医科歯科通信  (医療から政治・生活・文化まで発信)



40年余の取材歴を踏まえ情報を発信

44歳で急逝したノンフィクション作家・井田真木子さん

2014-09-25 12:56:51 | 受けとめる力
取材をすれば相手の心の奥底にまで潜り込み、時に彼らの行動にも影響を与える。
原稿を書けば寝食を忘れ、しばしば栄養失調で倒れてしまう。
命を削るようにして書くと評され、その言葉を体現するかのように2001年3月、44歳で急逝したノンフィクション作家がいた。井田真木子。
井田は対象に客観的に迫るのでなく、彼らの「目」に自分の「目」を重ね、彼らの見たものを書こうとしていた。
「井田さんは取材対象に、今の本当の気持ちはどうなんだと何度も切り込み、その問いは読者の私にも向けられた。
「お前はどうなんだ。逃げているだけじゃないか」と。
だから読むのは恐ろしかった。
でも、気付けば叱咤激励されてもいた。
そうした井田の作品は、「私にとって“切実は本”となっていた。フリー編集者・清田麻衣子さん


----------------------------------

井田 真木子(いだ まきこ、1956年7月19日 - 2001年3月14日)は、日本のノンフィクション作家。

神奈川県生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業。当初は詩人としてデビュー。早川書房勤務を経てフリーライターになる。雑誌のアンカーマンとして多忙を極めていたときに、老芸者を取材したことをきっかけに、本の執筆を始める。
1991年『プロレス少女伝説』で大宅壮一ノンフィクション賞、1992年『小蓮の恋人』で講談社ノンフィクション賞を受賞。口語体を用いて市井の人物たちの横顔を描く革新的なノンフィクションで将来を嘱望されたが、44歳で急逝した。

『プロレス少女伝説』の取材をきっかけとして、長与千種や神取忍とは深い親交があった。また、現在では慣用句として使われる「心が折れる」は、『プロレス少女伝説』にて引かれている神取の発言が初出となって一般に浸透したものである。
没後は全作品が絶版となっていたが、2014年に里山社(清田麻衣子)より著作撰集が出版された。


コメントを投稿