「浄土」迷い

「純粋な方ですな」御住職の言った言葉がどうしても頭を離れない。

そこから私は自分の至らなさを読み取っているのだ。

心が晴れないまま数日が経過した。

するとそこに迷いと苦悩が広がってくる。

いつまでも成長しない自分。絵が認められなかったらどうしよう。すると克の世界に大きく成長していく姿に羨望が生まれ背中合わせに自己嫌悪、失意、不安、そして己の醜悪さに心をすりつぶす。

それが苦の実態だ。

そこから抜け出そうと必死になる。そう思えば思うだけ思考は泥沼にはまっていく。わかっていても抜け出せない苦悩地獄が、今まさに私の中に広がっている。どこにも逃げ場がない。

何度この地獄をなめたかしれない。

自分の苦悩、自分の痛み、自分の至らなさ、自分の醜さ、自分の不幸、自分の、自分の、自分の・・・・

今の私にはそんな自分の姿が見える。

それが「浄土」を描けると思える自信だ。

苦悩の中にある唯一の救いがそこにあるのだ。