
12月23日のカロッツェリア マチオヤジマの我がアウトビアンキのレストア状況です。
軽量化作業で、まずはドアまわりのガラスを外す作業を行ないました。

ガラス、窓枠等を取り外すのも、大変慎重な作業で3時間かかりました。
ガラスを割らないように、傷付けないように外します。

紺のアウトビアンキのSさんがガラスを持つと「意外とずっしりと重いですねぇ」とのコメント。
こうしたガラスが4枚とリアの大きなガラスをアクリルで軽量化する計画です。
この後の作業工程で、ガラスとアクリルの重量比較を掲載しますね。

この作業の工程で、問題発見です。
左側(運転席側)のドアの窓枠を外して、まさかの錆を発見!
いやぁ~この軽量化作業をしなかったらわからなかったかもしれません。

写真のように、窓枠の中が錆でボロボロだったのです。
ん・・・気がつかないですよね。

こちら側もこんな具合で錆びています。
特に水が溜まる場所でもないのですが、アウトビアンキは錆びやすいですね。
「アウトビアンキが!」と言うより、この当時のフィアット車両は錆やすいと言った方が正しいです。
当時のフィアット車というとX-19もそうなんですが、Xプロジェクト・コードネーム当時(アウトビアンキA112もXプロジェクト)の鉄板供給が旧ソ連からだったようですので、ボディーの鉄板の材質に問題があったのかもしれません。
日本の鉄鋼メーカーならこんな問題はないです。
日本の自動車メーカーと鉄鋼メーカーとは各社とも錆びずに軽量化・剛性については、極秘なんだそうですが、その技術力は世界1位だそうです。
あと考えられるのは、塗装の下地処理なんでしょうね。

ドアの鍵パーツと取り外し作業をする矢島氏。
難しい部分の錆処理は、明日以降の作業になりますが、それ以外の錆処理を本日は行ないます。

細かい錆の処理は、済ませて下地処理をする矢島氏。
あちらこちら錆との戦いです。
カロッツェリア マチオヤジマは、アバルト車のレストア、整備の専門店です。
レストア作業を通じて、実感しているのですが、レストア専門店の看板を掲げるガレージにも2種類あって、板金専門系と機械専門系です。
一般的に板金専門系は、エンジン・ミュション関係など機械に関わる整備は外注に出しますし、機械専門系はボディーワークは外注に出すのが一般です。
レストアを考えているオーナーもその見極めをしないと、例えば「ボディーワークは良かったのにエンジンの調子に問題が・・・」となるのです。
カロッツェリア マチオヤジマは、その板金系も機械系も一貫して行ないますので、安心です。
一貫しておこなうレストア専門店が少ないですよね。
しかも、アバルト車にこだわりを持っているのが良いですよね。

特注のヘッドを装着したアウトビアンキのエンジン。
ボディー塗装後の装着を待ちます。
レストアをすることで、自分だけの作品に人一倍愛着が湧きます。
自動車がなんとなく電化製品化してしまっている今日です。
レストアは、ワンボックスカーとエコだけがキーワードの自動車業界に逆行する文化かもしれませんが、ブームに乗せられて買い換えるよりも、レストアして物を大切にする文化の方がエコな生活だと私は思います。
レストア文化は、物を大切にする文化です。
ヨーロッパでは、何代も使い続ける家具が食器を誇りに思う伝統があります。
日本も着物を仕立て直したり、桐の箪笥を3代に渡って、家具職人に鉋をかけてもらって継承する伝統文化や受け継がれる漆器や陶器などが次第にお宝になっていったのでしょうが、大量消費が経済効果を生むような風潮が定着しています。
私は、30年以上使い続けている革のカバンがあります。
何度も修理して、買った方が安いのかもしれませんが、使うことで革の風合いの良さは、買えるものではありません。
アウトドア用品も高校1年から使い続けているものもあります。
結局、良い物は修理して使い続けてることで愛着が湧くのですね。
欧米では、自動車をガレージでコツコツとレストアするのも男の趣味として定着しています。
若いときに憧れていた自動車やバイクも、結婚して子どもが産まれて手放してしまった方が多いと思います。
いつのまにか、そんなこととも無縁になってしまって無趣味ですなんて退屈な人生を送っていませんか?
そろそろワンボックスカーから本来乗りたかった自動車にしませんか?





