
読んだ…読み切ったぜぃ‼
以下、ネタバレあり‼
なんか途中からずっと、既読感があったのですが…アレですか、観念としての性交とか妊娠って、春樹さんの今までの作品に出てたんすかね。
あと、牛河氏が死んでしまったのは、意外に残念だった。
あんなに誰からも好感を持たれないキャラとして描かれてたのにね。
なんだかんだあったけど、これって結局天吾と青豆の、愛の物語だったって事なのかなぁ…
まぁ無事にハッピーに終わったのは、ほっとしたけどさ。
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谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫 た 28-2) |
谷崎潤一郎 | |
集英社 |
なんか乱歩っぽい!
と思ったら、乱歩が谷崎に影響を受けていたのですってね。
乱歩以前に、このようなほの暗く怪しく艶めかしいミステリを書く方がいらっしゃったのですね!
スーテーキーでーすー。
短編集なので物足りないのですが、それでも空気感抜群です。
個人的には、柳湯の話が好きかなー。
谷崎純一郎を見る目が、少し変わりました。むふっ
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ねらわれた学園 (講談社文庫) |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
ジュブナイルSF小説の王道(でヨイのかな)、『ねらわれた学園』 でございます。
何度も映像化されているらしいでございますが、今更初読みでございます。
以下、ネタバレあり!!!
読み応えがさらりとしていると感じてしまったのは、もう私が少女ではないからなのでしょうか。。。
テーマとか設定とか結構壮大なのに、なんかあっさりしてるっていうか。
まぁだからこそ何度もリメイクされるのかもしれないけど。
なんだろなー、だって京極氏あっさり 「僕は未来から来ました。これこれこういう理由により、過去を変えます」 って言っちゃうし。
超能力も最初っからハッキリ超能力だし。
もっと 「なんなの?えぇ?なんなの?!」 って感じかと思ってたので。。。
その辺の含みが、さらけ出過ぎてるんだよねぇ。
と感じる、と。
しかしまぁこれが1973年に刊行されている事を考えるに、当時はずいぶん衝撃的だったんでしょうな。
「えぇ?!超能力ぅ?!わっ、すご!!こわ!!」 みたいな。(←なんか感じ悪くなっちゃったけど、悪意ないっすよー)
そうか、この話って時代が経っても、なんかこねくり回す事できるんだ。
自分の頭の中で、自分の好きなように。
そこが面白みなのかも。むふ
そうかーーーー。。。(←なんかハマッたらしい)
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悼む人〈上〉 (文春文庫) |
天童 荒太 | |
文藝春秋 |
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悼む人〈下〉 (文春文庫) |
天童 荒太 | |
文藝春秋 |
うーんうーんうーん、なんか不思議な話だったなー。
『悼む人』 は 『悼まずにはいられない人』 なんだよね。
宗教とか思想とか哲学とか、ではなく。
ただ 『悼む』 と。
だから誰かの救いになったりもすれば、嫌がられたりもする、と。
うーん、でもこの悼む人って、不健全じゃないかなぁ。
いや確かに読んだ後は救いを感じましたよ、物語に。
でもよくよく考えてみると、なんだか不健全だなーって。
多分物語の中でもそうだったように、悼む人をどう感じるかは人それぞれだしそれでイイって事なんだろうから。
まぁ私の中では、悼む人は不健全な人って事に落ち着いてしまいそうです。
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往復書簡 (幻冬舎文庫) |
湊 かなえ | |
幻冬舎 |
大人気、湊かなえ氏でございます。
この本も、中の1話が映画化ですな。
熱いゼ、湊かなえ。
この人の本はいつもダークネスなので、ちょっと今の気分じゃないけどなぁと思いながら読んだところ、意外にサラリでした。
まぁそれが賛否両論を呼んでいるようですが。
一応ミステリっぽい展開もあり、最後は「おーそうだったのね」というネタばらし的なものもあり。
そのオチが衝撃的なものではなく、むしろ爽やか、いやハピネスですらあるのです。
意外~。
以下、ネタバレあり!!!
10年後の卒業文集は、えっちゃん@千秋と見破る方法が、どこか途中にあったのでしょうか?
途中、不穏になりかけたけど、ラストは爽やか~。
20年後の宿題は、ちょっと強引ではなかですか。
リえ@りえってのが。。。
まぁ手紙だからできる仕掛けだったのかしらん。
えーと、あと遠距離恋愛の話は…なんだっけな
微笑ましかった事くらいしか覚えてないぞ
ラストはまぁハッピーなんですが、あれって時効すぎてたってこと?
とまぁそんな感じで。
読みやすさは相変わらず。
ダークネスじゃない湊氏も期待ですよー。むふふ
もちろんダークサイドも。
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僕のエア (文春文庫) |
滝本 竜彦 | |
文藝春秋 |
ネガティブ・ハッピー・チェーンソーエッジが割と面白かった記憶のある滝本氏です。
ずっと書いてらっしゃらなかったんですね?
設定と文体はラノベ的ですが、これはエンタメ的作品ではないと思う。
以下、ネタバレあり!!!
そうそう滝本氏ってこういう文体だったよなー。
ネガティブにハイテンションだぜこの野郎!って感じ。
エアの言動、峰岸さんの禅的恋愛観(?)、この世はすべて幻覚だと思っちゃえばイイんだぜという世界観、どれもこれも独特で。
めくるめく滝本ワールドですたい。
が、エアの消え方とか唐突じゃないすか。
オチもついてんだかどうなんだか。
軽いぜコンチクショウ的文体に惑わされますが、これって実は暗~~~~い私小説的な感じなんだろうか。
エンタメ的小説ではなくて。
うむ、そうなのかもしれない。
そうか、新しい形の純文学なんだね。
きっと100年後とかに称賛されちゃったりするのかもね。
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デパートへ行こう! (講談社文庫) |
真保 裕一 | |
講談社 |
閉店後のデパート、暗闇でそれぞれの思惑を持ってうごめく人たち。
それぞれまさか自分(と警備員)以外に人がいるわけないと思ってるんだろうから、そりゃあもうドタバタ喜劇の予感。むふふ
読後、私も閉店後のデパートに、しのんでみたくなりました。
まぁ現実的に考えると、いくら老舗旧体質のデパートだからって、社員はともかくあんなに人が潜り込めるわけないと思うんですがね。ぷぷ
以下、ネタバレあり!!!!
あまりに細切れに読んだせいか、クライマックスの人の動きとオチを把握しきれず…うぅ
結局だれがどうなったんだ!
生き字引の警備員のかーちゃんの伏線って、どっかにあったっけ???
佐々岡はどうなったんだ!
真クンはどう動いたんだ!
なんで手を怪我してたあのおっちゃん(名前忘れた)は、ああもすんなり外に出られたんだ!
まほさん(だっけ)は結局どうなったんだ!(←内容忘れすぎ)
……一気読みをお勧めします。
もっかいページめくって、色々確かめようっと。
あ、佐々岡がイケてなかったって事と、どこかに忍ぶ時はトイレの事まで考えておかないと、という事はしっかり理解できました。
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天地明察(上) (角川文庫) |
冲方丁 | |
角川書店(角川グループパブリッシング) |
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天地明察(下) (角川文庫) |
冲方丁 | |
角川書店(角川グループパブリッシング) |
難解な数学(算術)をモチーフにしつつ、数学が苦手な人でも楽しめる。
っていう話ではないのかも。
いや、もちろん楽しめるんだけど、別にそういう話じゃないっていうか。
現にワタクシ、算術部分は読み飛ばし。なは
暦の成り立ちやそれぞれの計算方法の違い、編み出し方も全く理解せず。なはなは
ただただストーリーを、流れだけを楽しんだのであります。はい。
どんだけ裾野の広いエンターテイメントなんだよ。
っていうね。
以下、ネタバレあり!!
さてさてお話はもう、江戸時代に新しい暦を作るって、それだけなんすよね。
言ってしまえばね。
暦がずれているという事、暦が変わるという事をあんま実感として理解できないのですがね。
その辺りは丁寧に書きこまれていますよ。
むしろ、実際に改暦するくだりは全体の1/4くらいなのかな。
おことちゃんが死んじゃったのは、哀しかった。
すんごいイイ子だったのにねぇ。
あんなに前ふりの長い話を、いったいどうやって映画化しているのか。
気になりますな~。
皆さんキャラが立ってるし、面白くなるんじゃないかなぁ。
どうでもイイけど、岡田君ってへなちょこ(でも実は色んな意味でスゴイやつ)侍の役多い?
『花よりもなほ』でもそうだったし。
ってそれだけか。。。
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困ってるひと (ポプラ文庫) |
大野更紗 | |
ポプラ社 |
ある日突然 『難病』 になってしまった、大野更紗さんの闘病記ではない難病エッセイ?です。
ユーモアたっぷりに書かれているので読んでてふと笑っちゃったりするんですが、凄まじいですよこりゃ。
触れられただけで痛いほど腫れてしまった手足とか、麻酔なしで筋肉を切除されるとか、激痛で関節を曲げられないとか、やっぱり分からないもの。
多分想像してる100倍、しんどそう。
理解されにくい難病とか、見た目で分からない症状とかもあったり、本当に孤独で大変(と言うのすら何か他人事で軽いよな)だなぁ。
でもなんか 『健気に頑張ってます!!』 っていうんじゃなくて。
死にたいとか辛いっていうのもさらっと書いちゃってたり、弱音も吐いてたりして、でもそれも笑いも交えてみたいな。
ブログっぽい感じです。
『涙なしには読めない感動の闘病記!』っていうのとは全然違う(泣いたけど)んだけど、なんかちょっとだけ 『うーむ、なんか自分も頑張らなくっちゃなぁ』 という気持ちになっちゃう1冊でした。
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厭な小説 文庫版 (祥伝社文庫) |
京極 夏彦 | |
祥伝社 |
連休中に読むのに、読み応えがあって力のあるお話を読みたくて。
京極さんなら読みごたえは十分、しかもこのタイトル。
そうかそうか、厭な気分にさせてもらおうじゃないか。むふふ
結果、えぇーと、そんな厭な気分でもありませんでした。
これって多分、男の人が読んで厭な小説なんじゃないかなぁ。
途中 「あ~、厭な気分にさせようとしてるなぁ~」 と思っちゃったら、ちょっとおかしくなっちゃった。
あ、これヨイ意味ね。
そういう遊びがあるのが、京極さんの良さだと思うし。
『厭な話祭』 って感じの1冊でした。
あーでも、各話のタイトルの字体は良かった。
あれが一番厭だったかも。むふっ
以下、ネタバレありかも!!!
匂いネタが多かったね。
何ならこすったら匂うシオリとか、付けちゃえば良かったんだよ。
ってのは嘘ですが。
厭な子供は厭だったけど、最後奥さんを犯しちゃうのはいただけない。
あれで何だか一気に醒めちゃった。
せっかく現実か幻か分からん感じだったのに、急に直接的に。
厭な彼女は怖いねぇ。
あんなのとどうやって別れればイイんだ。。。
厭な仏壇は送り返しちゃえば、先祖もまたもとの彼のものに戻るのでは?
でももうあの人の精神は、厭な仏壇に取り込まれちゃってるんだろうねぇ。
厭な老人は…あれはいったいどういう事なのだ?
厭な家はもう危なくて住めないよなぁ。
うむ、つらつらと書いてみただけでも、やはり 『嫌な話祭』 な1冊ですな。むふふ