IDTechEx社の分析によると、2012年のペーパーエレクトロニクス(紙の上のプリンテッドエレクトロニクス)の市場規模は3000万ドル程度であるが、2022年には17億ドル程度に膨張するであろうという。
ペーパーエレクトロニクスとは、紙に微細粒子を付着させ、エレクトロニクス機能を持たせるものである。その歴史は古く、当初はマイクロメートルサイズの粒子が用いられていた。最近、ナノ粒子の特徴が生かされたものが現われている(11/23,12/10参照)。ペーパーエレクトロニクスには、Tigerprint社, Nano ePrint社, Novalia社など、ギフトカードなどに装飾を付けるのに用いられるのもあるが、紙自体にエレクトロニクス機能を持たせるものが多く作られている。
太陽光発電もその一つで、酸化亜鉛ナノワイヤーと酸化チタンナノ粒子を集光材料でコートしたものなどが作られている。現在のところ発電効率が低いが広い面積が容易に得られるため、手軽な電源として利用出来よう。紙の上に唾、咳、尿を付着させ、その結果を携帯電話で病院へアップロードするだけで診断結果が得られるという試みもある。
4月にベルリンでプリンテッドエレクトロニクスに関する国際会議が開かれる(http://www.gii.co.jp/conference/ixc223816-2012/)。各社の技術者などがそれぞれの会社の製品を中心とした講演を行う。日本からもパナソニック、ソニー、コニカの技術者が講演を行う。ナノテクノロジー関係では、透明電極やディスプレイ(1/25参照)も注目されている。
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