釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

米国の「悪あがき」

2023-02-08 19:13:21 | 社会
Dr.Doom' Warns "Increased Weaponization" of the Dollar Threat the US Hegemony
破滅博士:ドルの武器化が進み、米国の覇権が脅かされる
2023年2月7日 ZeroHedge

The Financial Times,2月5日、ヌリエル・ルビニーNouriel Roubiniニューヨーク大学教授著:
A bipolar currency regime will replace the dollar’s exorbitant privilege(ドルの法外な特権に代わる二極通貨体制が実現する)

グリーンバック(米国ドル紙幣)は遅かれ早かれ、米中間の地政学的対立の激化の影響を受けるに違いない...。

第二次世界大戦後、ブレトンウッズ体制が設計されて以来、米ドルは世界の基軸通貨として支配的であった。1970年代初頭の固定相場制からの移行でさえ、米ドルの「法外な特権」に挑戦することはなかった。

しかし、国家安全保障のためにドルの武器化が進み、西側諸国と中国、ロシア、イラン、北朝鮮などの修正主義的な国との間で地政学的な対立が高まっていることから、脱ドル化が加速するとの見方もある。このプロセスは、代替的な多極化通貨と国際決済体制につながる可能性のある中央銀行デジタル通貨の出現によっても推進されている。

懐疑論者は、会計単位、決済手段、価値貯蔵手段としての米ドルの世界的シェアは、末期的な衰退が叫ばれているにもかかわらず、それほど低下していないと主張する。また、元米国財務長官ローレンス・サマーズが言うように、何かをゼロで置き換えることはできないとも指摘する。「ヨーロッパは博物館、日本は老人ホーム、中国は刑務所のようなものだ」。

よりニュアンスの異なる議論としては、基軸通貨としての地位を相対的に独占させるような規模の経済やネットワークが存在すること、資本規制を段階的に廃止し為替レートをより柔軟にしなければ中国人民元は真の基軸通貨になり得ないことなどが指摘されてい る。

また、基軸通貨国が非居住者の保有する負債を十分な対価として発行するためには、米国が長く続けてきたように、恒常的な経常収支の赤字を受け入れる必要がある。最後に、このような懐疑論者は、多極化した基軸通貨体制を構築しようとする試みは、人民元を含む IMF 特別引出権バスケットでさえも、これまでのところドルに代わるものにはなっていない、と主張する。

しかし、米国と中国という二つの地政学的勢力圏に分断されつつある世界では、多極化というよりむしろ二極化した通貨体制が一極化に取って代わる可能性がある。

基軸通貨の地位の獲得には、完全な為替相場の柔軟性と国際的な資本移動が必要なわけではない。金為替本位制の時代には、固定為替レートと広範な資本規制があったにもかかわらず、ドルが支配的であった。

中国には資本規制があるが、米国には独自の資本規制があり、敵対国や友好国の間でドル資産の魅力を低下させる可能性がある。

その中には、ライバルに対する金融制裁、国家安全保障に敏感な多くの分野や企業に対する対内投資の制限、さらには一次制裁に違反した友人に対する二次制裁も含まれている。

12月には、中国とサウジアラビアが初めて人民元建て取引を行った。また、北京がサウジをはじめとする湾岸協力会議加盟国に対し、人民元建て石油取引や外貨準備高比率の引き上げを提案する可能性もないとは言い切れない。

GCC諸国や他の多くの新興市場経済国は、米国よりも中国との貿易が多いことから、近いうちにそうした中国の提案を受け入れ始める可能性がある。また、基軸国が恒常的な経常赤字を抱える通貨体制には、いわゆるトリフィンのジレンマが存在し、国際債務の増大が持続不可能となり、いずれ基軸国の地位が損なわれる。

経常黒字が続く国の通貨が、果たして世界の基軸通貨としての地位を獲得できるのか、批評家は疑問視している。しかし、中国はいずれにせよ、貿易黒字に依存しない成長モデルへと移行しているのだろう。

また、第二次世界大戦後、世界の国内総生産に占める割合が20%に半減した米国が、いわゆるビークル通貨取引の少なくとも3分の2をいまだに占めているのは時代錯誤と言わざるを得ない。現在のシステムは、インフレなどの国内要因による米国の金融政策の変化に対して、新興市場経済を財政的・経済的に脆弱にする。

最後に、CBDC、WeChat PayやAlipayなどの決済システム、中国と他国間のスワップライン、Swiftの代替手段などの新しいテクノロジーは、世界の通貨・金融システムの二極化の到来を早めるだろう。このような理由から、今後10年間に主要基軸通貨である米ドルの相対的な下落が起こる可能性が高い。ワシントンと北京の地政学的な争いの激化は、必然的に二極化した世界の基軸通貨体制にも反映されることになる。


ビル・トッテンBill Totten氏訳
Pepe Escobar: Ukraine War is Desperate Move by U.S. to Preserve Hegemony and Prevent Multipolar World
ぺぺ・エスコバール:ウクライナ戦争は覇権を維持し多極化を阻止するための 米国の捨てばちな行動
by Finian Cunningham

ウクライナでの戦争は、西側メディアが描くように、ウクライナとロシアの問題に米国とNATOがウクライナの慈悲深い支援者として動いているのではない。

米国とその同盟国であるNATOはこの紛争に深く関わっている。20年間にわたる無益な占領のあと2021年にアフガニスタンから軍を撤退させたのは、ロシアに対する計算された「軍事能力の再編成」だったとペペ・エスコバルは言う。

ウクライナは単なる代理にすぎず、究極的にはアメリカ帝国プランナーのための大砲の餌に過ぎない。

この戦争は、アメリカとロシア、中国、その他多極化した世界の出現を推進する国々との間のより大きな地政学的対立の一部である。この多極化した世界は、もはやアメリカ支配の西側資本主義の覇権下にはない。

ペペ・エスコバルは大局を見極め、アメリカが支配する崩壊しつつある世界資本主義体制、とりわけ米ドルの特権的地位を支えるために、いかにアメリカ帝国が「パニックモード」になっているかを概説している。

現在、ロシアと戦争をし、長期的には中国と戦争をすることは第二次世界大戦後に確立されたワシントンの支配的地位を長引かせようとする、捨てばちな動きの一部である。その戦後の帝国主義秩序は、婉曲的に「ルールに基づく秩序」と呼ばれているが、抑制のきかない帝国主義戦争と金融統制の乱用からますます評判が悪くなっている。

地球の大多数はグローバル・エリートを潤すだけの資本主義的搾取を支える米国と西欧の温情主義的システムからの解放を望んでいる。ウクライナでの戦争は、米国のグローバル・パワーの崩壊と、資本主義を定義する組織的不平等を維持するための無謀な戦いに過ぎない。

今年は非常に危険な年になるとペペ・エスコバルは言う。しかし、もし精神の病んでいるアメリカのディープステートのプランナーたちをロシアと中国が全面的で破滅的な戦争を勃発させることなく封じ込めることができれば、より希望に満ちた、平和で公正な世界秩序が生まれる可能性がある。


ヒヨドリ

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