「全国天文愛好者交流会2022星空案内人の集い」は、郡山市で二日間にわたって開催され、各地の天文同好会の活動や天文教育の事例などが紹介された。会場はビルの7階にあり、手作りの双眼望遠鏡や昔の細長い塩ビ鏡筒の望遠鏡で遠くの景色を見ることが出来るのも、良いものであった。
展示された天文教材の一つに、視覚支援学校の生徒を対象としたブラックホールの模型があった。ブラックホールを取囲む光のリングの明暗を理解するために作成されたものだが、私たちが行う星の教室でも使える教材だと思った。
講演会場で行われた発表は、久しぶりの対面式だったこともあり、新鮮さを感じた。また会の持つ特徴なのだろうか、参加者間の垣根が低いのも特別なものだった。例えば朝食会場で、隣に座った人に声を掛けられたのをきっかけに、暫く話を弾ませたのだが、普段の生活ではなかなか無いことだと思う。
懇親会の際に、普段はネット上で交流している方々と、実際に会うことができたのも有意義だった。初対面の人もいたが、一つのテーブルに集まって直ぐに興に乗ることができたのは、同好の趣味を持つ者同士だからであろう。一方、天文愛好家が多く集まっていたが、その中でも古スコマニアというのは、知る人ぞ知る存在だと感じた。この趣味は、好き過ぎた中で突然変異が起き、一部が熟成し初めて形作られるものだからであろう。それ故、向き合う対象も各人で異なってくる筈なのだが、それぞれを理解できるというところも、不思議なことだと思った。
古スコ相手に黙々と時間を過ごしている自分にとっては、最新の天文事情に興味が湧くか少々心配だったが、思った以上に面白さを感じた。自分の古スコ趣味の根底にも、天文というものが少しは残っていたようだ。これからは意識して、少しづつ勉強していこうと思う。