別冊 よもやまツレヅレ・・・

おもに名古屋と東京の食べ歩き日記。

『Antichi(アンティキ)』(白壁_名古屋)

2010年03月22日 | イタリアン&他(名古屋)
【イタリアン】
http://www.antichi-jp.com/
http://r.gnavi.co.jp/n594602/
(地下鉄市役所駅・久屋大通駅・高岳駅など)

名古屋でも歴史深い一等地に営む、古民家イタリアン。

名古屋城の東側、県庁や市役所をさらに越えて歩き、
市政資料館の近くにお店はあります。

この付近から徳川園にかけては『文化のみち』と呼ばれる歴史深いエリア。

江戸時代には武家屋敷が並んでいた、
「白壁(しらかべ)」地区の一角でもあります。



こちらのお店も築120年におよぶ民家を改装し、
そのレトロな和の空間には、数々の調度品が惜しげもなく飾られて、
絶妙な和洋と新旧の融合を楽しませていただけるひととき。

玄関には季節の生花がダイナミックにあしらわれ、
奥には広々としたダイニングルーム。

勾配の急な木組みの階段を気をつけながらあがれば、
二階は日あたりも良く、襖や木戸で仕切られた部屋の数々。

ご用意いただいた個室にも大型の蓄音器などが飾られて、
生きたことのない時代に、懐かしさが感じられます。


かつては書斎か納戸だったかと思しきスペースは、
ふたりきりで落ち着いて楽しむには格好の空間に

春の足音が嬉しいコースをいただきました。

(メニュー)
・いたや貝のマリネ ラビゴットソース、春野菜のキッシュ
・真鯛と甘夏のカルパッチョ 柑橘ピールとカラスミ
・フォアグラと芽キャベツのポワレ イチゴを添えて
・子羊の背肉のロティ ヤングコーン、アスパラ、牛蒡
・手打ちパスタのパッパルデッレ 地鶏と縮緬キャベツのソース
・アンティキパンと自家製フォカッチャ
・パイナップルとパッションフルーツのカルパッチョ レモンバームのジュレ
・食後のカプチーノ
(お昼のスペチャーレコース5250円也)










食前はほどよい酸味の桜のカクテルから

アンティキパンは、パプリカとガーリックが、
こんがりとくせになる焼き味。

なんといってもフォアグラのクリーミーな口あたりが印象的

子羊の背肉を包む生ハムの味わいとローズマリーの香りは、
お肉料理のアクセントになって、たまらなく美味しい。

添えられたヤングコーンはその大きさにかかわらず、
歯触りがよく、とても甘くてジューシーです。

芽キャベツや縮緬キャベツなどのほどよい苦みも美味しくて、
パスタの平麺にはソースが好く馴染んでいました。

目にも明るいフルーツ満載のデザートは、
爽やかな酸味を口いっぱいにいただけるひと皿

 

こちらのワインは、店長自らイタリアへ買い付けに出かけ、
個性豊かな品ぞろえは、流通では得られないものも多いとのこと。

季節感あふれる食材には、日本人の和の心も忘れずにと、
イタリアンをこよなく愛するお店の思いやりも感じられました。

『うな春(うなはる)』(高岳_名古屋)

2010年03月22日 | 日本料理&鰻(名古屋)
[別冊のみ掲載]

【鰻・ひつまぶし】
[うな春_基本情報]
・住所:愛知県名古屋市東区泉1-7-32
・℡:052-962-8055
・営業時間:11:30~14:30(LO14:00)/17:30~21:00(LO20:30)
・定休日:火曜日(当日祝日の場合営業・翌日休業)
(地下鉄高岳駅・久屋大通駅・栄駅など)

こちらはかつて同名の老舗に通い詰めていた常連客が、
ファンの情熱から、店主のアドバイス頼りに開店したお店とのこと。


もちろん、職人さんがオープンな焼き場に常駐しており、
注文後から捌きはじめ、できたてを美味しくいただけます。

場所は、栄あたりからなら徒歩10分程度、
久屋大通を北上して東へ少し曲がったところ。

店内を入り、カウンター前から眺められるオープンな焼き場、
そして通り側のテーブル席と座敷はいずれも明るい雰囲気。

たまり醤油のまろやかさと、
鰻のジューシーながら香ばしい焼き具合が好くあって、
すこしだけ辛口な、大人の味わいが楽しめます。

特上丼は大きなどんぶり一面に鰻が盛りつけられますが、
空腹の準備がない場合は、上丼でも十分な分量。

吸い物の肝が大きくてフォアグラのような食感、
ご飯と新香もとても美味しい

(献立)
・特上丼
・肝吸
・新香
(税込2835円也)


お店のご対応がとても丁寧で、心地よい空間でした

『千力(せんりき)』(丸の内_名古屋)

2010年03月22日 | 日本料理&鰻(名古屋)
[別冊のみ掲載]

【天麩羅・飛騨牛料理】
(参考サイト)
http://www.gokinjyo.jp/03shop/4263.html
http://nagoya.machikuru.com/a00578/
(地下鉄丸の内駅・久屋大通駅など)

丸の内の桜通りと伏見通りの大きな交差路から、
ひとつ先のブロックを曲がり、さらにふたつほど進んだあたり。

「しお天丼 飛騨牛」と書かれた布が店構えに大きく張られ、
店内はテーブル席が食堂のように並び、きがねのいらない雰囲気


ランチタイムにはサラリーマンやOLで賑わう人気店で、
懐石仕立てに夜のコースをいただきました。

こちらは焼酎など中心に、お酒も充実しています

(献立)
・蛍烏賊と若布の塩和え
・サーモンと大根のサラダ
・鮪とアボカドの葱山葵醤油
・飛騨牛の串焼き
・魚介の茶碗蒸し
・雲丹の磯部揚げ、ペコロスとアボカドの天麩羅
・飛騨牛霜降りロースの石焼き
・塩かき揚げ丼、赤だし
・フランボワーズのソルベ
(おまかせコース3000円也)










抹茶梅酒のロックとともに。

居酒屋でくつろいでいるような気さくな時間ですが、
揚げの加減やお料理の流れは、れっきとした日本料理。

これも店主の心意気でしょうか。

飛騨牛は、お肉の切り口も美しく、
濃厚でジューシーなうまみが凝縮して味わえます。

このお店が面白いのは、天丼もかき揚げ丼も、
お好みで「塩」「つゆ」「みそ」の三種から味を選べること。

みそはもちろん八丁味噌なのが名古屋流ですね。

コースでも、途中で丼と味の種類を訊きにきてくださるので、
そのときの気分やお腹の具合と相談して決められます。

お店のおすすめは、やはり「塩」。

塩かき揚げ丼は、ご飯に特製の塩だれと葱が盛られ、
そのうえにぷりぷりの海老かき揚げがひしめいて

さらりとふられる塩の味も揚げものに好くあって、
お食事がついついすすみます。

お料理のそこかしこにも、
塩だれがほんのりと使われていて、絶妙のあんばいが印象的。

天麩羅がややスパイシーな揚げ衣で薄付きなのも、また美味しい

 

コースは2100円から、
希望の金額をお伝えすれば、おまかせでお願いできます。

コース仕立てのなかの丼はハーフサイズになりますが、
ほんの3000円でもじゅうぶんに満腹&大満足の嬉しい内容でした

[街歩き]文化のみち 其の2(東区_名古屋)

2010年03月22日 | □名古屋さんぽ□
「文化のみち 其の1」からひき続き、
貨幣資料館を経て、徳川園へ向かいます。

 

『白壁・主税・橦木町並み保存地区』を抜けたあたり、
国道19号線沿いの「三菱東京UFJ銀行貨幣資料館」。


もとは栄の広小路通り沿いにあった資料館ですが、
近年の建物の老朽化により、現在の場所へ移りました。




国内外の貨幣を約1万点も所蔵して、展示する貴重な博物館。
ほかに東海道五十三次で著名な歌川広重の版画なども。


日本古来の和同開珎から現代までの代々のコインに紙幣、
家康の千両箱、江戸時代の両替屋を再現した部屋、
世界中のおもな貨幣類なども見学しやすいよう陳列されています。

素材もデザインも様々で、その当時の事情などうかがわれるものも。

なんといっても種類が豊富なので、
考古学や歴史などにご興味のある方にもおすすめ

    

その後、国道を渡り出来町通りを東へ600メートル程進み、
角を少し北上すれば「徳川園」へ。

 

通りの途中には、
美味しいわらび餅で有名な「芳光(よしみつ)」


大人気のうえ売り切れ御免なので、
お立ち寄りの時間が遅くなる場合は事前の予約が確実です。

店内には小さなカフェスペースがあり、お茶とともにいただけます

    

徳川園の最寄り駅は名鉄瀬戸線森下駅、
名古屋駅からは地下鉄栄駅で、名鉄瀬戸線に乗り換え可能です。

黒門をくぐれば、園内はおもに左へ広がる庭園、
右には尾張徳川家の蔵書を公開する「蓬佐文庫」、
そして奥には「徳川美術館」が見学できます。




庭園中央の「ガーデンレストラン徳川園」では、
四季折々にあわせたお弁当なども楽しめます。

もとは尾張藩二代目の徳川光友の隠居所だった屋敷跡に、
現代にはいり再築された大名庭園。

中央に広がる大きな龍仙湖をとりまくように、
豊かな花木、高台からの人工瀧や古風な木橋など、
どちらの角度から眺めても美しく風情ある庭の姿です。






    

[URL]
三菱東京UFJ銀行貨幣資料館
http://www.bk.mufg.jp/minasama/kakawari/gallery/index.html
徳川園
http://www.tokugawaen.city.nagoya.jp/
http://housa.city.nagoya.jp/(蓬佐文庫)
http://www.tokugawa-art-museum.jp/(徳川美術館)
http://www.zetton.co.jp/grt/(ガーデンレストラン徳川園)
文化のみち
http://www.futabakan.city.nagoya.jp/bunkanomichi.html

[街歩き]文化のみち 其の1(東区_名古屋)

2010年03月22日 | □名古屋さんぽ□
名古屋城および市役所と県庁のあたりから、
東方へ2kmほど離れた「徳川園」までの一帯は総称して、
『文化のみち』と呼ばれます。

 

今回はその中央部に位置する、市役所すぐ裏手の、
「市政資料館」からさらに東側の住宅地に広がるエリア、
『白壁・主税・橦木町並み保存地区』と呼ばれる地域。
(※「しらかべ・ちから・しゅもくまち」と読む)

江戸時代には武家屋敷が、
明治以降には政財界人の居所が集まっていた場所。

現在でもその名残は各所にみられ、閑静な高級住宅地として、
気品あふれる独特の雰囲気がただよう街並みです。

(行き方)
地下鉄市役所駅・名鉄瀬戸線東大手駅など下車徒歩
名古屋城より徒歩 など

    

なんといってもひときわ印象深いのは、
レンガ造りの重要文化財でもある「名古屋市政資料館」。

名古屋市政資料館


大正11年に建てられ、
当時は控訴院(現高裁)と地方裁判所を兼ねており、
日本に残る控訴院跡としては最古の建造物だそうです。

現在は名古屋の市政と司法の歴史展示として、
文書だけでなく、立体模型や調度品などの資料館となって、
江戸時代からの名古屋のなりたちや司法制度の変遷などが、
一挙に理解できる充実の内容に。



外観の素晴らしさだけでなく、
バロック調の柱や中央階段、天井にまで張られたステンドグラスなど、
内観もたっぷりと見応えあり。



地上は三階建てですが、
じつは半地下の一階部分への薄暗い階段を下りれば、
独居房や留置場なども見学が可能。

帝国憲法下の司法制度の象徴にも感じられます。

    

市政資料館から東へ進み、国道41号線を挟む住宅街へ。

こちらだけでも辿れば十ヶ所以上の見どころがありますが、
ほんの一部だけ…。

 

旧豊田佐助邸



正門側は洋館造りに、庭園側は日本家屋が組み合わされたお屋敷。
豊田一族の名門です。

 

橦木館

やはり和洋折衷の豪華なお屋敷、1階は可愛らしいカフェに。

 

二葉館(旧川上貞奴邸)


日本の女優第一号といわれる川上貞奴が、
電力王の福澤桃介(福澤諭吉の養子)と同居した居宅を移設復元したもの。





大広間や大廊下など当時の華やかさがうかがわれます。

二階の空き部屋には名古屋に縁のある作家の私物などを展示、
名古屋に生まれた城山三郎氏の、書斎の復元も。


 

主税町長屋門


…ほかいろいろ、
リーズナブルなのに高尚に楽しめるひととき

ゆっくりと歩を進めて、ひとつひとつ、
歴史と文化の流れを感じながらの街歩きにおすすめかと思います。

街歩きは「徳川園」までをめざして「文化のみち 其の2」へ続きます。

    

[URL]
名古屋市政資料館
http://www.city.nagoya.jp/shisei/ippan/siryokan/nagoya00036778.html
文化のみち
http://www.futabakan.city.nagoya.jp/bunkanomichi.html