「開設1周年」にレンズの写真を載せました。
このレンズを見て、カメラ名を当てられた人は相当な人です。
このカメラです。
カメラ名は、コダックレチナII(#142)です。
#のついた3桁の番号は、シュツットガルトタイプナンバーと呼ばれる、コダックレチナ社内の型式番号です。
特徴は型式番号のIIを丸で囲んでいること。
資料によると1937年から1939年まで製造された、何と70年前のカメラなのです。
II型はちょっと複雑なのですが、細かく分けると#が付いている機種として4種類あり、戦前型が2種、戦後型が2種なのです。さらにレンズとシャッターが数種類ずつあるため、レチナの分類は非常に複雑になっています。このあたりは参考書をご覧ください。
レンズは Ektar f3.5 F=5cm
これは有名な米国製のEktarではなく、ドイツ製。たぶんSchneiderのXenarのOEM品と思われます。このレンズ製造番号から見ると1937年製と言えそうです。
もちろんレチナはフォールディングカメラですから、このように折り畳めます。
裏蓋には、格好良い字体でRetinaの文字が押されています。
さらにふたの内側には、昔のコダックのフィルムのCMが。
パナトミックといえば、むかしは超微粒子フィルムとして売られていたような記憶があります。今は航空写真用として名前が残っているようです。
このカメラは、なんと距離計連動しています。
私の個体は、かなり二重像は薄くなっていますが、まだ動いています。
またシャッターは1/500秒までついています。
70年前のカメラに、こんな技術が組み込まれていたとは驚きです。
レチナはすばらしいカメラです。この時代ですでに35mmフィルムカメラの基本的な機能は完成されていたのですね。
参考書:
・カメラレビュー クラシックカメラ専科34「ローライ二眼レフヒストリー、レチナのすべて」
朝日ソノラマ社 1995.9
・レチナブック 片山良平編 朝日ソノラマ社 1999.9
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