松風Ⅱ

茅ケ崎の風日記Part2

神奈川新聞 「ことばの四季」より

2019-05-15 11:46:01 | 無題
甚平

更衣は古くから初夏の季語でした。
旧暦四月一日に行われた行事で
かって宮中では服装だけでなく
室内調度品や服飾などの一切を
夏用ものに取り換えたそうです。
この時期になると目にするのが「甚平」
「甚平衛」とも書くそうです。
麻や木綿の素材で筒袖で短く機能的。
前で合わせてひもで結び、見た目にも
涼し気な羽織です。

語源は甚平あるいは甚平衛なる人が考案して
その名がついたとされる説や甚平羽織に似た形から
「じんべい」「じんべ」となった
という説もあります

◎かげろう

これから夏にかけて直射日光が強い日
地面が熱せられて空気が上昇し光の屈折によって
物や景色が炎のように揺らめいて見えます
それがかげろう(陽炎)です。
「野馬(やば)」とも書き「糸遊(いとゆう)とも呼ばれ
平安時代から、あるかないかに見えるものの例えとされてきました。
「光がほのめく」「影が映る」という意味の「かげろい」が
「かげろう」に変化した言葉だそうです
ちなみにトンボのカゲロウはひらめくさまが陽炎が揺らめいて
見えることから命名されたそうです

◎ちまた

とかくうわさが立つ場所は「巷」
語源は股になっているところを言うそうです
「分去(わかされ)」は三叉路のこと
「追分」は道が左右になっているところ。
黒澤明監督の名作「用心棒」の冒頭
桑原三十郎(三船敏郎)が
道別れで行くを選ぶ際に先を棒きれを放り上げて
落ちた先が示した方へ歩くシーンがありました
道が十字になっているところが「辻」
「つむじ」とも読みます
和製漢字の一つで十字路を表しています。
古くから「辻」はあの世とこの世の堺と考えられてきました



4 コメント

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Unknown (ishikawa )
2019-05-15 15:05:18
お久ぶりです
お辛いことが続いたのですね 
お察し申し上げます
先ほどスーパーでお見かけしたのですが
連れがいましたので失礼しました
我が家も神奈川新聞ですが
いつ頃掲載されていたのでしょうか
いろいろ勉強させていただきますが覚える暇もなく忘れてしまうのです( ;∀;)
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Unknown (MOM)
2019-05-15 16:56:17
”かげろう”懐かしいです。
子供の頃はしょっちゅう見ていたような気がします。
雑賀に見たのはいつだったか、思い出せません。
これは危険なことですね(〃艸〃)ムフッ


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Unknown (松風Ⅱ)
2019-05-15 20:56:23
ishikawaさん
変わりやすい陽気と哀しみでしばらくご無沙汰していました
「ことばの四季」は10年ほど前に掲載されていたものを
私が勝手に冊子にしておいたのですよ
多分ご覧になっていたことと思いますが小さなスペースでしたから見逃したのでしょう
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Unknown (松風Ⅱ)
2019-05-15 21:02:23
MOMさん
子供のころの暑い日
陽炎をよく見ましたね
最近は暑い時は家の中でじっとしていますので見る機会も少なくなっているのではと思いますね
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