ヒヨちゃんが行く!

松本市在住「大平滋子」の写真と詩のブログ

ほっとけという優しさ

2010-04-28 | アート
大阪には「ほっとけ」っちゅう言葉があってな、
「まあ、ほっとけ」って使う。

最初はたまげたねえ、
僕は大阪人じゃないから、
なんちゅう冷たい人たちだろって思ったよ。

でもね、芸術家って、ほとんど残こんないからさ、
手をかけても。
自分で這い上がってくるもの、
幸運に恵まれたもの。
けっきょく這い上がれた人しか残れない。
それって、芸術を志した人の、
ほんの一握りなんだよな。
希少な……。

だから、「ほっとけ」
あんたさんがやりたいならやりな。
僕は見ているから。
そういう肯定の仕方。
ものすごい愛情だと思うんだよな。

駄目になっても、あんたでよかった。
上手くいっても、もちろん、よかった。

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そっか、芸術にはエスカレーターがないんだ。
階段に登ったら、そのまま高見に運んでくれる、
そんな便利な道具はないんだ。

芸術は自分の足と手で切り開くものなんだ。

喫茶店で不意に声をかけてきた男性の、
まったく予期しない話を聞きながら、
ほっとけという優しさを教えてもらった話。

で、
「人生至る所青山あり、
さて、今日はどの山を登りますか」。
男性はニンマリ笑って去っていったのでした。

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