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日本人は、社会の形を作り始める古き時代から、
最も肩書きに拘ってきた民族であると思う。
どの時代の階級社会であっても、
この社会の代表は天皇であり続けている。
民族の歩いてきた歴史の道筋はそこにしかないと信じ続けている。
朝廷の権威がかなり失墜しても、
武家の圧倒的な支配が何百年間続いても、
天皇に取って変わろうとしていない。
ひたすら天皇からの叙任に拘るのである。
叙されて、初めてその立場が公の権威となる肩書きであり続けた。
叙任なしでは、
自他共に武力を持った野合集団としか認識しなかったのだろう。
歴史の長い国の社会形成にあって、そのことに不思議を覚えてしまう。
大陸に見る民族抗争の多発の歴史と比しても、
民族移動が極めて少ない島国で、
なぜそこまで一点の求心が必要だったのだろうか。
日本は、そういう肩書きの誇示が千年を超えて尊重されてきた社会である。
実勢、実力と関わりなく、千年を超えて日本人に染みついている。
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