すばるに恋して∞に堕ちて

新たに。また1から始めてみようかと。

仙台の君へ

2009-05-23 21:49:17 | すばる事
もう、終わりましたわね。
仙台一日目、二つの公演。


ねえ、すばる。

今、君は、何を考えていますか。

楽しかったですか?
笑顔でいてくれましたか?

今日の私は、
君の声が聴きたくて、
笑顔が見たくて、

君のそばに行きたくて、仕方なかった。

今朝の夢、

出てきたのは、君じゃなかったけど、
でも、
思いっきり、拒絶されて、
言葉で貶められる夢だった。

怖くて、怖くて、
震えながら、目が覚めた。

ひとりの朝が嫌なのは、
どうしたって、こんなときだから。

誰かに抱きしめてほしくて、
大丈夫だよって、言ってほしくて、

つい、君に、助けを求めてた。



もうすぐ。

ちゃんと、君の笑顔に会える。
君の声に触れて、
想いを受け取って、
また、暫くを、生きてゆける。

君に逢えたら、

夫の帰国日まで、怒涛の日々がやってくる。

2週間。

その間に、
やっておかなくちゃいけないことが、山積みで。

ただでさえ、今でさえ、手一杯の私に、
それが出来るかどうかは、わからないけれども、

でも、
やらなくちゃ。

ねえ、すばる。

私がちゃんと、生きていけるように、

愛を、
勇気を、
元気をください。



ふふふ。

なんだか、自分で書いてて笑っちゃった。

今日ね、
2歳の男の子を預かったの。

ちょうど、舞音ちゃんと同じくらいだから、
いろんなこと、想像しながら、
観察しながら、預かってたわけだけれども、

あのね。

アンパンマン。

見てたんだ。

大好きなんだよ、
あれくらいのコドモって、
アンパンマンが。

愛と夢と、
勇気と希望をくれる、ヒーローが。

完璧じゃない、
弱点だってちゃんとあるヒーローが。

大好き、なの。

私は、2歳の子供と一緒ね。

怖くなると、
大きな声で、ヒーローの名を叫ぶの。

そう考えると、おかしいわね。



ねえ、私のヒーロー。

明日も、楽しんでね。
いっぱい、いっぱい、笑って笑って、
歌って、踊って、
はっちゃけて、

そしたら、

私も、元気になれそうだから。


愛してる。

私から贈る愛を、
君も、受け止めてね。













コメント (4)
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長編3-2

2009-05-23 08:05:45 | 小説・長編
今日から、愛しい彼は、仙台ですね。

たっぷり笑顔で、
たっぷりはっちゃけて、
たっぷり暴れまくって、
跳んで跳ねて頂きたいな。

そこへ行けない私は、かなり、我慢して、
妄想で遊ぶことにします。

さて、
本日は、長編の続きを。

懐かしくて、せつない恋に戻る彼に、会ってください。

とりあえず、でも、
フィクションで、ただの小説ですから、
無論のこと、実在の人物とは、一切、関係ありませんので、

そこは、お間違えのないように。

お付き合いくださる方は、続きから、どうぞ。


    

携帯電話が着信を告げる。


「ねえ、鳴ってるわよ?」

「放っといてええよ。メールやし」

「誰からか、分かるの? 見なくて平気?」

「知らん。・・・・・・けど、どうせ大したこと、ないやろ」

「そう?」

すばるの部屋。

一人暮らしの、その部屋は、
意外と小奇麗に片付いていて、
それは、
高校時代のすばるからは、あまり、想像できなかった。

「なにしてんの」

座りもせず、立ったままの智香に、
すばるは、声をかけた。

「どこでもええから、座ったら? 今、飲むもん、入れるし」

言いながら、小さなキッチンに立ったすばるは、
慣れた様子で、コーヒーをたてはじめた。

部屋にたちこめるコーヒーの香りに混じって、
かすかに、煙草の匂いがする。

「煙草、吸うんだね」

「ん・・・。まあ、本数は多くないけどな」

智香の知らない、すばるの匂い。

それは、
高校を卒業してからの、2年という時間そのものだった。



智香が高校を卒業して、県外の大学に進学したために、
いつしか、会う回数も、連絡も途切れがちになり、
自然消滅した形の、
すばると、智香。

「今日は、どうしたん? 大学、まだ始まらんの」

マグカップをふたつ、
すばるは小さなガラスのテーブルに置いた。

「すばるだって、まだ、でしょ?」

「ん? 俺んトコは、もう、始まるで。
 講義自体は、まだやけど、初めのややこしい説明のやつが、な。
 学生課やら就職課やら、なんか、ようけ予定に入ってたわ」

「どこも一緒、ね。サークルは? 相変わらず、球入れしてんの?」

「球入れって、バスケのことか。ほかに、言い様あるやろ」

「だって、大学のサークルなんて、ほとんどお遊びに近いじゃない。
 体育会系の、有名どころなら、別だけど」

「相変わらず、口、悪いんやな」

窓を少し開けて、
外の風を部屋に入れる。

暖かなひだまりに、
春風の冷たさが、心地よく流れ込む。

「窓、開けたりして、ええの? 花粉症、治ったん?」

「治っては、おらんけど、な。
 注射、打ってもらうようになったら、前よりはラクになったわ」

「良かったわね。前は、この時期、廃人同然だったものね」

「あのな、おまえ。もうちぃっと、口、直したほうがええで。
 嫁の貰い手、無くなんで」

「ええわ。そしたら、すばる、貰ってくれるんでしょ?」

智香がまっすぐに、すばるを見つめた。


一瞬の間。


智香が、ケラケラ、笑い出した。

「もう! すばる。ツッコんでくれんと!!」

「あ、ああ、すまん、せやって、突然・・・」

「イヤやわ、ツッコミ、下手なんは、変わらんやん」

笑い転げる智香に、

「しゃあないやんけ。慣れてへんねんから」

すばるは、少々、ふてくされた。

「わかった、わかった。機嫌、直そ?」

智香は、すばるのそばに来て、
寄りかかるようにして、顔を見上げた。

「ごめんね、笑ったりして。・・・・・・でも、安心した。
 昔のままのすばるでいてくれて」

「成長してへんって、言いたいんか?」

「まあね、背も、ちっちゃいまんまやし」

「おい」

「うそ。そういうことじゃなくて」

「ほな、なに?」

「そんなに拗ねんの止めて」

「別に、拗ねてなんか・・・」

横を向きかけたすばるの顔を、
智香は、じっと、見つめる。

「そうやって、いっつも、私から顔逸らす、すばるの横顔、
 あの頃、見るの、辛かったな」

智香の言葉に、すばるは応えなかった。

代わりに、
冷めかけたコーヒーを一口飲んだあと、
手近にあった煙草を一本抜き取って、火を点けた。

吐き出された紫煙が、
その匂いとともに薄く広がっていく。

智香は、寄り添うように、すばるの肩に、頭を預けた。

「自分勝手、だったよね。
 忙しくて、新しい生活に慣れるのに必死で。
 すばるがくれたメールに、返事もしなくて。
 ゴールデンウィークも、夏休みも・・・・、ううん、
 帰ろうと思えば、週末だって、いつだって帰って来れるのに、
 そうしなかった。
 すばるや、みんなに、ホントは、会いたかったのに、
 会う機会を、自分から放棄してた。
 すばるは、いつも、優しいメールだけ、くれた、のに・・・」

すばるの手にした煙草が、
次第に短くなってゆく。

「なんで、今日、あそこにおったん?」

煙草を灰皿に押し付け、
すばるは、智香に訊いた。

高校生だった二人が、
休日の待ち合わせに使った公園。

「桜、・・・・・・見たくなって」

高校から少し離れた、大型スーパーの裏。
なんの変哲もない、小さなコドモだって、ろくに遊びに来ないような、
代わり映えのしない公園。

だけど、桜の季節だけ。

そこには、空の青と、
うす紅の花の色が鮮やかに調和して、
広がる春の光とともに、
奇跡のようなスペースが描き出される。

ほんのひととき。

それと分かって、そこに立たなければ、
気づきもしないような風景だけれど。

「桜なんか、どこで見たって、同じやろ」

分かっていて、すばるは、少し意地悪を言った。

「花見やったら、もっと、有名なとこのほうが、キレイやのに」

「そう・・・だよね、可笑しいよね。
 でも、見たかったのは、あの公園の桜、だったんだ」

「なんか、あったんか?」

すばるの言葉に、解き放たれかのように、
智香の目から、涙が溢れ出した。

「ごめ・・・、いや、なんで、涙なんか。
 ・・・泣くつもりなんか・・・」

しきりに涙を止めようと目をこする智香の手を制し、
すばるは、その肩に、手を回して、抱き寄せた。

「泣きたいときは、ちゃんと、泣かんと。
 いつまでも、余計に苦しいだけやぞ」









すみません、いったん、ここまでで。





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