シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0154■連れ合いの敗北

2006-04-11 | アニキ物語
ひつこく続く、連れ合いの話。うれしくないみたいだ。でも気にしない、四つ足だからね。
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アニキはツナの入ったボールの前にぺタリと座り込んだ。立ってれば、顔を突っ込んで喰いだすかもしれないけど、座ったとなると、もう自分で喰う気がないってこと。
これは完全に「お手々まんま」の待ちポーズ。
(これはね、ぜんぜん気合が入ってない喰い方。
しっかり喰うときゃ、四つ足をしっかり踏ん張って喰うんだ→

アイツならここで、
「お待たせぇ~♪」
とか言ってすっ飛んで来て、ツナを手の上に載せて食べさせるんだろうけど、連れ合いには通じない。

連れ合いまでしゃがみこんだ。1人と1匹で向かいあってる。
「チャッチャ、お腹空いてるだろう?ゆうべから食べてないんだから。ねっ、食べよう?」
「・・・・・・・・」
アニキは待ってる。後ずさりしないだけ、きのうよりマシってことか。

「せめてあれに削り節がまぶしてありゃな~」
おいらは思った。アニキはあのにおいに、てきめん弱い。においだけで、一口、二口は喰うんだ。アイツならまず削り節を試す。それでダメだったら「お手々まんま」に切り替える。でも連れ合いはそこまで知らない。

1人と1匹のにらめっこは連れ合いの負けで終わった。
とうとう、連れ合いがボールに手を突っ込んで、ツナを手に載せ、「お手々まんま」をやったんだ!
なぜか、
「これだけはやらない!」
って決めてたのに。

おいらには連れ合いの頭の中のテレビが見えるから、わかるんだ。ゆうべも何度も、
「絶対やらない!」
って映ってた。

あきらめたんだろうな。これ以上、なにも喰ってないアニキにインシュリンを打てないって思ったらしい。二本足っていうのは、あれこれ死ぬほど考えたり、しゃべったりするのに、けっこう簡単に考えを変える。言ってることとやってることが合わないのは、このせいか。
さて、これでおいらも朝飯かな~?
(つづく)


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