体力が弱めの僕だったけど、思い出せるケンカが二つある。
小学校2年ころ。
近所の子たちと道路で輪になって、パッチ(メンコ)に興じている時に、
ちょっと評判の良くない一つ年下の子がズルをした。
我慢できなくてぼくは強い文句を言った。
その子の反応はしばらく後にやってきた。
地面のゲームの成り行きに夢中であるから、皆下を向いてる。
僕もそうだった。その子は両手で抱えるほどの石で、僕の頭をガンと殴ったのだ。
あれは痛かった。
そんなスキをつかれるとも、そんなに怒ってるとは思ってもいなかった。
当時、そんな卑怯な攻撃は誰もやらなかったから、よく憶えている。
けんかと下駄
もうひとつは、小学校の運動場の片隅での出来事だ。
僕ら何人かと一つ上級生の何人かと、場所の取り合いでもめたことがあった。
大げさに言えば、集団ケンカの場面である。
小学生にとって1年違いは、とても大きい。敵わない相手である。
その時、彼らの一人の言うことをとても腹立たしく感じたのだろうか、
体力のない僕がとても我慢できずに、上級生に向かってしまった。
当然上級性有利である。
何を思ったか僕はとっさに自分の下駄を脱いで、
思いっ切り相手の頭を殴ってしまった。
子供のけんかに下駄はいわば定番、最強の武器であった。
相手が泣き顔になり、形勢が逆転、上級生たちはひるんで、なし崩しに散って行った。
仕返しされるかもしれないと思いながらも、なんだと思ったものだ。子供の喧嘩だ。
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