすぐに小高い山が迫っているが、残念ながら、杉の植林が多く、本来あったはずの落葉樹が限られ、それを見るためにはわざわざ仙人峠あたりまで出かけなければならない。それでも山が迫っているおかげで、職場のすぐそばや家に周りでウグイスの声を聴くことが出来る。鹿も相変わらず市街地に出て来ている。ドングリや栗の木もたくさんあるので猿やリスも両県ともに繁殖しているようだ。おそらく南の福島県までも動植物ともに同じような環境にあるのだろう。
矢車草

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