Pieces of My Life♪ ニューヨーク近郊の暮らし

子育て専業主婦から脱出!ニューヨークで医療従事者しながらコロンビア大学大学院在籍。ニューヨークのお弁当も頻繁に更新中。

研修医の練習台になってみる

2014-05-25 | 2人育児

はい、ER(緊急救命室)での話。

ERは3度目。

なんか汚らしいイメージがあって、ERはあんまり好きじゃないんだけど、
そんなこと言ってられない。

待ち合いで、ぼけ~っとダラ~っと座って待っていた、
病人本人なのか、付き添いの人なのか知らないけれど、
そんな人たちが、
血塗れの腕を頭上まで上げたアジア人が入ってきたら、
皆、背筋伸ばし出して、興味津々の顔して見てた。

即効で尿検査(血が滴る中・・・)。
問診と痛み止め3錠も飲まされて、骨まで切ってないかのレントゲン。

レントゲン室までの道のりで、
ERに担ぎ込まれベッドに横たわり、
順番待ちをしている患者が50人くらいいたんじゃないかと思う。
(なんでこんなにいるのか不思議)
皆、5~6時間待たされ中と不満だらけだった。

やっぱり家に引き返そしたほうがいいか・・・と本気で考えた。

念のため破傷風の予防注射も受けさせられる。

その後は待ち時間無く、ERの中にあるUrgent Care Room(応急手当室)へ。
こんな血塗れの人を待ち合い室で待たせるわけにはいかないんだと思う。
(汚らしいし・・・)

州や街によっては、
Emergency Room(緊急救命室)と、
Urgent Care Room(応急手当室)と、
施設が全く違うところもあるようだけど、
この病院は、ERの中にUrgent Careがあるよう。

バタバタとがに股やって来た若いジューイッシュの女性。
「すぐ私が診ますから。」と言うので、
「あんた何者?」と聞くと、
「研修医です。」とジューイッシュ。

研修医かぁ・・・。
相当な覚悟が必要・・・(汗)。

彼女の一生懸命だけどドキドキしている様子がよく分かる。
「なんで医者になろうと思ったの?」
「ERで研修してんの?」
「どこの医学生なの?」
「何時まで仕事なの?」
などなど、自分の指そっち除けでいろいろ聞いて盛り上がる。

指導医師がやって来て、
研修医がチェックしたことを、またもう一度チェックしていき
正直、二度手間ではある・・・。
この医者は美人だけど、言葉もガラも相当悪い。
ERとか外科の医者はそんな感じが比較的多くて、
私としては心地いい・・・。
言葉も丁寧じゃなく、選ばなくていいし、
お互いズケズケ言って問題ない雰囲気が好き。


ともあれ、とに角触られると(空気が当たっただけでも)痛いので、
指に麻酔をし、
感覚がなくなったところで消毒、
縫えそうな部分を縫い合わせ、
血を止めるという流れ。

その指に打つ麻酔が、
「信じられないくらい痛いから、それだけは覚悟してよ。」と女医。
血管も細い上に肉もないから、
相当痛いらしい。

結婚指輪が邪魔なのだけど、あれを何とかしなくてはいけないと、
奥で医者たちがヒソヒソ話しているのが聞こえてきた。
もうずっと外してなくて、外れないと思っていたけれど、
切断されては困るので、
必死で外す(外れたっ!)。

で、指の付け根に麻酔を先ず一ヶ所。
「大丈夫?」と効かれて、
「結構大丈夫。」と私。
前々から思ってはいたけれど、
私、針の痛みには強いほうだと思う。

女医:「やるじゃない!指の注射は皆、のたうち回って痛がるのに!」
私:「こんな程度の痛みは序の口。」と言うと、
研修医がしてみたそうな顔していたのが分かったので、
私:「やってみたいの?」と言うと、
女医と研修医とで、「させてもらえるの!」みたいな輝いた顔して、
練習開始。

で、麻酔薬を指に入れすぎて、カエルの鳴嚢(鳴き袋)みたいに膨れ上がる。

その後消毒。

まだまだ血が止まらない。
ピューッとホースの先から水が出るみたいに出る。
こんな末端なのに、なんと勢いの良いことか!
「血管って凄いなぁ」と感動して眺める私。

肉片はないけど、無理矢理にでも縫合して閉じないと血が止まらないということで、
無理矢理縫い合わせる。
女医、針を通す肉が掴めず、グサグサグサグサと一苦労。
「見ないでくれ。あっち向いといて!」と言われるが、自分の指だもの見ないわけにはいかない。

私:「あんたもやってみたい?」と研修医に言うと、
「やらせてもらえるんですか?」と言う感じで、
女医指導のもと初挑戦。

女医と研修医と私が覗き込んで見ている中、
グサグサグサグサ、グサグサグサグサ・・・・・・。

何回針刺しとんねんっ!!
もうグチャグチャやんけっ!!

と突っ込むほどグチャグチャになってた。

無理矢理縫合したものの、相変わらず出血が止まらない。

研修医が私の腕をずっと上にして支え、傷口を圧迫して待つこと30分。
血が止まる様子がなく、
このまま病院で待っていても仕方がないので、
布に薬が染み込んであり、
それ自体が「カサブタ」の役目をし、
無理矢理血を止めるもの(戦場でよく使うらしい)
を貼り付け、
ガーゼと包帯巻いて終わり。
こんなことだったら、
最初っから縫わずに、この布使えば良かったんじゃないの?
とか思ったけれど・・・。


「血が止まるまで家で頻繁にガーゼの交換をすること。」
「腕を常に頭上に上げたままにしておくこと。」
「寝るときも、手を上げて寝ること。」

と、そんなムチャな支持を受けて帰宅。

寝るときも手を上げたままって・・・(汗)。
どうやって?

どっちにしても肉が無くなっているし、
針でグチャグチャにしたし、
縫合したところがつるし、

ということで、
物凄~く強い痛み止めを処方されるも、
どういいうわけか、こういう痛みは耐えられるので、
飲まずに過ごしてる。
体内から来る鈍痛(特に頭痛)のほうが苦手で、
こっちは直ぐ痛み止め飲むんだけどね。

2日後のチェックでも、
血も止まり、化膿もしておらず、経過良好に見える。
でも、傷口の状態は、例の布がくっ付いて剥がれず(カサブタ化してる様子)、
全く見えず。
医者も触れたがらず。
今後は、「手」専門の病院に回された。

「手」専門の病院だって!!
手を切ったり、爪がウゲたりした人たちばっかりがいるのかな?
「手」だけの医者で生計が立つのかな?
と、なんか興味湧くわ~(ワクワク)♪

そんなこんなでした。

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コメント
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