YAHOO ニュースにも下記のような記事を取り上げていました。
こういうの読むと「酒場」に行きたくなりますね。
当方はBSもCSも受信してないので、見たことはないのですが…。
大人がハマる「新・月9」、吉田類の秘密
東洋経済オンライン 5月14日(木) 配信
•
長寿番組となった「吉田類の酒場放浪記」(BS-TBS HPより)
30~40代の中間管理職ともなれば、増えてくるのが、夜の会食の数。ところが接待の相手が目上の方だったり、重要な取引先だったりすると、ずっと気を張りっぱなし。食事を楽しむどころではありません。そういう人たちを思いっきり酔わせてくれる番組があるのをご存じでしょうか。
先日も女子会でこんな話になりました。
「会食って疲れるよね」
「せっかく高級な店に行っても、ご飯の味を全然覚えていないこともあるよね」
「私なんか、家に帰ってから吉田類を肴(さかな)にひとりで飲み直すこと、あるもん」
「やっぱり? 私もよくやる!」
吉田類を肴にってどういうこと? という読者の方もいらっしゃるでしょう。今回は酒好きが愛してやまないディープな番組の話です。
■ 11年で、累計662回!
「吉田類の酒場放浪記」(毎週月曜夜9時放送 BS-TBS)は今、最も人気の高いBS番組のひとつです。
「酒場という聖地へ、酒を求め、肴を求めさまよう…」というキャッチフレーズのとおり、大衆酒場に造詣が深い吉田類さん(酒場詩人)が、毎回、首都圏各地のレトロな居酒屋を訪れるという番組です。
番組は2003年9月の放送開始から、じわじわと人気を集め、今年で11年目に突入。5月11日の放送で662回を迎えました。
当初は15分でひとつの店を紹介するミニ番組として放送されていましたが、現在は、1本の新作に3本の再放送を加え、15分×4段積みの1時間番組として放送されています。
かつて月9といえば、フジテレビ系列のトレンディードラマの代名詞でしたが、今や酒飲みの間で「月9」といえば、「吉田類の酒場放浪記」。独身、既婚者を問わず、幅広い層の酒好きに支持されています。その人気の理由を探ってみると、自宅で「酒場」の雰囲気を味わうためにこの番組を使っている人が多いようなのです。
女性だけが集うSNSには、こんな書き込みが見られました。
「週の初めで、つい質素になりがちな夕ご飯でも、この番組を肴にビールが飲めます」
「月曜夜9時は自宅が酒場になります」
「お父さんが好きで、ついつい一緒に見ていたらハマった! この番組を見ながら、晩酌をするのが好き」
「吉田類の酒場放浪記」を見ていると、確かに自分がその場にいて飲んでいるような気分になります。手元のつまみは質素でも、画面の中の料理はおいしそう。15分番組の4段積みですから、紹介されるお店は4店。画面上に料理と酒が次々に出てきます。
■ 再放送でも新鮮に見えるワケ
たとえば、5月11日の放送では、次のような酒と料理が!
どうでしょう。何とも豪華な気分になってきませんか。
筆者が感心したのは、再放送の編成の仕方。なぜ再放送なのに、新作のように見えるのだろうと思って調べてみたら
・住吉「大衆割烹 大野屋」(2012年5月、初放送)
・東武練馬「春日」(2013年5月、初放送)
・新小岩「おばこ」(2014年5月、初放送)
というように、再放送はすべて5月に初放送されたもの。このように季節を合わせれば、吉田類さんの服装も、町の雰囲気も、旬の食材も変わらないので、違和感なく見ることができます。
この番組の大半は酒場の雰囲気と吉田類さんを映した映像で構成されています。
毎回、町の名所を1カ所紹介した後、大衆酒場ののれんをくぐります。まず初めの1杯を頼んでから、お客さんたちと乾杯する、というのがお決まりのパターン。今や吉田さんは酒飲みの間では大スターですから、「会えてうれしい」とはしゃぐおばちゃんたちも。
■ 男性の聖地をのぞき見る楽しさ
吉田さんは、夕方の5時ぐらいに店を訪れることも多いのですが、外はまだ明るいのに、常連さんたちはすでにほろ酔い。しかも、ものすごく楽しそう。何だか、昭和を生き抜いてきた方々のたくましさみたいなものを感じるのです。
酒場にいるおじちゃんやおばちゃんたちを見ていると、仕事でクヨクヨ悩んでいる自分が何ともちっぽけに思えてきます。
この雰囲気を直接味わってみようと、番組ファンの中には、酒場を巡礼する人たちもいるようですが、一見さんでこうした店に入るのにはまだまだ勇気がいります。特に女性には敷居が高いのです。
筆者も一度、番組ファンの間では聖地と言われている吉祥寺の「いせや総本店」に入ってみようとしたことがあります。2003年、第1回目の放送が、この店だったからです。
週末の夕方ごろ、JR吉祥寺駅の公園口を出て、西へ向かい恐る恐る外からのぞいてみると……お客さんは全員男性! タバコもくもく、焼鳥もくもく。とにかく、もくもくなのです。しかも常連さんっぽい人ばかり。店の中にひとりも女性はいませんでした。
さすがに女独りであの空間に入ることはできず、断念。結局、テイクアウトで焼鳥を買って、近くの井の頭公園で食べたのでした。
「私の夢は、博多あたりの屋台や立ち飲み屋で、偶然、ご機嫌な吉田類さんと居合わせて、乾杯してもらうことです」とネットに書いていた女性ファンがいらっしゃいましたが、その気持ちがとてもよくわかりました。
酒場というのは、やっぱり男性の聖地。あの空間に、女性独りで入っていくのは、本当に勇気がいるもの。だからこそ女性たちは、「店には入れないけれど、雰囲気だけでも味わいたい」と「吉田類の酒場放浪記」を見ているのかもしれません。
■ 「おじさん独り」のほうがリアル
「吉田類の酒場放浪記」のヒットをきっかけに、BS各局で酒場番組が数多く放送されるようになりました。一時は、番組欄が「酒」だらけだったこともあります。
酒場番組が次々と生まれては消え、生まれては消える中で、生き残っている番組にはひとつの共通点があります。それは、出演者が、男性独りだということ。しかもホンモノの居酒屋の専門家です。
「吉田類の酒場放浪記」とよく比較される、「ふらり旅 いい酒いい肴」(BS11、毎週水曜夜10時放送)も、出演者は太田和彦さん(居酒屋探訪家)だけ。太田さんも全国の居酒屋探訪歴30年の第一人者。毎回、食通だけが知る地方の有名店を紹介しています。
「吉田類」と「太田和彦」の後を追って制作された酒場番組の中には、有名俳優やタレントが出演されていた番組もありました。ところが残念ながら、どれもそんなに話題にはなりませんでした。出演者がたくさんいると酒場を疑似体験する番組ではなく、トークショーになってしまうからです。酒場番組ファンは、酒場を疑似体験したいわけですから、トークショーには食いつきません。
やっぱり酒場番組には、その場に溶け込んでくれるおじさんが独りがいちばん。吉田類さんは途中から酔っぱらって何を話しているかわからなくなっている回もありますが、それもまたリアリティがあっていい。こういうおじさん、酒場には絶対いますから!
吉田類を肴に家で飲んでいると、テレビ番組というのはいろいろな活用の仕方があるのだなと思います。
かつて月9でトレンディードラマを見ていた世代が、BSの月9を見る。バブル世代も年齢を重ね、やっと地に足がついてきたのかもしれません。 (佐藤 智恵)
こういうの読むと「酒場」に行きたくなりますね。
当方はBSもCSも受信してないので、見たことはないのですが…。
大人がハマる「新・月9」、吉田類の秘密
東洋経済オンライン 5月14日(木) 配信
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長寿番組となった「吉田類の酒場放浪記」(BS-TBS HPより)
30~40代の中間管理職ともなれば、増えてくるのが、夜の会食の数。ところが接待の相手が目上の方だったり、重要な取引先だったりすると、ずっと気を張りっぱなし。食事を楽しむどころではありません。そういう人たちを思いっきり酔わせてくれる番組があるのをご存じでしょうか。
先日も女子会でこんな話になりました。
「会食って疲れるよね」
「せっかく高級な店に行っても、ご飯の味を全然覚えていないこともあるよね」
「私なんか、家に帰ってから吉田類を肴(さかな)にひとりで飲み直すこと、あるもん」
「やっぱり? 私もよくやる!」
吉田類を肴にってどういうこと? という読者の方もいらっしゃるでしょう。今回は酒好きが愛してやまないディープな番組の話です。
■ 11年で、累計662回!
「吉田類の酒場放浪記」(毎週月曜夜9時放送 BS-TBS)は今、最も人気の高いBS番組のひとつです。
「酒場という聖地へ、酒を求め、肴を求めさまよう…」というキャッチフレーズのとおり、大衆酒場に造詣が深い吉田類さん(酒場詩人)が、毎回、首都圏各地のレトロな居酒屋を訪れるという番組です。
番組は2003年9月の放送開始から、じわじわと人気を集め、今年で11年目に突入。5月11日の放送で662回を迎えました。
当初は15分でひとつの店を紹介するミニ番組として放送されていましたが、現在は、1本の新作に3本の再放送を加え、15分×4段積みの1時間番組として放送されています。
かつて月9といえば、フジテレビ系列のトレンディードラマの代名詞でしたが、今や酒飲みの間で「月9」といえば、「吉田類の酒場放浪記」。独身、既婚者を問わず、幅広い層の酒好きに支持されています。その人気の理由を探ってみると、自宅で「酒場」の雰囲気を味わうためにこの番組を使っている人が多いようなのです。
女性だけが集うSNSには、こんな書き込みが見られました。
「週の初めで、つい質素になりがちな夕ご飯でも、この番組を肴にビールが飲めます」
「月曜夜9時は自宅が酒場になります」
「お父さんが好きで、ついつい一緒に見ていたらハマった! この番組を見ながら、晩酌をするのが好き」
「吉田類の酒場放浪記」を見ていると、確かに自分がその場にいて飲んでいるような気分になります。手元のつまみは質素でも、画面の中の料理はおいしそう。15分番組の4段積みですから、紹介されるお店は4店。画面上に料理と酒が次々に出てきます。
■ 再放送でも新鮮に見えるワケ
たとえば、5月11日の放送では、次のような酒と料理が!
どうでしょう。何とも豪華な気分になってきませんか。
筆者が感心したのは、再放送の編成の仕方。なぜ再放送なのに、新作のように見えるのだろうと思って調べてみたら
・住吉「大衆割烹 大野屋」(2012年5月、初放送)
・東武練馬「春日」(2013年5月、初放送)
・新小岩「おばこ」(2014年5月、初放送)
というように、再放送はすべて5月に初放送されたもの。このように季節を合わせれば、吉田類さんの服装も、町の雰囲気も、旬の食材も変わらないので、違和感なく見ることができます。
この番組の大半は酒場の雰囲気と吉田類さんを映した映像で構成されています。
毎回、町の名所を1カ所紹介した後、大衆酒場ののれんをくぐります。まず初めの1杯を頼んでから、お客さんたちと乾杯する、というのがお決まりのパターン。今や吉田さんは酒飲みの間では大スターですから、「会えてうれしい」とはしゃぐおばちゃんたちも。
■ 男性の聖地をのぞき見る楽しさ
吉田さんは、夕方の5時ぐらいに店を訪れることも多いのですが、外はまだ明るいのに、常連さんたちはすでにほろ酔い。しかも、ものすごく楽しそう。何だか、昭和を生き抜いてきた方々のたくましさみたいなものを感じるのです。
酒場にいるおじちゃんやおばちゃんたちを見ていると、仕事でクヨクヨ悩んでいる自分が何ともちっぽけに思えてきます。
この雰囲気を直接味わってみようと、番組ファンの中には、酒場を巡礼する人たちもいるようですが、一見さんでこうした店に入るのにはまだまだ勇気がいります。特に女性には敷居が高いのです。
筆者も一度、番組ファンの間では聖地と言われている吉祥寺の「いせや総本店」に入ってみようとしたことがあります。2003年、第1回目の放送が、この店だったからです。
週末の夕方ごろ、JR吉祥寺駅の公園口を出て、西へ向かい恐る恐る外からのぞいてみると……お客さんは全員男性! タバコもくもく、焼鳥もくもく。とにかく、もくもくなのです。しかも常連さんっぽい人ばかり。店の中にひとりも女性はいませんでした。
さすがに女独りであの空間に入ることはできず、断念。結局、テイクアウトで焼鳥を買って、近くの井の頭公園で食べたのでした。
「私の夢は、博多あたりの屋台や立ち飲み屋で、偶然、ご機嫌な吉田類さんと居合わせて、乾杯してもらうことです」とネットに書いていた女性ファンがいらっしゃいましたが、その気持ちがとてもよくわかりました。
酒場というのは、やっぱり男性の聖地。あの空間に、女性独りで入っていくのは、本当に勇気がいるもの。だからこそ女性たちは、「店には入れないけれど、雰囲気だけでも味わいたい」と「吉田類の酒場放浪記」を見ているのかもしれません。
■ 「おじさん独り」のほうがリアル
「吉田類の酒場放浪記」のヒットをきっかけに、BS各局で酒場番組が数多く放送されるようになりました。一時は、番組欄が「酒」だらけだったこともあります。
酒場番組が次々と生まれては消え、生まれては消える中で、生き残っている番組にはひとつの共通点があります。それは、出演者が、男性独りだということ。しかもホンモノの居酒屋の専門家です。
「吉田類の酒場放浪記」とよく比較される、「ふらり旅 いい酒いい肴」(BS11、毎週水曜夜10時放送)も、出演者は太田和彦さん(居酒屋探訪家)だけ。太田さんも全国の居酒屋探訪歴30年の第一人者。毎回、食通だけが知る地方の有名店を紹介しています。
「吉田類」と「太田和彦」の後を追って制作された酒場番組の中には、有名俳優やタレントが出演されていた番組もありました。ところが残念ながら、どれもそんなに話題にはなりませんでした。出演者がたくさんいると酒場を疑似体験する番組ではなく、トークショーになってしまうからです。酒場番組ファンは、酒場を疑似体験したいわけですから、トークショーには食いつきません。
やっぱり酒場番組には、その場に溶け込んでくれるおじさんが独りがいちばん。吉田類さんは途中から酔っぱらって何を話しているかわからなくなっている回もありますが、それもまたリアリティがあっていい。こういうおじさん、酒場には絶対いますから!
吉田類を肴に家で飲んでいると、テレビ番組というのはいろいろな活用の仕方があるのだなと思います。
かつて月9でトレンディードラマを見ていた世代が、BSの月9を見る。バブル世代も年齢を重ね、やっと地に足がついてきたのかもしれません。 (佐藤 智恵)
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