ロシアに併合されたクリミアのタタール人民族自治組織は22日、同組織のリーダーのムスタファ・ジェミレフ氏(70)が、ロシア当局から、5年間クリミアへの帰還を禁止する通告を受けた、と発表した。
発表によると、ジェミレフ氏がクリミアからキエフに向かおうとしたところ、ロシアの国境管理当局から通告されたという。
同組織の広報担当者によると、ジェミレフ氏はそのままクリミアを離れた。ジェミレフ氏は旧ソ連時代からクリミア・タタール人の民族運動のリーダーで、現在はウクライナの国会議員の資格も持つ。
ただ、ウクライナ国営通信社ウクルインフォルムによると、ロシア連邦移民局は、「把握していない」と否定。ジェミレフ氏が受け取ったのは「単なる紙切れ」とし、その内容に法的拘束力はないとした。
クリミア・タタール人の多くはロシアによる併合に反対しており、3月の住民投票をボイコットしたほか、ロシア国籍取得を拒否。ジェミレフ氏はその中心として活動している。(キエフ=松尾一郎)
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