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偉大で美しいアメリカが終わり、醜いアメリカが始まった

2015-07-27 12:35:15 | 受けとめる力
1947年、アメリカ議会がハリウッドの映画人の思想調査に乗り出した。
聴聞会で憲法の保障する思想の自由を楯に証言拒否をするだけで犯罪とされ、刑務所へ送られた。
1950年、上院議員ジョセフ・マッカーシーの猛烈な“アカ”攻撃の演説が火付け役になり、アメリカ全土がマス・ヒステリー状態におちいった。
米ソ冷戦のただ中。
ローゼンバーグ夫妻がスパイ容疑で逮捕された。
朝鮮戦争が勃発した。
映画監督エドワード・ドミトリクは密告者となった。
民主主義とアメリカンドリームの偉大で美しいアメリカが終わり、醜いアメリカが始まったと、映画評論家の川本三郎さんは捉えた。
川本さんが10代の時に感動した映画を作った監督が権力に協力した「密航者」であることを20代になって知った。
そこから、映画評論家の川本さんが誕生した。
「密航者」の存在を知って、彼の映画を見る目が変わったのだ。
権力に抵抗した者、権力に協力(妥協)した者。
丹念に彼らのマイナーな小品まで見ていった。
「映画の戦後」川本三郎著
1950年代のマス・ヒステリーの時代のアメリカとその後のアメリカは何も変わっていない。
ニクソン大統領はマッカーシーの同僚として当角をあらわした。
アメリカの戦後は、どのような映像的深まりを帯びて示されたのか?

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