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昔の望遠鏡で見ています

昔の望遠鏡による天体観望と、その鏡景写真についてご紹介します

星の楽しみ方

2021-10-08 | 日記
 憧れる星の楽しみ方がある。暗くて広い空のもとに住み、スライディングルーフ付きの観測所を建て、お気に入りの望遠鏡をセットして、天体を観るというものだ。望遠鏡は星雲星団用の大口径反射と、惑星用のアポ屈折があるのが理想的だと思う。

 それは、現在の自分が置かれている状況と正反対の環境であることから、これを実現するためには、第一に用地を見つける必要がある。最近、目を付けているのが、近郊の町が行っている空き家を紹介する事業だ。これは人口減少や、それに伴う空き家対策のためのもので、専用のHPも用意されている。時々そこを訪れてみると、町の中心部の物件に交じって、使われなくなった別荘も登録されているのが判る。バブル以降に建てられた別荘も、だんだん使われなくなり、格安で売りに出されているものもある。別荘であるから、自然に囲まれ空はある程度暗いのだが、開けた空というのは、なかなか難しいようだ。そんな別荘を入手した人に聞くと、自然豊かなところに行くのは心が癒されるし、要らなくなったら売ればよいのだから、悪い投資ではないと言う。

 建物は雨風をしのげることが出来れば良いので、立派なものは要らないのだが、かえってそれが選択を狭めているのか、未だ実現には至っていない。そうこうしているうちに、心境の変化も出始めてきた様な気がする。以前は、ただただ暗い空の下で大口径で高性能な望遠鏡を使い、色々な天体を見たかったのだが、今は、小口径であっても切れ味鋭い望遠鏡で見る楽しさに気付いてきたのだ。庭先でも、銘鏡やフローライト屈折で見る恒星像には、心洗われる思いがするようになった。もちろん、古スコを使っての昔出来なかったことの追体験ということも、味わい深く感じている。

 これらのことは、諦めの境地なのか、より本質的な星見に近づいてきたのかは判らないが、これからも心の赴くままに星を楽しんでいきたい。

 防湿箱の中から、タカハシの2インチ天頂ミラーを紹介する。





 本体はずしりと重く、側面にネジ等が見当たらない。構造を確かめたいが、艶消し塗装のため、なかなか良く見ることが出来ない。そこで強い光を当てて見てみると、なんと内部に工具で削った模様が見えるではないか。本体は、金属の塊から削り出されているようだ。かつてロシアのマクカセ鏡筒が、無垢からの削り出しと聞き驚いたものだが、このタカハシの造りも贅沢な物のようだ。


 

 底には円形の蓋があるが、光軸修正用のものであろう。ミラーはMT130の斜鏡と同じものと聞いたことがある。この2インチ天頂ミラーは、少し重めなので、比較的大型の鏡筒に合うのではないかと感じている。