釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

感染もワクチン接種率も低いアフリカの始動

2022-06-25 19:13:29 | 社会
昨日まで最高気温が25度にも至らなかったが、今日はいきなり36度にも上がった。炎天下にわずかな時間でも立つと、汗が滲み出して来た。しかし、幸い釜石は山と海が近いため、いつも風が吹いてくれる。日陰に入ると、暑さがずっと和らぐ。室内にいて戸や窓を開けていると、風が入り、冷房をかけなくとも過ごせる。とてもありがたい。市内放送では、熱中症に注意するよう警告していたが。一昨日の北日本新聞では、富山市で52歳の男性が熱中症で路上で倒れ死亡したことを報じていた。富山県内では、同じく熱中症で男女7人が搬送されたようだ。富山市の教育委員会は、児童のマスク着用の有害性を告知し、屋外での着用に警告を出している。暑い夏も新型コロナウイルス感染は絶えることがない。世界全体でも再び感染者数が増加に転じて来たようだ。今月15日、学術誌The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINEに、カタールのワイルコーネル医科大学Weill Cornell Medical Collegeの研究者らによる論文「Effects of Previous Infection and Vaccination on Symptomatic Omicron Infections(症候性オミクロン感染症に対する既往感染とワクチン接種の影響)」が、掲載された。mRNAワクチンの2回、3回接種の発症予防効果は、6ヶ月でファイザーが -3% モデルナが -10%となるのに対して、既感染による自然免疫では63% であった。半年後には、ワクチン接種者の方が、より感染しやすくなると言うことだ。18日、BMC Pharmacology and Toxicology掲載のタイのマヒドン大学Mahidol Universityの研究者らによる論文「Synergistic anti-SARS-CoV-2 activity of repurposed anti-parasitic drug combinations(再利用型抗寄生虫薬組み合わせによる相乗的な抗SARS-CoV-2活性の検討)」は、SARS-CoV-2に対して、「(Vero E6細胞で)ニクロサミド+イベルメクチンは99%以上の最高阻害レベルを達成し」「最高の相乗効果スコアを有していることが示された」ことを明らかにした。昨年5月13日のPR TIMESは、「CNPharm、生体実験で世界初「ニクロサミド」抗ウイルスの効能を立証」を載せている。記事では、「ニクロサミドは1958年バイエル社が出した駆虫剤として、COVID-19を含むMERS(中東呼吸器症候群)、SARSなどのコロナ系列のウイルスはもちろん、エボラウイルス病、 ジカウイルスなどRNAウイルス性疾患を治療できる代表的汎用性薬物で国際医薬界に知られている。現存する薬物の中COVID-19を最も安全かつ効果的に治療できる薬物として世界的科学ジャーナルネイチャー(Nature)誌と韓国パスツール研究所(Institut Pasteur Korea)などが紹介した。」とある。ニクロサミドもイベルメクチンも開発されてすでに何十年も経た古い寄生虫薬であり、両者を併用することで、SARS-CoV-2を極めて高い率で阻害すると言うことだ。ニクロサミドは妊娠中でも服用が可能で、胎児への影響はなく安全な薬剤とされている。ニクロサミドは理化学研究所がスーパーコンピューター富岳を使った「「富岳」による
新型コロナウイルスの治療薬候補同定 中間報告」でも上げられた薬剤だ。不思議なことに、新型コロナウイルス感染もワクチン接種も、欧米や米国寄りのアジア諸国で盛んで、アフリカはいずれからも取り残されたかのようだった。そのアフリカについて、昨日の東洋経済は、神奈川大学的場昭弘副学長の貴重な記事、「ロシアを積極的に批判しないアフリカの怨念  ロシアと中国はアフリカの真の独立を支援してきた」を載せている。「今回のロシアのウクライナ侵攻に対して、意外と多くの国々がロシアの方を支援していることに、日本人は気づくべきかもしれない。」、「例えばアフリカ諸国は、ウクライナへのロシアの侵攻を是認しているわけではない。むしろ非難しているのだが、それはアメリカのイラク侵攻が許されているのに、ロシアだけがことさら批判されることへの暗黙の抗議でもあるのだ。いわゆる国連のダブルスタンダードへの批判である。」、「西アフリカの諸国は1960年代初めにフランスのドゴール大統領の政策で、植民地から独立した諸国である。」、「独立した西アフリカの国々は、セネガル、コートジボワール、中央アフリカ、ブルキナファソ、ベナン、マリ、ニジェール、チャド、カメルーン、トーゴなどである。これらの地域では、戦後すぐにドゴールによって、西アフリカ紙幣のCFA(アフリカ植民地フラン)が採用されてきた。」、「まず、この通貨の発行権はフランスにあるということである。そのため、西アフリカ諸国はフランスに、自分たちの外貨をすべて預託する必要がある。そしてこの通貨は、フランスのフラン(今ではユーロ)に交換率を固定されていて、国際的為替変動の影響を受けていない。」、「フランスはこれらの国の通貨に対してユーロが優位を保つことで、安い価格で燃料や原料を独占的に確保できるわけである。」、「しかも、西アフリカ諸国は海外に輸出すればするほど、その外貨がフランスの中央銀行に自動的に入っていくシステムであり(最初は100パーセント、今では50パーセントをフランスの銀行に預託しなければならない)、その外貨はフランスという国家の重要な収入源となっているのである。」、「もしそれを拒否すれば、フランスが投資した学校も、道路も、病院もフランスにすべて没収されてしまうので、彼らは従うしかなかったのだ。」、「今でもアフリカの地図を見ると、悲しい現実が見える。まず鉄道だが、積み出し港から主要都市への鉄道はあるが、それ以外の都市を結ぶ鉄道や海外と結ぶ鉄道などはない。道路もアフリカ諸国を結びつけていない。それは偶然ではない。フランスやイギリスは、西アフリカを分離するために、あえて建設しなかったのだ。」、「しかし今、アフリカは変わろうとしている。西アフリカも東アフリカにも、フランスやイギリスがつくった狭い国境を越えて、ひとつの大きな国をつくりたいという願望がある。そして自らの軍隊と外交権、そして通貨を発行したいという希望があるのだ。こうした希望を今支えているのが、残念ながらロシアや中国だということを忘れるべきではない。」、「とりわけ、植民地的な宗主国との腐れ縁を切るために、中ロはルーブルや元での輸出入を可能にし、鉄道や道路などのインフラを着実に建設している。西アフリカの大統領が、フランスのマクロンのところではなく、自らプーチンに会いに行くというのは、西側離れが加速していることを意味している。」、「もっと正確にいえば、グローバル化によってサプライチェーンが発達したおかげで、先進国は原料や燃料のみならず、多くの生産物を海外に頼ることができるようになったために自分でつくっていないということだ。その代わり、先進国はこれらの国に資金提供をしているのだ。 しかし、サプライチェーンが崩壊すれば、途端にGDPの実質的価値が問われる。先進国は、物質的富(アダム・スミスがいうところの使用価値だが)を、あまりにも後進諸国に依存していることがわかる。EUやアメリカなどの先進国で起きているインフレ現象は、まさに実体経済の弱さを暴露している。燃料、原料、工業生産物を自国でつくらなければ、先進国のGDPなど意味がないということだ。「王様は裸」なのだ。いくら金があっても、買えるものがなければ意味などない。 経済制裁という先進国の切り札は、両刃の剣であることを知るべきだ。金融によって後進諸国を締め付けることで、後進諸国は次第にそれに対応する経済をつくってしまうのだ。金融制裁に慣れはじめ、今ではドルやユーロでもない別の通貨で売り買いを行うようになったのである。」。一昨日の中東カタールのメディアAl Jazeeraは「Why are some nations neutral on the Russia-Ukraine war?(何故、ロシア・ウクライナ戦争に中立の国があるのか?)  Countries in Asia, Africa and the Middle East have refused to isolate Moscow, despite the EU’s lobbying efforts.(アジア、アフリカ、中東の国々は、EUのロビー活動にもかかわらず、モスクワを孤立させることを拒否している)」で、「同時に、EUはキエフへの支持を高めるために世界的なロビー活動を展開しており、ウルスラ・フォン・デア・ライエンEU議長、ドイツのオラフ・ショルツ首相、フィンランドのサナ・マリン大統領をはじめとするヨーロッパの指導者が南アジア、すなわちインド、アフリカ、アジア太平洋地域および中東に出向いている。」、「しかし、今月初めにブラティスラヴァで開催されたGLOBSECフォーラムで、インドのスブラマニヤム・ジャイシャンカールSubrahmanyam Jaishankar外相は、ヨーロッパは自分たちの問題が世界の問題であるという考え方から脱却すべきだと述べた。「世界は、かつてのようなヨーロッパ中心主義ではありえない」と述べた。「例えば、アジアで起こっている多くの事柄に対して、特異な沈黙を守ってきたヨーロッパを一括りにするならば、なぜアジアの誰かがヨーロッパを信用するのか、と問うことができるだろう」と付け加えた。」、「しかし、インドはロシアに対して中立的な立場を維持し続けている。 アフリカ連合も、EUのロシア孤立化のロビー活動には賛同していない。 セネガル大統領でアフリカ連合(AU)議長のマッキー・サールMacky Sall氏は、世界的な食糧危機を懸念し、最近のEU首脳との会談で、EUの対ロ制裁がアフリカへの穀物や肥料の輸入を脅かしていると述べた。 フランスの週刊紙Le Journal du Dimancheとのインタビューで、サールは、AUは(穀物や肥料の輸入のために)支払いをしたいが、現在それは「不可能になりつつある」と述べた。」。とある。

栗の花


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