平成20年度第三回漢検一級、（九）故事・成語・諺問題 ～その壱～

　（九）も全部で十題。このうち、故事などの問題文が、丸丸全文漢検漢字辞典の見出し語になっているのは、四題しか有りませんでした。

蝸牛角上の争い。　痘痕も靨。

我が身を抓って人の痛さを知れ。

尺蠖の屈するは以て信びんことを求むるなり。

　しかも、このうち、痘痕は熟字訓・当て字ですから、難しい部類です。で、残りの六題のうち、書き取りを求められている傍線部分ならば見出し語になっているのは四題です。

社稷　　搦め手　　薫蕕　　御諚

　以上が全部出来れば、八割で合格となります。そして、残りの二題ですが、

一簣に十たび起つ。

積毀骨を銷す。

　完全征服の四字熟語問題に、一簣十起があり、遣っていれば出来ます。一方、「セッキ（積毀）」は、完全征服にも出ていません。これは難しいと思います。恥ずかしい話、想像力がないもので「石器」と書きました。

　三省堂の「故事・ことわざ辞典」によると、史記「衆口金を鑠かし、積毀骨を銷す」と。また、やっと、漢検四字熟語辞典を見つけ出しまして、積毀銷骨を探しましたが、一簣十起のようには、載ってなかったです。漢検一級としては、難問でしょう。