基盤の上にプリントすることによって電子デバイスを作成する手法をフリンテッドエトロニクスという。アメリカのコンサルティング会社IdTechExは2011年のプリンテッドエレクトロニクスを発表した。
その一つ、最優秀開発製品賞を受賞したのは、Vortech社の盗難防止包装(11/23参照)である。この手法はSirenと呼ばれ、展示台に施したナノプリントにより展示品が持ち去られるとアラームを鳴らすなど種々の応用が考えられている。2012年には市場に出回ると予想されている。
最優秀材料開発賞にはOpaluxのフォートニック結晶材料が選ばれている。フォートニック結晶(11/18,19参照)とはナノ粒子を結晶状に配置したものである。受賞の対象となった材料は、圧力、熱、化学物質を加えることによって色が変わる。この会社はフォートニックインクも製作している。フォートニックインクを基盤に貼付すると電圧を加えることによって特定の波長の光を反射する。加える電圧が1ボルト程度であることから、特殊なディスプレイなどに利用出来そうである。
開発研究賞はスティーブンス工科大学とアメリカ陸軍の研究所ARDECが受賞した。受賞の対象となったのは、酸化グラフェンの蒸発とインクジェットとを共用し、スーパーキャパシター(11/26参照)などグラフェンを用いた種々のデバイスの製作を容易にした点である。酸化グラフェンを還元してグラフェンに変換することが可能であるという。
フォートニッククリスタルの機能については後に説明する。
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