回覧板

ひとり考え続けていることを公開しています。また、文学的な作品もあります。

[ツイッター詩141] (10月詩)

2023年10月13日 | ツイッター詩
 [ツイッター詩141] (10月詩)


「赤の他人」
今では少しなじんでいて
ヘンな気分になることはない

長らく生きていても初めて出会う言葉がある
「赤の他人」に初めて出会ったとき
赤(アカ)と他人が結びつく
その奇妙な表情に
戸惑ったと思う

その後には
気を静めるために
辞書を引く
今なら
検索に出向くことになる

そうして
時々「赤の他人」に出会っている内に
「赤の他人」は
しだいにその奇妙さを脱ぎ捨てて
ぼくの身近な言葉の椅子に座ることになる

ところで
小さい頃から
くり返しくり返す
改名もあり
くり返すくり返し
てきた
言葉たちは自然だ
〈ごはん〉も〈おふろ〉も〈かあちゃん(ママ)〉も
自然だ
しぜんだなあ

くり返してきた
大きな時間の水圧から
自然に
こぼれ出る言葉たち
もある

あるある
ありをりはべりいまそがり
言葉の滑り台を
つい滑ってしまう
時もある

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 5328-5331

2023年10月13日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



5328
遠い他人事だけど難しい
遠い 他人事 だから
(うーん むずかしいな)



5329
人も集団(国家)も追い込まれると人倫を越え
閉じられた病の世界で
残虐のかぎりを尽くすことがあり



5330
やわらかな日々の時間が暗転して
硝煙の中 一点に集中し
敵か味方かしか眼中にない



5331
人ゆえに遠い他人事も気になってしまう
複雑にからみ合って硝煙に煙っている
その根っこを探り当てようと意志することしかできない