第43代紫組要領次第

開成高校第43代紫組要領次第係のホームページ。

なりたい人 ヘンリー六世を観て

2010-03-31 17:12:47 | Weblog
今日、「ヘンリー六世」見てきた。
今、帰りの電車。短く書く


ヘンリー六世の陰は薄い、
やさおとこ、として描かれている。
休憩時間隣に座ってたのが縁で話したおばちゃんはそんなことを言っていた。
先日見た母も同じ感想だった。

彼が「グズグズしている(王妃の言葉)」から
こうした混沌が引き起こされた、という解釈はよくわかる。
彼が断固とした態度がとれないことが
諸候の台頭を起こしてしまったんだろう。


ただ、ヘンリー六世、いいやつである。
ひたすらに誠実で真剣である。
死ぬときにリチャードにかける言葉には驚かされた。

こういう美しさは見習いたい。



リチャード(後のリチャード三世)。
汚い、恐ろしい奴、として描かれるのは、
「リチャード三世」と同様。

たしかに、やり方は汚いし、
人は平気で殺すし、
誰一人信頼しないしで、
怖いったらありゃしないが、
目標に向かう貪欲さ、
それ自体は爽快だ。

これも見習いたい。



掃除婦のおばちゃんたち。
もくもくと掃除し
王候貴族に追い立てられても焦ることなく
立ち回る姿
人生の悟りとはこういうものなのかもしれない
と思った。



全体として、人が殺しあうだけの戯曲で、
そのせいか、

なんのために生きるか
どうやって生きるか

言い換えると、死ぬまでにしたいこと
そんなことを考えさせられた。

ヘンリー六世も
リチャードも
おばちゃん達も

全員かっこよかった。



なりたい人。
演劇、という虚構とは言え、
そんなモデルをさまざま呈示させられた気分だ。


ヘンリー六世。
始めから終わりまで、
なんと八時間三十分。
それの感想である。

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