天文ガイド1970年8~9月号の裏表紙に、五藤テレパックの広告があり、それをまねて撮ってみました。
あの頃は、表紙がぼろぼろになるまで読みました。望遠鏡も欲しかったのですが、とても高価で、容易に手に入るものではありませんでした。 その思い入れが強かったためか、今でも昔の望遠鏡で星を見るのが、好きになってしまっています。
天文ガイド1970年8~9月号の裏表紙に、五藤テレパックの広告があり、それをまねて撮ってみました。
あの頃は、表紙がぼろぼろになるまで読みました。望遠鏡も欲しかったのですが、とても高価で、容易に手に入るものではありませんでした。 その思い入れが強かったためか、今でも昔の望遠鏡で星を見るのが、好きになってしまっています。
五藤の古い接眼鏡です。GOTO KOGAKU の刻印のものは、同社の初期のものですが、その中でもゼウスの文字があるのは、珍しいものです。箱についても、製造時のものなのか、所有者のものなのか判りませんが、歴史を感じさせるものだと思います。
早朝、新聞を取りに外に出て、空が開ける所に行ってみると、東南の空に金星が見えました。まるで影ができるのではないかと思うくらいに、明るく輝いています。そのまわりを見ると、下に木星(*)も見えます。よく目を凝らすと、その右側に赤い星、右上に3つ並んだ星も見えました。初め何の星か判りませんでしたが、しばらくしてアンタレスとサソリ座の頭の星と気が付きました。冬の透明な空に、初めて見た景色でした。(*ローマ神話でのジュピター(木星)は、ギリシャ神話ではゼウスと呼ばれています。)
五藤 テレパック60ALの各部をご紹介します。初めは接眼部です。微動つまみは右側だけで、ラック&ピニオンのあたりを調節するためのエキセン環が使われています。動きは、とてもスムーズです。
対物レンズです。鏡筒セルは、3個のネジで取り付けられています。内部に板バネが入っており、光軸調整が出来るようになっています。テレパック以外では見られない、珍しい構造です。
経緯台はフリーストップの微動付きで、その水平微動部を拡大したものです。つまみの反対側の棒状の筒の中には、スプリングが入っており、その圧力でガタを防いでいます。個々の動きは、なかなか良いです。また、鏡筒支持部のアリ型アリ溝も写っています。ワンタッチで、取り付け取り外しができ、便利な機構です。
最後に、上下微動部です。ここでも、水平微動部と同様の機構を採用しており、スムーズに動きます。
それぞれ、よく考えて設計されており、入門用の望遠鏡でありながら、必要充分な性能を有しています。
ウラノス号3号機の接眼筒ラックピニオン部を分解したものです。カバーの内部と本体に、同じ番号が刻印されています。上下微動棹の先端キャップの裏側にも、同じ番号がありました。現代では公差を守って製作すれば、問題ないように思いますが、その当時は、より良い精度を求め、職人が一品一品最適な組み合わせを探っていたのでしょう。
雪山を背景にした、五藤テレパックの鏡景写真です。
冬は、一等星も多く、華やかな夜空が楽しめます。 きらめく星が雲から出てくるときの様子を、星の文人”野尻抱影”は、ダイアモンドに息を吹きかけてできた曇りが徐々に晴れてくるようだと、その著書に記しています。最近そのことを、早朝の明けの明星で見ることができた時は、とてもうれしくなりました。