大倉草紙

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【兵庫】 関西のグラフィックデザイン展 一九二〇~一九四〇年代 (西宮市大谷記念美術館)

2008年10月29日 14時13分52秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
10月21日(火)
当日の行程:(大阪市営地下鉄・心斎橋駅) → 【再興第93回院展(大丸ミュージアム・心斎橋)】 → (大阪市営地下鉄・心斎橋駅~梅田駅…阪急・梅田駅~甲東園駅) → (阪急・甲東園駅~今津駅…阪神・今津駅~香櫨園駅) → 【第100回展 館蔵品の光彩 山水・人物・花鳥…(頴川美術館)】【関西のグラフィックデザイン展 一九二〇~一九四〇年代(西宮市大谷記念美術館)】


          
   

西宮市大田に記念美術館にて、「関西のグラフィックデザイン展一九二〇~一九四〇年代」を見る。
ポスターを中心とした資料約200点が、「着る・飾る」「飲む・食べる」「娯楽・交通」のテーマ別に展示されている。


【着る・飾る】

化粧品メーカーや百貨店のポスターが中心。

          
       クラブ美身クリーム ポスター
       作者不詳 昭和2年(1927)頃

戦前は、「東のレート、西のクラブ」と言われ、中山太陽堂(現・株式会社クラブコスメチックス)は、日本の2大化粧品メーカーのうちのひとつだったそうだ。
○の中に文字を当てはめて、商品名やメーカー名を答えさせるタイプの懸賞はこの当時からあったようだ。
上のポスターの懸賞課題は、「クラブ○○ク○○ム」の空欄を答えるもので、商品は、1等が拾円、2等が伍円、三等が化粧品詰め合わせ、4等がカテイ石鹸、5等がクラブ石鹸、6等がクラブ歯磨である。


          
        高島屋呉服店開店広告 ポスター
        作者不詳 大正11年(1922)

「コドモから
 オトナのみなさまへ
 わたしたちと
 おなじやうに
 タカシマヤを
 かわゆがつてください」
「かわゆがつてください」がかわゆい。

百貨店の展覧会は、「現代婦人キモノ博覧会」「名宝 お人形博覧会」「うまいもの大会」「東京名物品展」のように今でもありそうなもののほかに、次のようなものも。

   
陸軍大展覧会 ポスター     阪神沖大観艦式記念 我等の海軍展覧会
作者不詳 昭和5年(1930)    ポスター 作者不詳 昭和11年(1936)



【飲む・食べる】

酒造メーカーのポスターと、グリコのポスターやおまけなどが並ぶ。

   
月桂冠 ポスター多田北烏      キンシ正宗 ポスター
昭和元~20年(1926~45)頃     北野恒富 昭和9年(1934)

酒造メーカーのポスターには、魅力的なものが多い。
月桂冠のポスターは、動きのあるものが目立つ。
菊正宗のポスターの女性は、皆、なぜだか左手の薬指に指輪が光っている。
キンシ正宗のポスターは、かなり好みだ。


          
        グリコ映画大会 ポスター
        作者不詳 昭和11年(1936)頃

グリコ映画大会のプログラムは次の通り。
「1.二重橋観兵指揮 一巻
 2.漫画大会 五巻
    白鼠物語
    皇国のために
    三吉おさよ
    日の丸太郎 武者修行
    黒猫の恋
 3.喜劇 のらくろ二等兵 七巻
 4.純情劇 母の心 七巻」

「グリ公マンガ」というのもある。
たとえば、(1)一郎サンハ百メートル競走二出マシタ ダチウノヨウニハシル鳥夫サンニハカナヒマセン (2)ポケツトニシノバセテオイタ「グリコ」ヲ一ツ食ベマスト勇気百倍 (3)タチマチ第一着ニナリマシタ 運動ノシーズン!!何ヨリ「グリコ」ヲ召アガレ
こんなふうに単純だけれど、微笑ましい。

「グリコ日記」というのもある。
「グリコ日記には毎週末に自分の行ひを反省し、新しい次週の計画をたてる反省と計画欄があつて、先生、御両親に見て戴くやうになつてゐます。かうして日一日と立派な日本人に向上して行けます」とある。

様ざまな企画があって、どれもこれもおもしろい。



【娯楽・交通】

映画・演劇のポスター、交通機関のポスター、行楽地のポスターなどが展示されている。

   
京都~神戸間の特急車連絡運転   京都へ(大阪鉄道局)ポスター
ポスター 北川五郎           福永俊吉 昭和14年(1939)
昭和16年(1941)

京都-神戸間の運賃は、片道1円10銭、往復2円1銭。
交通網が発達するに従って、京都への観光客も増えたのだろう。


          
        甲子園香櫨園海水浴場 ポスター
        早川源一 昭和7年(1932)

海水浴場のポスターが何枚も展示されていた。
今では見かけないので(私が気付かないだけかもしれないが)、新鮮だった。



【庭園】

西宮市大谷記念美術館は、庭園も美しい。

   
                 水琴窟

   

   
        岡本太郎『午後の日』(昭和42年〔1967〕)

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