シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0223■アニキ、再びⅣ

2007-02-03 | 猫の病気
新しい年になったら、けっこう続いてんじゃないか、おいらのブログ。アイツがヒマになったのか?
毎日ホント、いろんなことがあるぜ。忘れちまわないようにどんどん更新してくれよな。

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隣の家まで行って帰ってくると、サンデッキにアニキがいた。
「アレ?もうよくなったのか?」
と思ったけど、なんかヘンだ。

そう、あの座り方→
なんでも名前を付けるのが好きなアイツらが、
「スフィンクス座り」って呼んでる、あれだ。
ケットウチが下がったとき、アニキは必ずこうやって座る。立てないんだ。
おいらだってめったにしないぜ、こんな座り方。腹が苦しいじゃないか。
ごろんと横になるかネコ正座の方がぜったいいい。

それに頭の中のテレビがあいかわらず白い。
さっきみたいに真っ白じゃないし、なにか映ってきそうだったけど、やっぱりなんにも映ってない。
ヘンだ。なんにも見えてないのかもしれないな。隣を通りすぎても、動かなかった。
「いいのか。このままで。」
と思って家に入ったら、連れ合いとアイツがいた。中からアニキを見てたらしい。

「前のときよりよさそうね。目も見えてるみたいだし。あたりかまわずイヌみたいに、においをかぎ回ったりしないところをみると、においもわかってるんじゃない?」
「あのときは大変だったよな。」
「そうよ~、鼻の頭を床にこすりつけてそこら中かぎまわって、壁に何度も激突してたじゃない。」
「それに比べたら、ずっといいよな、今回は。」
「軽症だったのね。早く気づいてよかったわ。そのうち歩くでしょう。」
とか言ってる。
ふ~ん。

アイツはキッチンに戻り、連れ合いはそのままアニキを見てた。おいらは小さい子の部屋に戻った。
カツカツカツカツ
少ししたらアニキが爪の音を立てながら廊下を通ってった。いつもの音と違うけど、歩いてった。

「大丈夫そうだな。ソファーにも自分で乗ったし。」
「でも、なんにも食べてないわね。これでもうケットウチ戻ったのかしら?」
「大丈夫じゃないか?歩けるんだから。」
「そうね。今回は早かったわね。よかった、たいしたことなくて。」
アイツらは喜んでた。でもアニキのテレビにはまだなんにも映ってない。

「じゃ、行ってくるよ。」
そのうち連れ合いが小さい子と出かけていった。アイツはキッチンでカタカタやってた。そのうち、
「ママちょっとジョギングに行ってくるわね。チャッチャも大丈夫そうだし。パパたちすぐに戻ってくるわ、郵便出しに行っただけだから。」
とかなんとか、大きい子に言ってる。

「はーい。」
大きい子は、自分のベッドで字がいっぱい書いてある紙をジーっと見たまま返事した。大きい子は動かない。アニキもソファーでじっとしたまま動かない。
(つづく)