中国の二人の研究者が各国のナノテクノロジー関連パテントを分析し論文を発表した。
1991年から2010年までの各国のパテント数の移り変わりは下のグラフの通りである。驚いたことに、圧倒的に日本初のパテントが多い。この論文では、さらに国際的に認められたパテント数を比較しているが、日本初のパテントがアメリカならびにEUで認められたものは30%程度で、韓国の約40%に比べて小さい。中国でのこの比率が小さい(約4%)ことが論文の著者たちの悩みであるが、日本もいささか小さすぎるようにも思われる。中国でのは、パテント数の増加はすざましい。
次に、著者たちは、高分子等有機材料、半導体、光学関係、薬剤、表面処理およびコーティング材、金属等無機材料の各分野について、技術特許化(RTA)係数を比較している。RTA係数とは、特定の国内での特定分野の特許出願数を全特許出願数で割った値を、全世界の同様の値で割ったものである。その国のその分野での力の入れ方がわかる。日本は高分子など有機材料に、韓国は半導体に、中国は金属等無機材料に力を入れていることがわかる。EUは薬剤にに対するRTA係数はEUやアメリカで大きいが、日本では極端に小さい。アメリカは半導体でも大きい値を示している。
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