すばるに恋して∞に堕ちて

新たに。また1から始めてみようかと。

意味が、あったんだ

2009-05-05 08:06:44 | 携帯デコメ
おはよう、
すばる。
 
 
雨の朝、です。
 
君はまだ、夢の中かな?
 
仙台、
楽しんでますか?
昨夜も、ブチ上がってくれましたね?
 
君が笑顔でいてくれること、
やっぱり、それが、
私の幸せには
違いなくて、
 
いろいろ…
 
言わずもがなのことを
君に宛てて
書いてしまったこと、
少し
反省してます。
 
 
 
あの、ね。
 
昨夜、遅くになってから
夫から電話が来たの。
 
帰国、出来るって。
一時ではなく
転勤辞令だって。
 
次の配属先は、まだ分からないけど、
でも、
1ヶ月半後には帰れるよって。
 
飛び上がって喜ぶ私の気持ちの裏で、
 
この夏、
君たちに逢えない理由に合点がいった気がした。
おかしいわね。
 
君を愛してるよ。
それは変わらないよ。
 
君の声に、
愛に、
触れたいよ。
 
 
 


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STORY.20 桜、さくら、サクラ 後編

2009-05-05 00:05:38 | 小説・舞音ちゃんシリーズ
舞音ちゃんの続き、です。

あとがき、がわりに、少し。

当初、妄想した私と彼のお花見に、
当然のことながら、舞音ちゃんは出てきていませんでした。

それとは別に、
舞音ちゃんが、両手を広げて、走り寄る絵だけが、
私の中にありました。
そこに、舞い散る桜と、風と、彼の姿が、
アニメのセル画のように重なり、
今回の、お話になりました。

ここのところ、
甘い、甘い、恋愛話から、離れてきているような気も、
しないではありませんが、
数ある妄想小説の中、
こんな変り種なお話があっても、いいのかな、と思ってます。

自己満足のかたまりのような小説に、
貴重な時間を割いて、お付き合いくださっている方々に、
感謝をいたします。

では、

後編を、お楽しみくださいませ。



着替えた彼女が、リビングにやって来たのは、
15分ほどたってからだ。

彼女の姿を、やっと見つけた舞音が走り寄る。

「まーま、おはよごじゃましゅ」

「おはよ、まのん」

舞音にあわせてしゃがんだ彼女。
頬を合わせて、朝の挨拶だ。

「ああ。舞音の着替えだけ、させたって。
 こっちの仕度は出来てるけど、
 舞音の分は、全然、どないしてええんか、わからへん」

「うん。
 さ、舞音、お出かけ、するからね。
 お着替え、しようか。
 『めるちゃん』、どのお洋服がいい?」

「あ!! そうや、『めるちゃん』や」

「え?」

「いや、な。舞音のやつ、この人形、『まりゅちゃん』って、呼んだからな。
 なんや、ちょい、違わへんかなあ、思っててん」

「何回教えても、『まりゅちゃん』なの。
 おかしいのはね、私が『まりゅちゃん』って呼ぶと、
 『ちゃうもん、めるちゃんやもん』って、言い返すの」

「なんなん? それ」

「さあ。わかんないけど」

「へそ、曲がってるな」

「誰に似たんだろうね」

そう言って、彼女は、俺を見て笑った。
こいつ、確実に、俺、やと思うてるわ。

ちゃうやんな。
俺、へそなんか、曲がってへんもん。

せやけど。

日々の、小さな舞音の行動や、言葉。

そんなもんを、こうして、ちょっとずつ共有していく時間が、
俺らを、親にしていくんやろな。






陽だまりの中。
桜の花が、時おり、風に舞う。

はらり、くるり、
くるり、はらり・・・。

花びらやのうて、
一輪の花ごと、舞って落ちる姿は、

花の精が、桜の木から、飛び出すようや。


「ぱーぱ、たべゆ」

舞音が、俺の袖を引っ張った。

「お? おお。
 ほんなら、手をあわせようか」

言われたまま、ちっちゃな手を、合わせる舞音。

「いっただっき、まぁっす」

「いっただっち、まぁっしゅ」

ぺこり、と、小さなお辞儀をして、
おにぎりに手を伸ばす。

「おにぎちしゃん!」

シートに広げたお弁当箱。

おにぎりと、からあげと、ブロッコリーの茹でたやつに、
だし巻卵、ウィンナーに、
ベーコンと一緒に炒めたかぼちゃ。

なんや、定番やけど、
俺に作れるんは、限られてるし、な。

「ぱぱおにぎち、おいちぃ」

ほっぺたに、ご飯粒、くっつけて、
舞音が、にこにこ笑う。

「ほんと、おいしいね。
 ぱぱ、お料理、上手ね」

彼女も、舞音の隣で笑顔になってる。

ふたりの、この顔が見れるんやったら、
休日にお弁当作るくらい、やっすいもんや。



お弁当食べ終わって、
俺は、ごろり、と、身体を伸ばす。

煙草・・・は、あかんな。
舞音がいてる。

埋め尽くす桜の薄紅の隙間から、
空の蒼が、覗く。

「ありがとう」

「ん?」

俺は、顔だけ、彼女に向ける。

「せっかくのお休みだったのに、
 お花見、連れて来てくれて」

「なに言うてるん。
 お花見は、俺がしたかったんやから、ええねん」

「ほんまに?」

「ほんま」

「お弁当、おいしかった」

「すまんかったな、冷蔵庫のもん、勝手に使って」

「ううん、言うてくれたら、私、作ったのに」

「ええねん。
 たまには、俺にも、父親らしいこと、させろや」

「なに言ってるの。ちゃんと、いっつも、父親、でしょ」

「そうかぁ? 俺、舞音の父親、やれてるか?」

「舞音見たら、わかるじゃない。
 あんなに、ぱーぱ、ぱーぱって」

彼女が舞音に目をやった。

視線の先。

少し離れたところで、
なにやら、しゃがみこんでる舞音。

なにしてるん、あいつ。

「舞音も私も、貴方が、大好き、よ」

俺を覗き込んだ彼女の顔が、降りてくる。

阿呆。
照れるやん。



「ぱーぱ! まーま!!」

舞音の声。

身体を起こして、目をやると、

手のひらを握り締めたまま、
腕を広げて、
ちょこちょこ、走り寄ってくる舞音。

あかん、
転ぶ、転ぶ。

とっさに手を差し出して、
舞音を抱きとめる。

「あげゆ」

俺の腕に、転がるように飛び込んできた舞音。

その手の中には。

拾い集めた桜の花びらが、
くしゃくしゃになってた。

「ありがとう、な」

俺は、花びらを受け取りながら、
舞音の頭を、ゆっくり撫でてやる。

嬉しそうな舞音。

「ゆっくり、大きくなるんやで」

こんな小さな出来事の積み重ねがあって、
俺らは、ちゃんと、家族になれるんやな。

記憶の共有。

大人に近づくたび、忘れてしまう、
昔の、
小さな、なにげない日常でも。

親の俺が覚えてたら、
それは、
家族の思い出やんな。

な、舞音。

ゆっくり、ゆっくり、
俺にみせてくれるよな。

お前がオトナになっていく様。

俺らが、家族になっていく様。

いつか、俺が、じいさんになった時、
お前の子供に、話してやんねん。

お前が、どんだけ、やんちゃ、やったか、を。
どれほど大切な、俺の、お姫様やったか、を。

子供が、どれだけ親に愛されて育つもんか、を。

そのために。

ここに咲く、桜の花よりも多く、
お前が笑う記憶を、
彼女がくれる愛情を、
俺の中に刻み込んで、

言葉に変えよう、
声にしよう、
詩に残そう。

それが、お前ら二人に示してやれる、
俺が、俺である証、やから。


一陣の風が、

桜を揺らして、

駆け抜けていった。








  FIN.










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