水素燃料で電気エネルギーを発生する燃料電池は環境にやさしいエネルギー源としての期待が大きい(9/26参照)。燃料電池で水素と酸素を結合させるのに白金が触媒として用いられている(10/16,17,10/12,5/28参照)。しかしながら水素燃料を実用化するのには、白金に代わる安価で資源として豊富な触媒材料の発掘が必要であるといわれている。
2009年にアメリカの研究グループが、炭素原子の一部を窒素原子で置き換えたカーボンナノチューブを電極と垂直に整列させることによって、白金と同程度の触媒効果を示すことを明らかにした。炭素原子を窒素原子でおき変えることによって電子密度が上がることになるという。その後、金属を用いないこのような触媒の効率を高める努力がなされてきた。最近、スウェーデンの研究グループは、カーボンナノチューブの炭素原子を置き換えた窒素原子の周辺の原子配列によって触媒効率をさらに高めることが出来ることを明らかにした。この触媒はまた水を分解(9/17参照)にも効力を発揮するという。
http://www.nanowerk.com/news2/newsid=26906.php?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+nanowerk%2FagWB+%28Nanowerk+Nanotechnology+News%29#.UG-Uit6yoC0.google
ナノ粒子の電子構造は種々雑多である。どのような電子構造が触媒に最適であるかコンピュータシミュレーションならびに実験による研究が活発に行われている。
最新の画像[もっと見る]
-
海水の淡水化 I 10年前
-
持続可能な開発と ナノテクノロジー 10年前
-
再び"透明マント" 12年前
-
原子炉専門家よ 反省・奮起を: 日本の原子力産業が衰退する 12年前
-
Janusナノ粒子の効用:光触媒作用の効率化 12年前
-
太陽光発電その後 12年前
-
新しいタイプのナノモーター 12年前
-
北大グループが次世代トランジスタへの第一歩を 12年前
-
電流測定の画期的進歩: 電子1個ずつの測定が可能に 12年前
-
大容量電気エネルギーストレージへの新しい道 12年前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます