釜石の日々

前時代の教育が続けられている

朝は小雨が降っていたが、その後少し青空が広がった。今日も最高気温は22度ほどだった。どうやらもう30度を超す夏の気温は戻っては来ないようだ。職場に隣接する醤油工場の裏山の百日紅はしばらく前に開き始めたままお盆が過ぎてもそのままさらには開いては来ていない。やはり、気温や日射しのせいなのだろうか。薬師公園からは今日もウグイスの声が聞こえて来た。日中はミンミンゼミが鳴き、夕方からはヒグラシと草むらの虫たちの音が聞こえて来た。 1985年には雇用の16.4%でしかなかった非正規雇用はその後のバブル崩壊で、企業が容易に雇用調整できずに苦しんだことから、1990年代後半から増え始め、2005年には1985年のちょうど倍になる32.6%にも拡大した。そして、2013年には36.7%まで増えている。労働者の3分の1を超えている。25歳から34歳の年代別で見ると、1993年に12.0%であった非正規雇用の割合が2013年には27.4%となっている。さらに15歳から24歳では1993年の11.5%から2013年の32.3%と約3倍になっている。年代別ではこの若年層での拡大率が高く、これが10年先、20年先の日本の労働の質に大きく影響して来る可能性がある。一方、高等教育面で見ると、日本の人口1000人当たりの大学院学生数は2人に対して、韓国6人、英国とフランスは8人、米国は9人である。米国国際教育研究所 「Open Doors」によると、2009年度のハーバード大学の学部学生数は日本は29264人しかおらず、韓国は75065人、中国98235人、インド103260人となっており、日本は15年間減り続けており、2009年秋の学部入学者はわずか1人であった。2008年の大学進学率も日本は49%であるのに対して、英国56%、米国63%、韓国は71%である。また25歳以上の大学入学者は2008年のOECDのデータでは各国平均が21.4%にもなるのに対して、日本はわずかに1.7%でしかない。韓国17.9%、英国19.2%、米国20.9%である。大量生産・大量消費の時代の物造りで企業が整備した社内教育制度は集団に溶け込む非個性的な人材を養成することに注がれた。しかし、今やその物造りの産業は保護産業に衰微して来ている。エコカー、太陽電池・蓄電池などの新産業、新分野を開拓して行くためには、個性のある人材の育成が必須である。産業構造の転換にはそこに働く人々もこれまでの集団主義的な教育ではなく、豊かな発想を持った人材の育成に転換して行かなければならない。それはまた現在の日本の教育の在り方にも変革を求めるだろう。少子化と言う絶対数の激減を控える上に、その教育の質の低下にも歯止めがかけられていない。
今もなお咲いて来ている薬師公園の紫陽花

コメント一覧

管理人
マックスさんへ
確かにマックスさんが指摘されたことはあると思いますが、それはその年代の問題でもあると同時に、そうさせたさらに上の年代の問題でもあるのではないでしょうか。今の社会の指導層を見ると、しっかり自立した大人がいるとは思えません。他者への思いやりに欠け、自己の思いだけを前面に出し、いざと言う時には責任を回避する指導者層ばかりのように思います。そんな社会を見れば、若い世代が夢を持つことが出来ないのではないかと思います。懸命に取り組む意欲が失せてしまうのではないでしょうか。そのような面もあるのではないか、とふと思いました。いつもコメントありがとうございます。
マックス
近年の日本人は、身体の成長と精神面の成長が伴っていないように思います。目指す大学に向けての勉強だけに集中し、社会的な一般的常識がいざ就職したときに、ずれている人達も増えてきているのではないでしょうか。それは、十代二十代だけでなく、四十代にも見られます。高度経済成長から、バブルがはじけるまでの豊かな生活の産物なのでしょうか。そんな時代に育った親が、今子育てをしています。何処か他国に比べると、ハングリー精神が欠けているように思います。
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