ブログの表題をナノテクノロジーニュースに変えた。記事の内容が主にナノテクノロジーであること、現存しているニュースサイトがほとんど国内のニュースしか報じていないこと、過去のブログ記事を参照すると比較的簡単な説明で新しいニュースを紹介出来ることなどがその理由である。英文のGoogleやNanowerkからは毎日多数のニュースが送られてくる。
MEMSとはMcro-Electro-Mechanical Systemsを意味し、センサー、発電機、電子回路を一つの基板上に集積化したデバイスを意味する。応力センサーなどはその一例であるが、すでに広い範囲で多用されている。MicroをNanoに変えるとNEMS(9/17参照)で、ナノロボット(11/7参照)までの道のりは遠いにしても、ナノ領域での高感度センサーやバイオ関連では重要な課題である。
機械的エネルギーを電気エネルギーに変換するには昨日述べたピエゾエレクトリック効果が利用出来る。韓国の研究者たちは、金の触媒を使いグラフェン上に酸化亜鉛(ZnO)のナノワイヤーやナノウォール(薄い平面状の壁)を成長させることに成功した。触媒として使う金の量を加減することによって、ナノワイヤーやナノウォールのいずれかまたは両方を成長させることが出来るという。グラフェンから成長したナノワイヤーやナノウォールの上に金をコートした高分子をかぶせ、圧力を加えることによって発電する透明でフレクシブルな発電膜を作成した。
透明な発電膜は、スマートフォンのタッチパネルなどに用いられており、これまでは透明な電気伝導体、酸化インジウムすず(ITO)を用いて作られていた。グラフェンを用いたフレキシブルな透明発電膜は、ロボット用の人工皮膚など場所と強さを識別出来るセンサーとして有用であろう。このグループは、金をコートした高分子の代わりにグラフェンを電極として用いること試みている。ナノワイヤーやナノウォールの長さを揃えることなどまだ問題が残されているようだ。
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