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モルモン教徒のディアスポラ

2009-11-13 01:42:46 | モルモン教関連

[ユタ峡谷大学(UVU), BYUのすぐそばにあって今やBYU以上の意
義を感じさせる]

 中国在住の米ldsについて私が感じた疑問に対する答えと思わ
れる文章を見つけた。それは11月5,6日、ユタ峡谷大学(Utah
Valley University, UVU)で開催されたモルモン学大会(Mormon
Studies Conference)でアーマンド・マウスが述べた解説的講演
の中に出てくる次の言葉である。

 「ユダヤ人の離散を指して使われてきたディアスポラという言
葉は、モルモン教徒にもっと当てはまるのではないか。世界のユ
ダヤ人の二分の一がイスラエルに住んでいるのに対し、末日聖徒
の三分の一しか多くの会員の郷里であるユタ州に居住していない
からである。」

 この大会のテーマは末日聖徒の人口移動全般であって、歴史
的、地理的、社会学的側面から、また面接法による具体的な資料
による研究発表があり、複雑多様な数多くの側面がある。また、
この視座からの研究は始まったばかりである。

 しかし、ディアスポラという語を見て、中国在住の米国教会員
の存在は滞在期間が短いという点があるが、この語が私の疑問
「中国にこれほどの数の米人末日聖徒が存在することをどう受け
止めればよいのか」に答えていると感じた。古代のユダヤ人と同
じように本拠地であるユタ州を出て全米各地、世界各地にモルモ
ン教徒も移住し一定期間、あるいは生涯定住しているのである。
中国に来ているのもその現象(姿)の一部なのであろう。そう考
えると私の疑問はほぼ解消する。

 移住の理由は、現在の場合仕事(経済)、教育(専門的知識
獲得、英語教育など)が中心であると考えられる。

 マウスは、この度の大会テーマ「教会員の人口移動」に関して、
時間軸と教会の規模の点から興味ある比較を試みている。宗教は
キリスト教もモルモン教も、始まりの小さな群れの段階では、周
囲と異なり、周囲の社会と緊張状態にあり、セクトと呼ばれる状
況にある。それが大きくなり、信奉者も増えてくると、社会で認
められ、尊敬に値する宗教となっていく。その過程で周囲との緊
張も和らぎ、教団も社会と協調するようになっている。その時間
の経過は、小さい支部からワードの規模に、そして確立されたス
テークに囲まれた段階に至る。昔はよかった、楽しかったという
声が聞かれるのは、支部の時代、周囲との緊張が大きく、構成員
同士の関係が緊密でそれぞれの働きが重要で充実感にあふれて
いたことによるものである。

 同じ一時点、例えば現在をとっても、場所によっては周囲何十
キロ、何百キロに会員はひとりであることがありうる。その場合
はセクト(以下)の状態に相当し、中国において会員の置かれた
状態を「荒野」と喩える人がいるのも理解できる。

http://www.juvenileinstructor.org/notes-from-the-uvu-mormon-studies-conference-day-1-part-2-armand-mauss/


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3 コメント

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ユタ峡谷大学 (ワサッチ)
2009-11-13 20:44:20
>ユタ峡谷大学(UVU),BYUのすぐそばにあって今やBYU以上の意義を感じさせる

BYUに対してUofUがあってバランスが取れていると思っていました。そのなかにあってUVUの意義って何だろうと思いました。ちょっと気になります。(すみません記事に関係なくて)

でもこの山を見ると望郷の念に強くかられます。私もある意味ディアスポラ?
きっとそんな気持ちを抱いている日本人モルモンが大勢いると思います。
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BYUにとっては気になる存在? (NJ(UVU))
2009-11-13 22:05:11
そうです。以前はUVSCだったか別の名前で、BYUのそばにできた小さな工科系短大のような印象だったのですが、だんだん充実してきてユージン・イングランドが最後をここで教職に就くなどして、この大学が宗教・モルモ二ズム / 思想・哲学方面で研究活動を始め、人材を集めて注目されるようになっています。

私自身もサンストーンの大会に参加したとき、このUVUキャンパスがワークショップに使われるなど、2,3度行って「BYU以上の意義!?」の印象を持ったものです。

ディアスポラと言えば、ハルピンにいる私もそうかもしれません。
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UVU学長にホランドJr (NJ (UVUにホランド))
2010-02-16 11:03:45
UVUは2009年夏ホランド長老(使徒)の息子マシュウ・S・ホランドが学長に就任している。彼はデューク大学で学位(政治学修士、博士)を取得し、BYUで教鞭をとっていた。
(「BYUマガジン」2009年夏季号 p. 56)
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