釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

中央銀行が生み出すバブル

2019-07-16 19:19:36 | 社会
週末も昨日も釜石では山背のために、雲が空を覆い、気温は23度までしか上がらなかった。涼しい風が吹き、長袖でなければ肌寒いくらいだった。内陸では28度まで上がり、日本海側の秋田など30度になっていた。今日も釜石は22度だ。7月に入り日照時間が極めて少ない。それでも花はその時期がやって来ると、花を咲かせてくれる。相変わらずウグイスがあちこちで鳴く。夕方、川沿いを歩くと、夏鳥のオオヨシキリも甲高い声で鳴いている。オオヨシキリの声に混じって、カジカガエルの澄んだ声も聴こえて来る。鮎釣りの人の姿もよく見るようになった。 米国では、ダウ工業株30種平均が4営業日続伸し、終値の過去最高を3営業日連続で更新した。ハイテク株主体のナスダック総合指数やS&P500株価指数も終値の過去最高を更新した。今月末の中央銀行FRBによる利下げ予想が強いためだ。低金利に支えられた社債発行による自社株買いが株価を上げている。バブルの外皮がはち切れそうになっている。米国庶民には実感はない。その実感のなさは日本も同じだ。しかし、日本でもすでにバブルが生まれている。日本銀行が4月に出した金融システムレポートは、2018年末の不動産業向け貸し出しの対国内総生産(GDP)比率の高さが、90年代の過熱状態を超えて、過去最大の14.1%となったことを報告している。自社株買いの文化が浸透していない日本はさすがに株式ではかってのバブル期ほどには至っていない。しかし、その株式も日本銀行が支える歪んだ市場に変質しており、国債市場は明らかなバブル状態になっている。日本銀行が市場価格以上の高値で国債を買い取って来た。マイナス金利になるほどの高値になった国債には、下手に手を出せなくなっている。高すぎる国債価格は、下げるリスクが伴う。しかも市中金融機関はもはや日本銀行へは売りたくない。利ざやが少なく、利益が圧迫されているため、いくばくかの国債は手元に置いておきたい。この国債の価格が高騰したバブル状態は、いつまでも維持し続けるしかない。ここまで高騰した国債価格には下落しか残されていない。米国の株式バブルも日本の国債バブルも永遠に維持するしかない。しかし、過去の歴史はいかなるバブルも弾けることを示している。中央銀行は米国では株式バブルを、日本では国債バブルを生み出させた。その中央銀行もいつかはバブルが弾けることを知っている。知っていて、出来るだけそのバブルを維持せざるを得ない。今月末、米国中央銀行が金利を下げれば、おそらく円高になる。それを防ぐために日本銀行はさらに金利を下げることを迫られる。マイナス金利をさらに深く掘り下げるしかない。歴史上前人未踏の禁断の領域に踏み込んでしまった。一度歩み始めた道を引き返すことが出来ない。一度始めた太平洋戦争はやはり悲惨な最後を迎えるまで止められなかった。日常生活では何も感じられないところで、今、日本も米国も断崖に追い詰められている。バブルは中央銀行が生み出した。裏付けのない通貨は、際限なく発行し得る。かっては金融経済が発展していなかったために、過剰発行された通貨は即座にインフレをもたらし、通貨価値を下げた。しかし、現代では、過剰発行された通貨は、実体経済では行き場がなく、金融経済に流れ、そこでバブルを生み出して来た。しかも、バブルが崩壊するたびに、さらに通貨を大量発行して、とりあえず経済を「回復」させて来た。しかし、これは根本原因をただ先送りしているに過ぎない。いかなる通貨も、裏付けなく大量発行し続ければ、いつかはその価値を失う。国際決済銀行(BIS)を事務局とするバーゼル銀行監督委員会は、2008年のリーマン・ショックを教訓に、世界的な銀行の破綻による金融危機を避けるため財務の健全さを高める狙いで、2010年9月に新たな金融機関の基準となるバーゼルIIIを発表した。そこでは銀行の健全性を維持するための中核的自己資本(Tier1)として、新たに金(Gold)が加えられた。昨年1年間に、中国、ロシア、インドなどいわゆるBRICS諸国をはじめ、新興国中央銀行は、1971年の金本位制離脱以来、最大の金購入を行なっている。基軸通貨ドルへの不安が増大しているだけでなく、過剰発行された通貨への不安も加味している。
八重咲きの木槿

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