シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0227■アニキ、再びⅧ

2007-02-18 | 猫の病気
「スゴいじゃない、ピッピ。アクセスが増えてるわよ!」
「なにが増えてるって?」
と思ったら、ブログを読んでる二本足が増えてるんだとさ。ありがとニャン。
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糖尿病のアニキ。
ケットウチとかいうのが下がると、大変なことになる。
目も見えないし、音も聞こえない。もちろん、においもわかんない。
だから、食べ物が見つけらんない。目の前に出てても、見えなくてにおわないから喰えない。
というか、喰うことじたいがわかんなくなる。喰わないとケットウチは上がんない。
もっと大変なことになる――ってわけさ。

だから、アニキは目の前の食べ物が入ったボールの中に足を突っ込んで、そのまま通り過ぎていっちまう。なんにもわかんないんだ。アイツがお手々まんまなんかしたって、もちろんムダさ。わかんないんだから。なんにも見えない真っ黒な目でぜんぜん関係ない方をキョトキョトしてる。

こうなると、砂糖水しかないんだ。
普通の四つ足だったら絶対飲もうなんて思わないヘンなにおいのする水なんだけど、これをスポイトで飲ませるとアニキは元に戻る。クルマに乗って獣医に行かなくてもいいんだ。まっ、獣医に行ってもこれを飲まされるらしいけど。

ケットウチが下がったまま、雨の夜にサンデッキに出たアニキ。
砂糖水を飲んで、目が見えて、音も聞こえるようになったんだろう。歩けるようになった。
でも、頭のテレビにはなんにも映ってないから、やっぱりよくわかってないみたいなんだ。
ただただ外に出たかったんだろうな。雨で毛や肉球が濡れてるのもわかんないみたいだった。

でも、それ以上は歩けなかった。じっと座ってるだけ。
後には傘を差して濡れてもいいヘンな服をきた連れ合いが立ってる。
1匹と1人はずっとそこにいた。

おいらは雨だから家にいた。いつもだったらこんな天気のときはアニキだって家にいるさ。アニキはじっと座ったままだ。

(元気で雨がふってなきゃ、夜の散歩は最高なんだけど→)

そのうちやっと歩き出してドアに向かい、とうとう家に入った。
「ご苦労さま。どう?良くなってる?」
「じゃないか、歩いてるし。」
「30分ぐらい居たかしら?」
「かもね。雨でも外がよかったんだろうな。でも、なにも喰わないなぁ。」

アイツらがボソボソ話してると、アニキはスタスタとご飯の置いてあるところに向かった。
においがわかったんだろう。
ピチャピチャピチャピチャ
急に水を飲み始めた。喰わなくてもアイツらは大喜びだ。口になんか入れることを思い出したんだからな。(つづく)