最近(11/16-18)のオバマ米大統領の中国訪問に際して、急速に
緊密化する米中関係からあるいは中国は案外近い将来末日聖徒イ
エス・キリスト教会を合法的な宗教とみなし、門戸を開放するの
ではないか、という予感が頭をよぎった。しかし、少し考えると
他方ではやはりさまざまな問題が山積する以上当分あるいはずっ
と現状を出ることはないのではないか、という思いもする。なか
なか読めない難問である。
オバマ大統領の中国訪問は中国のテレビや新聞で大きく報じら
れ、上海での若者との交流や首脳会談の様子が報道された。これ
までの大統領訪問のときもそうであったと思われるが、オバマ大
統領は特に自分と家族の例を引いてこれからは様々な文化が併存
し、共存する時代になる、と語りかけていた。それを聞いて暗に
宗教・思想の自由をさらに進めることを提案しているように聞こ
えたのであった。
このオバマ大統領の一行を上海から北京とずっと随行して打ち
合わせし、時に耳打ちして中国語の指南をしていたのが在中国米
国大使のジョン・ハンツマンであった。ごく最近赴任したハンツ
マンは前ユタ州知事で末日聖徒である。中国で要人がしょっちゅ
う出席する宴席で彼は酒を酌み交わすことをしない。これは大変
ぎこちない対応となるが、彼がモルモン教徒であることを知らせ
る標識のようなものとなる。あるいは重要な国の大使に配慮して
門戸開放という展開もあり得るのだろうか。そういえば、上海の
地方部大会に来たオークス十二使徒は、中国と教会との問題は楽
観している、と語った。
しかし、オークス長老も認めたようにかつてヨーロッパの列強
が中国を半植民地化した時、キリスト教宣教師が先鋒を務めたこ
とがあって、その記憶を持つ中国は外国のミッションを一切受け
入れていない。一貫して三自愛国運動の精神を受け入れたキリス
ト教会だけを公認してきた。三自とは、牧会、伝道の自立、経済
面の自立を指す。日常の教会運営(教区の指導者、広域の指導
者)は自前で、伝道も外国から派遣された宣教師を受け入れない
で自分たちで行う、外国からの資金を受け入れない、という徹底
した中国独自の自立の制度を敷いていておよそ現在のモルモン教
会のとっている姿とはかけ離れたものである。
一般の末日聖徒は、中国もロシアや東欧のように教会を公認し
西側からの宣教師を受け入れる姿を描いていると思われる。しか
し、上にみたように門戸を開き始めたとしても中国人の改宗者や
中国系の宣教師(あるいは次いでアジアの国々からの宣教師)に
限定したり、教区、広域の牧会の指導者に中国人を望むことが考
えられる。いずれにしても米国や日本の教会員の間に中国のキリ
スト教事情の認識が全くと言っていいほど欠如している。
イスラエルやイスラム諸国ではアメリカと友好的な関係にあっ
ても、モルモン教会は公認されていない。ユダヤ教、イスラム教
と相いれないからである。布教活動は厳に禁じられている。それ
らの国にいる末日聖徒の駐在・居住者に限定された宗教実践(礼
拝など)が許可されている国があるが、中国も現在その形である。
中国は特定の国教を持っているわけではないが、これまで維持し
てきた宗教事情の秩序という点で決してにわかには変えられない
問題であると思われる。
緊密化する米中関係からあるいは中国は案外近い将来末日聖徒イ
エス・キリスト教会を合法的な宗教とみなし、門戸を開放するの
ではないか、という予感が頭をよぎった。しかし、少し考えると
他方ではやはりさまざまな問題が山積する以上当分あるいはずっ
と現状を出ることはないのではないか、という思いもする。なか
なか読めない難問である。
オバマ大統領の中国訪問は中国のテレビや新聞で大きく報じら
れ、上海での若者との交流や首脳会談の様子が報道された。これ
までの大統領訪問のときもそうであったと思われるが、オバマ大
統領は特に自分と家族の例を引いてこれからは様々な文化が併存
し、共存する時代になる、と語りかけていた。それを聞いて暗に
宗教・思想の自由をさらに進めることを提案しているように聞こ
えたのであった。
このオバマ大統領の一行を上海から北京とずっと随行して打ち
合わせし、時に耳打ちして中国語の指南をしていたのが在中国米
国大使のジョン・ハンツマンであった。ごく最近赴任したハンツ
マンは前ユタ州知事で末日聖徒である。中国で要人がしょっちゅ
う出席する宴席で彼は酒を酌み交わすことをしない。これは大変
ぎこちない対応となるが、彼がモルモン教徒であることを知らせ
る標識のようなものとなる。あるいは重要な国の大使に配慮して
門戸開放という展開もあり得るのだろうか。そういえば、上海の
地方部大会に来たオークス十二使徒は、中国と教会との問題は楽
観している、と語った。
しかし、オークス長老も認めたようにかつてヨーロッパの列強
が中国を半植民地化した時、キリスト教宣教師が先鋒を務めたこ
とがあって、その記憶を持つ中国は外国のミッションを一切受け
入れていない。一貫して三自愛国運動の精神を受け入れたキリス
ト教会だけを公認してきた。三自とは、牧会、伝道の自立、経済
面の自立を指す。日常の教会運営(教区の指導者、広域の指導
者)は自前で、伝道も外国から派遣された宣教師を受け入れない
で自分たちで行う、外国からの資金を受け入れない、という徹底
した中国独自の自立の制度を敷いていておよそ現在のモルモン教
会のとっている姿とはかけ離れたものである。
一般の末日聖徒は、中国もロシアや東欧のように教会を公認し
西側からの宣教師を受け入れる姿を描いていると思われる。しか
し、上にみたように門戸を開き始めたとしても中国人の改宗者や
中国系の宣教師(あるいは次いでアジアの国々からの宣教師)に
限定したり、教区、広域の牧会の指導者に中国人を望むことが考
えられる。いずれにしても米国や日本の教会員の間に中国のキリ
スト教事情の認識が全くと言っていいほど欠如している。
イスラエルやイスラム諸国ではアメリカと友好的な関係にあっ
ても、モルモン教会は公認されていない。ユダヤ教、イスラム教
と相いれないからである。布教活動は厳に禁じられている。それ
らの国にいる末日聖徒の駐在・居住者に限定された宗教実践(礼
拝など)が許可されている国があるが、中国も現在その形である。
中国は特定の国教を持っているわけではないが、これまで維持し
てきた宗教事情の秩序という点で決してにわかには変えられない
問題であると思われる。
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