習・中国主席:「日本は野蛮にも侵略」 歴史問題で批判 韓国で講演

習・中国主席:「日本は野蛮にも侵略」　歴史問題で批判　韓国で講演

毎日新聞　2014年07月05日　東京朝刊

　【ソウル西岡省二】訪韓中の習近平・中国国家主席は４日、ソウル大学で講演し、「２０世紀前半の日本の 軍国主義が中韓両国を野蛮にも侵略し、両国ともに大きな苦難を経験した」と述べ、日本の過去の行為を改めて批判した。そのうえで「歴史の中で危険な状況が 発生した時に、両国は常に互いに助け合いながら克服した」と指摘して両国の友好関係を強調し、歴史問題で中韓が共同で日本に向き合う必要性を訴えた。

　習主席は豊臣秀吉による朝鮮出兵（１５９２～９８年）を取り上げて「両国国民はともに外敵を追い払い、ともに戦った」とたたえながら「明の武将、トウ子竜と李氏朝鮮の将軍、李舜臣（イスンシン）は、ともに戦死した」と紹介した。

　習主席は前日の中韓首脳会談で、来年の抗日戦争勝利と朝鮮半島の「光復」の７０周年で中韓共同の式典開催を提案している。

　一方、北朝鮮の核問題では「朝鮮半島の核兵器に反対する。核問題を含む全ての問題が平和的に解決される よう望む」と改めて訴えた。また朝鮮半島の統一にも言及し、「南北が力を合わせて関係改善を推進すれば、朝鮮半島の自主的な平和統一が必ず実現するだろ う」と指摘、米国を排除した形での統一の必要性を訴えた。