大倉草紙

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【京都】 「生活と芸術―アーツ&クラフツ展」ウィリアム・モリスから民芸まで (京都国立近代美術館) 

2008年10月04日 11時55分02秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
10月1日(水)
当日の行程:(京都市営地下鉄・東山駅) → 【「生活と芸術―アーツ&クラフツ展」ウィリアム・モリスから民芸まで(京都国立近代美術館)】【京と江戸 ―名所遊楽の世界―(細見美術館)】 → (京都市営地下鉄・東山駅~京都駅) → 【印象派の巨匠ピサロ ―家族と仲間たち― 展(美術館「えき」KYOTO)】


          

19世紀後半のイギリスでは、産業化や工業化が進み、質から量へと価値が移っていく。
そのような流れのなかで、手仕事の良さを見直し、自然美や伝統美を見出そうとする「アーツ&クラフツ運動」の全容が分かる面白い展覧会だった。
全容が分かるということは、あれもこれもということで、どうしてもばらばらな印象が残ってしまう。
けれど、ひとつひとつの展示物は、興味深いものだった。

展覧会は、アーツ&クラフツ運動の起点となったイギリス、ヨーロッパ各国への広がり、日本での民芸運動、というように、大きく分けて3部構成になっている。


          
 ウィリアム・モリス 内装用ファブリック「いちご泥棒」(部分)(1883)

アーツ&クラフツ運動の提唱者、ウィリアム・モリスの壁紙には、やはり目がいってしまう。
125年も前のデザインなのに、ちっとも古く感じない。

壁紙も良いのだけれど、見ていて楽しかったのは、飾り文字や本の装丁。
本にばかり目が向いてしまうようであるが、イワン・ビリービンが挿絵を描いた「うるわしのワシリーサ」があって、思わずにんまり。

日本での民芸運動を紹介するコーナーでは、「三国荘」のインテリアが再現されていた。
テーブル、器、照明器具、棚、座布団、壺、天井、暖炉……どれも素晴らしく、見ていて興奮を覚えた。

「役にたたないもの、美しく思わないものを、家に置いてはならない」
ウィリアム・モリスはそう言ったらしい。
思わず、家の中を見回してしまった。

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