ナノテクノロジーニュース

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2011-12-07 | 日記

窒化ガリウムでは、電子と正孔とが結合して青色の光を放出する。p型の窒化ガリウムを初めてつくり出したのは中村修二氏(10/5参照)で、これによって窒化ガリウムのpn接合が作成出来、青色LEDが出現した(10/2,3参照)。現在、窒化ガリウム膜を作成するのに、酸化アルミニウムなど絶縁体の上にゆっくりと窒化ガリウム分子を沈着する方法がとられている。この方法では、酸化アルミニウムと窒化ガリウムの格子定数の不一致により、窒化ガリウム結晶中の欠陥が多く、そのため発光効率が悪い。

アメリカの国立標準技術研究所(NIST)の研究者は、シリコン結晶板上に垂直に、長さ10ミクロン(毛髪直径の約十分の1)程度の窒化ガリウムナノワイヤーを成長させることに成功した。ゆっくりと結晶を成長させる手法を採用しているため、ナノワイヤーの結晶の完全度が高い。しかも、彼らはシリコン表面上に格子状のパターンを作ることによって、図に示すような窒化ガリウムナノワイヤーの森を作ることに成功している。

このシステムは従来の青色LEDより高性能である。第一に欠陥が少ないため発光効率が高い。また従来の平板型窒化ガリウムの場合は基盤から反射された光が窒化ガリウムに吸収される。生成に要するコストの問題はあるが、この方法によりLED効率改善が期待される。

LEDのほかにも、窒化ガリウムナノワイヤーの森が高温にも耐えうることや機械的に強靭であることなどの特徴を利用した色々な応用が考えられている。ピエゾエレクトリック効果とは、結晶に圧力を加えると電荷が現れる。逆に電荷を与えると圧力が生じる。結晶に電磁波を加えると変形が起こるが、結晶のサイズに適応した周波数を選ぶと共振が起こり激しく振動する。水晶のピエゾエレクトリック効果が時計に応用されていることはよく知られている。この現象をナノワイヤーに応用すると、原子サイズの付着物が検出出来ると期待されている。

                    

 

                                            


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