椿咲く3月は、人事異動の記事が新聞紙上を賑わせております。
人事異動と関わりがなくなって長くなりますが、あの人はどこかに異動しただろうか等
と気にかかるものです。
昨年のこの時期に、「置かれた場所で綺麗な花を咲かせましょう」と投稿しました。
それぞれ綺麗な花を咲かされたことだろうと思います。
今回異動される方も、希望が叶った方、希望通りでなかった方、悲喜交々でしょうが、働ける場を与えていただいたことに感謝して、置かれた場所で綺麗な花を咲かせましょう。
今日は、異動にも、これからの人生にも関係ありそうですので、菊谷先生のメルマガから瞋恚(仏教では怒りの心)を・・。
【今日の仏語】は『瞋恚(しんい)』です。
「なんであの人はああなんだ。」「なんでこいつはこうなんだ。」
と細かいところに気がついて厳しく指摘する人があります。
人が気付かないところまで気が付くのですから職場では有能な「デキる人」なんですが、
歯に衣着せず人を指摘するので、その人のせいで職場の空気が悪くなっている、
そんなケースはよく見受けられます。
もし批判された人の耳に入ったらどうすることかと、聞いててハラハラするような言い方で憤りや不満をぶつけているのですが、そんな人が上司なら部下は萎縮するし、
そんな人が部下になれば上司批判が始まりそうです。
いずれにしてもやりにくくて仕方がない、やがては孤立し、職場に居づらくなってしまうことでしょう。
そういう人は結局「気がつく」人ではありますが「気がつかえない」人なのでしょう。
人の欠点に気が付きながら、そのフォローをしたり、仕事の振り分けに気遣ったり、
たとえ注意するときでもその人を傷つけないように配慮した言い方に心がける人こそ
真に「デキる人」です。
スティーブン・コビーの『七つの習慣』に以下の様な文章があります。
『結婚生活に問題を抱えているとすれば、妻の欠点を延々と指摘することに
何の意味があるだろうか。
それは単に自分自身を責任がない、無力な被害者に仕立てるだけであり、
自らの行動する力を放棄しているにすぎない。
やがては、妻に影響を及ぼす力も失(な)くなるだろう。
叱責し、批判し、とがめ続ければ、彼女はあなたの思いやりのなさを理由に
自分の悪い行動を正当化できると感じるだろう。
あなたの批判は、
改めようとしている妻の行動よりも有害なのだ。』
耳に痛い文面です。
世界のパナソニックを一代で成した松下幸之助は、晩年
『事業に成功した要因は何ですか』と問われて、『自分に学問がなく、身体が弱かったこと。
そのため、社員の誰もが自分より偉く見えたし、 安心して仕事を任せることができた。 そのことがよかった』と答えました。
周りに不平不満を持ち、毒をまき散らせば、必ず業績は悪くなる。
逆に自分を支えてくれる周りに感謝の心が高まれば、正比例して成功する。
一貫した松下幸之助の信念からでた言葉です。
仏教では怒りの心のことを『瞋恚』といい、三大煩悩の一つに数えられています。
たいへん私たちを煩わせ、悩ませ、不幸にする心だからです。
「かんしゃくの くの字を捨てて ただかんしゃ」
お互い自戒してまいりましょう。